セシウムさん騒動
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セシウムさん騒動(セシウムさんそうどう)は、2011年(平成23年)8月4日に東海テレビのローカルワイド番組『ぴーかんテレビ』(中京広域圏に於いて平日9:55 - 11:30に生放送)において発生した、不適切なテロップ[※ 1]を表示した不祥事[2]。地方局のローカル番組内の出来事ながら、日本全国の放送事業者が倫理観の再確認や防止策を求められる事態に発展した。
注釈
- ^ 「テロップ」の用語は「再生の取り組み」等、東海テレビの発表に基づく。アナログのテロップカードではなく、デジタルファイルによる文字情報の全画面表示(電子フリップ)の意。
- ^ 総務省の定義する、長時間の停止を伴う放送事故とは異なるが、この項における「事故」「放送事故」の用法は同局の説明に従う。
- ^ 岩手県産米プレゼントは8月1日から開始されたが、前日まで手書きのフリップで発表していたものを、同日以降スタジオに備え付けられた大型テレビモニターを使って発表する方式へと変更予定だった。
- ^ 放送局によってその名称や送出系統数は異なる。この場合(CGは画面全体に表示させるCG画面用系統、Tはテロップ=Telopを表示させる系統)は東海テレビの場合。
- ^ この場合「VF=Video File」系統がスタジオモニター用に設定されていたため、この系統に素材を登録しないと表示出来なかった。
- ^ これについては、本人が保存系統を誤っていることを認識できていなければ、当然周知は(しない、のではなく)できない。
- ^ 通常、プレゼント当選者発表リハーサルなどで用いるための仮テロップを作成する場合は名前(当選者)欄に「○○市・◎◎さん、△△町・××さん」などの記号を入力する。
- ^ プロデューサー兼ディレクターも、この点について「当選者用テロップは当選者の決定時に初めて完成し、それからチェックする形だったので、本番前リハーサル段階ではT2(系統)に何も入れてなかった。本番前リハーサルでもテロップは一通り確認したが、不適切内容だった当選者発表用テロップについては(本番前リハーサル段階では)確認しなかった」と証言している。
- ^ テロップ作成スタッフは、AP兼TKから注意された際に「ハイハイハイハイ、やってます」と返事をしたが、検証委員の質問では「そのように言われた記憶は無い」と弁解している。
- ^ 日本民間放送連盟賞は、同年表彰番組ページに「辞退」の但し書きを入れた形で受賞番組名が掲載されている。
- ^ 当日、フジテレビでは番組差し替えは行われず、通常通り「知りたがり!」を放送した。
- ^ 庄野は当時「東海テレビスーパーニュース」キャスターも担当しており、2011年8月4日夕方の同番組でもぴーかん不適切放送の件について謝罪している(これ以前には「ぴーかん」中継リポーターとMCも経験)。
- ^ 報告書には「東海テレビが今後放送活動を通じてすべき視聴者や岩手県民への償い、震災被災地復興支援、再生・信頼回復への取り組み」についても記し、それら関連の特番制作など放送活動を通じた震災復興支援についても報告に盛り込まれている。
- ^ 2007年に関西テレビが起こした「発掘あるある大事典」データ捏造問題でも外部検証委員を務めた。
- ^ 2012年11月13日開催の番組審議会にて「四季 純情の里」放送日時が公式発表され、翌月12月11日開催の番組審議会にて内容を審議。翌週17日のオンブズ東海委員会で「四季 純情の里」を岩手めんこいテレビにもネットする旨が公式発表され、岩手県では東海3県での放送から1カ月後の同年12月25日に16:55〜18:00の年末ローカル特番枠で放送。
- ^ ただし2011年10月〜2012年7月にかけての特番は東海3県(愛知・岐阜・三重)のみで放送され、系列の岩手めんこいテレビでは非ネット。
- ^ 「一番本舗」は月 - 金の早朝4時台及び深夜1時台にも再放送される他、日により「一番本舗」の枠大及び自社制作単発特番放送のため「スイッチ!」放送枠が短縮となる場合あり。
