テレビの放送倫理に抵触する人為事故
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/04 21:13 UTC 版)
「放送事故」の記事における「テレビの放送倫理に抵触する人為事故」の解説
1980年2月10日(9日深夜) 静岡放送 未明の放送休止時間帯技術職(運行部)の男性社員が、機械室のモニターで個人的に成人映画のテープを観賞しようとしたが、十分な画質が得られないとして、主調整室に移って鑑賞したところ、誤って緊急速報発出のスイッチを押してしまい、本来試験電波(カラーバー)を流している放送に成人映画がそのまま流れた。視聴者の主婦から苦情の問い合わせがあったことで発覚(さらに一部視聴者が静岡県警に通報)。局はこの技術社員を自宅謹慎にしたのち懲戒免職としたほか、運行部長が1か月の停職処分、社長を含む役員も3か月の減給にするなどの懲戒処分を行った。 2000年12月31日 日本テレビ系列『進ぬ!電波少年 いけ年こい年世紀越えスペシャル』意図的に2分時計を早め、21世紀へのカウントダウンをフライングした。出演者と視聴者を巻き込んだドッキリ企画として行われたものだが、出演者も混乱していたため視聴者に充分な説明がなされず、日本テレビには多くの非難が殺到した(なお、日本テレビ側では番組スタッフへの厳重注意を行ったうえで、『進ぬ!電波少年』内で謝罪する内容のテロップ画面を流す対応を取った)。 大原則として、放送番組進行は備えつけの正確な時計に従って行われなければならず(法定)、特に実時刻にかかわる放送内容について「不具合」があるとただちに視聴者に混乱を与え、場合によっては実害を生じさせる恐れがあることから、その「誤り」は本来の放送事故として扱われる(ラジオ放送で現在時刻のアナウンスを間違えた場合、ただちに訂正するのはこのため)。 加えて、歴史的な21世紀へのカウントダウンをいわゆる「お笑い」のネタにすることは倫理的にも疑問視され、この件は放送倫理・番組向上機構(BPO)でも問題となった。この件は当時、放送におけるさまざまな規制にあえて挑戦した演出が過ぎた一例として扱われ、以降こういった内容は改めて放送禁止の対象として、放送業界内で確認されることになった。 2003年6月29日 フジテレビ系列『FNS27時間テレビ みんなのうた』前日28日18時から放送していた生放送の長時間特別番組。日付をまたいだ29日深夜帯のコーナー「さんま・中居の今夜も眠れない」放送中の2時18分頃、東京のスタジオにいたコーナー司会者・明石家さんまと中居正広(SMAP)が中継先の笑福亭鶴瓶を呼び出した際、布団で寝ていたパンツ姿の鶴瓶がパンツをずり下げた状態で起き上がり、男性器を露出してしまった。鶴瓶とともにいたココリコ(遠藤章造・田中直樹)らが座布団などで隠そうとしたほか、カメラマンがとっさにレンズを鶴瓶の顔にズームアップさせたものの、約1秒間露呈した状態になった。ただちにCMが入れられ、コーナー終了後の3時37分に高島彩(当時フジテレビアナウンサー)が視聴者に謝罪した。抗議の電話が約150件に達し、フジテレビ広報部も「ハプニングとはいえ、視聴者に不快な映像が流れてしまい、心からおわびします」との謝罪コメントを出した。 鶴瓶が中継先の地元住人と酒を飲み交わして泥酔し、中継開始までそのまま熟睡しており、寝ぼけていたためとみられている。中継制作現場がそのような状況を許したことや、副調整室が中継現場の状況をスイッチ前に把握できるにもかかわらず対応しなかったことにより、重大な事故となった。 鶴瓶は1975年にも、テレビ東京の生放送番組『独占!男の時間』で数度局部を露出している。 のちに鶴瓶はフジテレビに対して謝罪している。なお、鶴瓶は事故後の2005年に同番組の総合司会を務めており、この時は金属製の貞操帯を装備して出演するという、本件を意識した演出も行われた。 2011年8月4日 東海テレビ『ぴーかんテレビ』詳細は「セシウムさん騒動」を参照 生放送の情報番組。11時03分、岩手県産「ひとめぼれ」プレゼント当選者発表において「怪しいお米 セシウムさん」「汚染されたお米 セシウムさん」という字幕が23秒間にわたり放送された。リハーサル用の字幕を誤って放送したと発表された(当該項目で詳述)が、放送局のモラルを問う社会問題に発展した。
※この「テレビの放送倫理に抵触する人為事故」の解説は、「放送事故」の解説の一部です。
「テレビの放送倫理に抵触する人為事故」を含む「放送事故」の記事については、「放送事故」の概要を参照ください。
- テレビの放送倫理に抵触する人為事故のページへのリンク