デジタル楽器登場 (1970年代-)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/08 07:26 UTC 版)
「シンセサイザー」の記事における「デジタル楽器登場 (1970年代-)」の解説
詳細は「デジタルシンセサイザー」、「サンプリング」、「サンプラー」、「en:Electronic Music Studios」、「シンクラビア」、「フェアライトCMI」、「en:E-mu sysmtes」、および「en:Kurzweil Music Systems」を参照 前述のようにデジタル音源は1957年Max MathewsのMUSIC登場以降、主に高価な大型コンピュータ上で研究が進められた。一方、同時期に誕生したマイクロ・エレクトロニクス技術は、1960年代の宇宙開発/軍需ニーズを背景に急速な発展を遂げ、1970年前後にはLSI技術の民生利用が本格化し、その中からマイクロプロセッサが誕生した。こうして1970年代には、大型コンピュータを専用ハードに置き換えた初期のデジタルシンセサイザーが登場し、一足早くデジタル音源時代が開幕した。 1969年頃、EMSの 電子音楽スタジオ用コンピュータ制御システム EMS Musys III上で、世界初のサンプリング楽器が実現された。 (ミニコン2台: DEC PDP-8/S、合計メモリ12KB。後に専用ハード DOB (Digital Oscillator Bank) を追加) 1971年-1972年、Triadex Muse発売。 人工知能の父マービン・ミンスキー教授がエドワード・フレドキンと開発した、デジタル技術でメロディと音響を自動生成するエレクトロニクス・ガジェット。 1973年、ダートマス大で「ダートマス・デジタル・シンセサイザ」開発。 当初は処理に大型コンピュータを必要としたが、1975年専用プロセッサ(ABLEコンピュータ)が開発され、それと本体を組み合わせたシンクラビアが遅くとも1977年には発売された。 1974年、RMIがHarmonic Synthesizerを発売。 (合成方式: デジタル倍音加算+フィルタ) 1976年、Computer Music Melodian発売 最初のサンプリングシンセ製品(ミニコンDEC PDP-8使用)。発音は単音のみで、後にARP 2600と連携可能になった。1979年スティービー・ワンダーがサウンドトラックに使用 1976年頃、AT&Tベル研究所でデジタルシンセサイザー試作。 初期のソフトウェア実験に基づいて試作された「最初の真のデジタル・アディティブ・シンセサイザー」。 1980年Crumar GDS(General Development System)、1981年DKI Synergyとして商用化 1979年、ニューイングランド・デジタル社が シンクラビアIIを発売。 (合成方式: FM合成、倍音加算、サンプリング、分析/再合成。1985年Direct to Disk(DAW機能)を追加) 1979年、フェアライト社が フェアライトCMIを発売。 (合成方式: サンプリング、倍音加算、波形描画、分析/再合成(CMI IIxで追加)) 1978年-1980年頃、P.P.G.が Wavecomputer 340 / 380 および 同 360 を開発。 (合成方式: ウェーブテーブル・シンセシス) 前者はThomas Dolbyの使用で有名、後者はWave 2.0 (1981年)の前身。 1979年、CASIOが世界初のVLSI化された電子楽器カシオ VL-1を発売。 1982年、E-muシステムズ社がイーミュレータを発売。(音源方式: サンプリング) 1984年、Kurzweil Music Systemが K-250 synthesizerを発売。 (音源方式: レイヤー化された大規模サンプル音源) 開発者は人工知能や不老不死の研究者として知られるレイ・カーツワイルで、K250開発にあたっては、スティービー・ワンダー、ライル・メイズ、ロバート・モーグ (元Moog Music) および 元アープの関係者(創立者Alan R. Pearlmanや元重役Philip Dodds) から広くアドバイスを受けた。後にロバート・モーグは新製品開発担当重役として同社経営にも参加した。 .mw-parser-output .tmulti .thumbinner{display:flex;flex-direction:column}.mw-parser-output .tmulti .trow{display:flex;flex-direction:row;clear:left;flex-wrap:wrap;width:100%;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{margin:1px;float:left}.mw-parser-output .tmulti .theader{clear:both;font-weight:bold;text-align:center;align-self:center;background-color:transparent;width:100%}.mw-parser-output .tmulti .thumbcaption{background-color:transparent}.mw-parser-output .tmulti .text-align-left{text-align:left}.mw-parser-output .tmulti .text-align-right{text-align:right}.mw-parser-output .tmulti .text-align-center{text-align:center}@media all and (max-width:720px){.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{width:100%!important;box-sizing:border-box;max-width:none!important;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow{justify-content:center}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{float:none!important;max-width:100%!important;box-sizing:border-box;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow>.thumbcaption{text-align:center}} ヤマハ DX7 (1983) Ensoniq Mirage (1985) ローランド D-50 (1987) コルグ M1 (1988)
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