デジタル派の批判と反論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/31 07:41 UTC 版)
「オーディオマニア」の記事における「デジタル派の批判と反論」の解説
これに対して、デジタル方式及びCDを支持する側の反論は以下のようになる。 LPレコードに記録できる帯域は通常100Hz~10数KHz程度であり、これはCDよりも狭い。また、レコードはCAV(角速度一定)であるため、内側の再生ほど線速度が遅く、高域の周波数帯域が狭くなっていく。さらに、レコードは再生することによって音溝が磨耗し、特に高音域が徐々に失われてゆく。 電子楽器などの音の立ち上がりや減衰が激しい音源、打楽器やピアノの打鍵などのパルス性の音源ではデジタル方式が優位にある。また、レコードではクロストークやオーバーハングによる音質劣化が避けられない。 レコードを最高の音質で再生するためには振動が無く安定した場所の確保、高価な機器とそれを使いこなすだけの知識・技術が必要であり、レコード盤の保管にもCD以上に気を遣う必要がある。対してCDは不安定で振動がある場所、安価な機器でも比較的良い音質が得られ、メディアの保管も楽である。 量子化誤差はA/D変換時の工夫でかなり改善される。最近のCDではΔΣ変調などで聴感上の量子化誤差を抑えている。 レコードの音が自然に感じられるのは、適度に歪みが加えられた結果と思われる。聴感上良い音に感じられても、原音再生の理念からは外れる。 なお、アナログレコードの再生には、針の上げ下げ、曲の頭出し、カートリッジの交換、MCカートリッジ使用に伴うトランスやヘッドアンプの選択、振動の伝わらない設置場所の確保など、複雑な手順がともなう。とはいえ、愛好家にとってはそれもまた愉しみの1つであり、それがアナログレコードに強い趣味性を持たせる事となっている。オーディオ評論家の長岡鉄男は、「最高のアナログは最高のCDを上回るが、最低のアナログは最低のCDを遥かに下回る」と述べている。
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