- ^ オンブズ東海の委員が集まる会議は3ヶ月に一度行い、信頼回復に向けた活動内容・東海テレビの番組やイベントの方向性・放送活動を通じた震災復興支援などについて意見交換。その要旨は東海テレビ公式サイト内「オンブズ東海」項にて公開し、視聴者からの意見を受け付けるメール送信フォームも設置。
出典
- ^ a b “「セシウムさん」作成者を解雇 東海テレビ社長、検証特番で謝罪”. 産経WEST (2011年8月30日). 2020年7月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年8月20日閲覧。
- ^ “岩手産米プレゼントで「怪しいお米 セシウムさん」 東海テレビ番組中に不謹慎な表示”. ITmedia NEWS. ITmedia (2011年8月4日). 2020年10月21日閲覧。
- ^ 「ぴーかんテレビ」における不適切な記述送出の件(東海テレビ放送 2011年8月4日)
- ^ a b “「ぴーかんテレビ」内で不適切な表現が放送された事故について”. 東海テレビ放送 (2011年8月4日). 2011年8月4日閲覧。
- ^ https://www.youtube.com/watch?v=0-fp33pLVDo
- ^ a b “岩手産米プレゼントで「怪しいお米 セシウムさん」 東海テレビ番組中に不謹慎な表示”. ITmedia ニュース. (2011年8月4日) 2011年8月4日閲覧。
- ^ 日本民間放送連盟編 編『放送ハンドブック:文化をになう民放の業務知識』(第4刷 p274-292)東洋経済新報社、1992年3月16日(原著1991年5月23日)。ISBN 4492760857。
- ^ テロップ問題後、社長2時間連絡取れず 長野でゴルフ(朝日新聞 2011年8月12日)
- ^ a b c 東海テレビ社長 問題知っても帰社せず(中日スポーツ 2011年8月12日付朝刊、20面)
- ^ 東海テレビ:番組で不適切テロップ 苦情300件超 毎日新聞 2011年8月5日
- ^ 東海テレビ不適切テロップ、3日間で抗議1万件(読売新聞 2011年8月6日)
- ^ a b “8月4日の東海テレビ放送「ぴーかんテレビ」への抗議について”. 岩手県 (2011年8月4日). 2011年8月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年8月4日閲覧。
- ^ “"被害"岩手県知事「人の心の闇を見た」”. スポニチアネックス. (2011年8月9日). オリジナルの2013年11月12日時点におけるアーカイブ。 2011年8月9日閲覧。
- ^ 東海テレビの浅野社長が岩手県知事に謝罪 不適切テロップ問題で(中日新聞 2011年8月10日)
- ^ 「セシウムさん検証番組、岩手県内でも放送へ」(読売新聞 2011年8月10日)
- ^ セシウムさん問題 愛知知事、東海テレビに再発防止要求(朝日新聞 2011年8月8日)
- ^ 不謹慎テロップに民放連会長「社会意識の欠如に問題の根源」(MSN産経ニュース 2011年8月6日)
- ^ 東海テレビ処分 民放連が検討へ(読売新聞 2011年8月11日)
- ^ 東海テレビ放送「ぴーかんテレビ」問題に関する民放連の対応について(日本民間放送連盟 2011年9月15日)
- ^ 東海テレビに厳重注意処分 民放連(中京テレビニュース 2011年9月15日)
- ^ “民放連幹事会での厳重注意方針を受けて”. 東海テレビ放送 (2011年9月7日). 2011年9月8日閲覧。
- ^ a b “民放連の文書による厳重注意を受けて”. 東海テレビ放送 (2011年9月15日). 2011年9月15日閲覧。
- ^ “日本民間放送連盟賞/2011年(平成23年)入選・事績”. 表彰番組・事績. 日本民間放送連盟. 2021年9月15日閲覧。
- ^ 『毎日新聞』夕刊 2011年8月6日
- ^ BPO「2011年8月に視聴者から寄せられた意見」(番組全般→【取材・報道のあり方】の上から5件の部分)
