タケの開花と再生とは? わかりやすく解説

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タケの開花と再生

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/01 07:09 UTC 版)

篠原のキンメイチク」の記事における「タケの開花と再生」の解説

1967年昭和42年以降タケ開花続き竹林枯死しそれ以降年々新たな笹状の出て開花枯死繰り返した。この現象一種病気考え向きもあり「開花病」などと言われることもあった。タケ数十年に一度開花して結実する一斉に枯死するという性質持っているが、これはタケ限ったではなくイネムギをはじめ雑草にいたるまで、ほとんどの植物開花結実すると、ほとんど全ての養分実の中に集約し枯れてしまうが、これはむしろ当然のこと一種若返り策であると考えられている。 枯死したように見えて地下茎一部根茎)は残っている場合もあり、そのまま何もせずに放置しておけば、数年後再生するケースがほとんどである。篠原のキンメイチク開花枯死した際に対応した石川県担当者は、これを当時考えられていた「開花病」と考えたため、指定地土壌掘り起こして残存する地下茎に対して殺菌剤ウスプルンを散布したうえで、別の山林から運び出した土壌入れ替え客土施し施肥行った。それに加え衰弱しきっていた指定地キンメイチク大部分近隣の場所へ移植したが、ここでも移植先の土壌病菌のある可能性恐れ客土施したところ、想定とは逆に悪化し移植したキンメイチク全滅し開花枯死繰り返していた天然記念物指定地のキンメイチクはほとんど姿を消してマダケだけとなってしまった。 同時期に石川県内で同じ現象発生し当時国天然記念物であった同じ加賀市内のノ沢のキンメイチク枯死により昭和58年指定解除)や、小松市小松天満宮金沢市兼六園などに生育していた栽培品のキンメイチク全滅した竹の花開花する間隔は最低でも数十年であることから石川県内の枯死した複数キンメイチクは、篠原のキンメイチクから株分けされたものであった考えられている。特にノ沢のキンメイチク指定時期こそ1943年昭和18年)と篠原のキンメイチク比べ遅かったものの、本数多くて稈も太く発育状況篠原のものよりもはるかに良好であったという。 植物学者で竹類の研究者である室井綽文化庁および石川県庁からの調査依頼を受け、1983年昭和58年3月現地調査行ったところ、マダケ真竹)、オキナダケ翁竹)に混ざりキンメイチク金明竹)の地下茎を1本発見しキンメイチクだけを残して他を伐採し施肥即刻中止させ山から移した痩せた土壌中のよく腐った落葉などの有機物質使って乾燥を防ぐように指示をして、しばらく様子見たところ徐々に回復し始め全滅の危機まぬがれることができた。その後1993年平成5年)には100本を越し開花以前よりも良好な状態になったという。 ほぼ同時期に文化庁開かれた天然記念物審議会参加した京都大学名誉教授河合雅雄は、1983年昭和58年4月5日神戸新聞夕刊に『自然のままこそよけれ』と題する随想寄稿しその中で先刻参加した文化庁審議会での興味深い話を伺ったとし、その時内容綴っている。それによれば審議会天然記念物指定解除申請議題上がった際、石川県文化財委員会同県内のもう一つの国天然記念物であるノ沢のキンメイチクについて、根茎残っていないかを調査し肥料与えるなどの保護対策講じたが、ついに絶滅してしまったので指定解除お願いしたい発言したところ、文化庁植物専門委員苦笑いをし、絶滅の原因は「保護対策」によるもの発言したので、参加者一同驚いたという。植物専門委員によれば一斉に枯れたタケ地中小さな根茎残っていて、そこから翌年または同年ススキほどのが出る。そのまま放っておけば数年元通りになるのに、土を掘り起こして根茎調整などするから、元も子もなくなってしまうのだと。さらに肥料も強すぎてはダメで、周囲雑草なども除草してしまって保水性悪くなり、地温上昇して衰弱してしまう。つまり、雑草生やし施肥止めて自然のままに置くほうが良いという。 この話には篠原のキンメイチク絶滅危機から救った室井綽同調しており、タケ開花とは一種生理現象であるとしている。 今日では地元住民らで構成される金明竹保存会」により、間引き作業冬季雪吊などの保守作業が行われ、天然記念物指定地より東方向へ約300メートルほど離れた石川県道148号小塩潮津線沿いに整備された「金明竹育成地」で七夕まつりが行われている。また、1958年昭和33年)に周辺小学校3校が統合され開校した小学校は、キンメイチク金明竹)の名前を冠した加賀市立金小学校名付けられるなど、篠原のキンメイチク当地域のシンボルのひとつとなっている。 北側からの全景篠原の金明竹育成地。天然記念物指定場所から300メートルほど東に所在する篠原のキンメイチク入り口を示す道路標識

※この「タケの開花と再生」の解説は、「篠原のキンメイチク」の解説の一部です。
「タケの開花と再生」を含む「篠原のキンメイチク」の記事については、「篠原のキンメイチク」の概要を参照ください。

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