- ^ 謝罪会見後、東海テレビへ258件の抗議 不適切テロップ問題で(中日新聞 2011年8月12日)
- ^ “放送倫理・番組向上機構(BPO)のご提言を受けて”. 東海テレビ放送 (2011年9月22日). 2011年9月24日閲覧。
- ^ 東海テレビ 岩手県庁、生産農家に謝罪(日テレNEWS24 2011年8月5日)
- ^ 東海テレビ:不適切テロップ 常務、県庁訪れおわび/岩手(毎日新聞 2011年8月6日)
- ^ a b 東海テレビが番組休止 社長謝罪番組も(朝日新聞 2011年8月6日)
- ^ 東海テレビがテロップ誤放送 岩手産米の当選者に「セシウムさん」(中日新聞 2011年8月5日)
- ^ “(cache) 番組表” (2011年8月5日). 2011年8月5日閲覧。
- ^ 「汚染米」テロップの番組休止=東海テレビ(時事ドットコム 2011年8月5日)
- ^ 不適切テロップ、東海テレビ社長が特番で謝罪(読売新聞 2011年8月5日)
- ^ “「"ぴーかんテレビ"内における不適切な放送とそれに伴うお詫びの件」”. 東海テレビ放送 (2011年8月6日). 2011年8月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年8月6日閲覧。
- ^ 「ぴーかん」打ち切り 東海テレビ、不適切テロップで判断(中日新聞 2011年8月11日)
- ^ 東海テレビ社長謝罪、問題の番組は打ち切り(読売新聞 2011年8月11日)
- ^ “抗議殺到 不適切テロップ問題 CM提供中止加速 番組打ち切り検討”. スポニチアネックス. (2011年8月9日) 2011年8月9日閲覧。
- ^ 「ぴーかんテレビ」打ち切り 東海テレビ、社長ら処分も 朝日新聞 2011年8月11日
- ^ 情報番組を当面休止 東海テレビ、対策本部設置(MSN産経ニュース 2011年8月6日)
- ^ “「ぴーかんテレビ」検証報告書”. 東海テレビ放送 (2011年8月30日). 2011年9月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年8月30日閲覧。
- ^ “再生委員会の設置について”. 東海テレビ放送 (2011年8月31日). 2011年9月4日閲覧。
- ^ 「セシウムさん」問題 東海テレビが再生委を設置 MSN産経ニュース 2011年8月31日
- ^ “答申書”. 東海テレビ放送 (2011年11月15日). 2012年8月14日閲覧。
- ^ “「東海テレビ文化賞」取りやめ、及び「わんだほ祭2011」中止のお知らせ”. 東海テレビ放送 (2011年9月22日). 2011年9月24日閲覧。
- ^ “再生の取り組みのご報告”. 東海テレビ放送 (2012年8月4日). 2012年12月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年8月14日閲覧。
- ^ a b “「ぴーかんテレビ」検証番組の放送について”. 東海テレビ放送 (2011年8月26日). 2012年12月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年8月30日閲覧。
- ^ 東海テレビ:岩手県産米中傷テロップで検証番組 30日(毎日新聞 2011年8月26日)
- ^ a b 東海テレビ:中傷テロップ問題 「人手不足で現場疲弊」 検証委が報告書(毎日新聞 2011年8月31日)
- ^ 「ぴーかんテレビ」検証番組、平均視聴率6.1%(中日新聞 2011年8月31日)
- ^ 東海テレビ「構造的問題」認める 不適切テロップ(中日新聞 2011年8月31日)
- ^ 「再生の取り組みのご報告2013年度版」より抜粋。
- ^ 再生委員会活動終了のご報告 (PDF) (東海テレビHP「オンブズ東海」項)
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