セーラーサターン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/02 08:48 UTC 版)
土星を守護星に持つ沈黙、そして破滅と誕生の戦士。太陽系最後のセーラー戦士。「死への案内人」「破滅の神」「死の淵よりの使者」などの別名を持つ。 その使命は星が逃れ得ぬ終焉の運命を迎えた時、今ある世界を破滅に導き、滅びと死を消し去って新たな世界の礎となること。星を滅ぼすような驚異的な力を持つが、破滅の力を解放する代価にサターン自身の命も失われる。テレビアニメのネヘレニアによれば「破滅の力は諸刃の刃、その力を使えば自らの肉体も滅びる」。シルバー・ミレニアムが崩壊した時にも現れ、ウラヌスたち外部太陽系三戦士に警戒されていた。ミュージカル版では「時空の扉」に侵入するほどの強敵が現れる時に復活し、この前は変身不能。 コスチュームの色は菫色(バイオレット)で、リボンの色はレッドブラウン。ティアラの宝石は紫色(テレビアニメでは白色)で、花びら型の肩のフリル、聖体/ピュアな心の結晶型(大星型十二面体)のブローチとチョーカー、銀の三角錐を下げた惑星型のピアス、編み上げのロングブーツが特徴。手袋の先が尖っていてセーラーカラーもない等、他のセーラー戦士とまったく違う形をしている。 テレビアニメ版及び『Eternal』での決めゼリフは「沈黙の星、土星を守護に持つ、破滅と誕生の戦士セーラーサターン」。原作第三期及び『Crystal』での登場セリフは「破滅の星!土星を守護にもつ沈黙の戦士!セーラーサターン!」。『Eternal』での名乗りシーンの背景は土星と紫色と白色の薔薇の花。 「破滅と誕生の戦士」の能力を単純な高い攻撃力と見ることはふさわしくはないが、あえてそう理解するなら太陽系のセーラー戦士で最強であり、星系や一つの世界を簡単に破壊してしまうほどの強大な威力を持つ。また単に必殺技が強いだけでなく、本人のエナジーも強く、テレビアニメ版においては、セーラームーンがはじき飛ばされたファラオ90の内部へも侵入してしまえる高い能力を持ち、銀河最強を謳うセーラーギャラクシアの攻撃をも相撃ちにするほどである。他のセーラー戦士に比べて戦闘経験は少ないが、秘めた実力は相当なものを持っている。 原作初期設定ではコスチュームの色が黄土色に設定され、ドルイドの杖を持つ魔術を操るとされる。 スーパーセーラーサターン(原作第四期、テレビアニメ『スターズ』、『Eternal』) 転生したほたるが再覚醒した姿。原作では第四期にプリンセスとプリンスの危機が近づいて覚醒、テレビアニメでは『スターズ』でセーラームーンの真の姿を告げる為に覚醒した。 転生前と比較するとやや小柄だが、パワーは数倍に跳ね上がっている。身の丈よりも大きな「サイレンス・グレイブ」を使う。テレビアニメではネヘレニア戦とギャラクシア戦でのみ参加するものの、精神的に未熟で注意力を乱されていずれも敗れている。 スーパー変身してコスチュームも他のセーラー戦士と統一され、肩のフリルと手袋の形、星のチョーカーとハートのブローチ(原作、テレビアニメでは紫色だが『Eternal』では薄紫色)に変更。セーラーカラーにも白い線が入る。『Eternal』ではティアラの宝石は薄紫色だが、エターナル化で紫色に戻る。 エターナルセーラーサターン(原作第五期、『Eternal』) 原作での最終形態。ティアラの宝石やピアス、チョーカー、ブローチが紫の星型になる。肩の袖が球形に、スカートは二重になり、腰のリボンは紐状に変化した。 プリンセス・サターン(原作第四期、『Eternal』) 新しい聖杯が誕生して変身した土星のプリンセスの姿。土星に「タイタン・キャッスル」という城を持っている。 プリンセス・プルートと同型のマーメイドドレス、リボンチョーカー、ペンダント、長い手袋を着用。プリンセス・プルートに比べて、ドレスの肩紐が一つ少ない。スカートの左右には深いスリットが入り、淡い色のひだが見え隠れする。 備考 土星の英名サターンはローマの農耕神サトゥルヌスに由来し、太陽から遠く運行が遅いことから年老いた神の名が付けられた。習合されるギリシャの農耕神はクロノスだが、前述の時間神とは別神であるものの、古代ギリシアでもすでに説話の混同が生じている。セーラーサターンの特質は、主に中国名「土星」の五行と「土」から着想されている。 ユダヤ・キリスト教の悪魔、堕天使サタンとは関係がなく、「死」とも「滅亡」とも無関係で、セーラーサターンの設定は、農耕神の名残として鎌を持たせてみたところ、連想が死神に繋がったもの。 ただしヒンドゥー教では閻魔大王の元となった死と審判の神ヤマが土星の主宰神で、土星を支配するシヴァ神は「終わりの近づいた世界を破壊し、新たな秩序を持つ世界を創造する神」というセーラーサターンとほぼ同一の性質を持つ。 今日の西洋占星術では冥王星が「破壊と再生の星」であり、土星は「困難・限界・不運」を表す「マレフィック(凶星)」で「長期的な忍耐と努力を必要とする厳しい試練を与え、何事かを成し遂げさせる星」とされるが、天王星・海王星・冥王星からなるトランス・サタニアン発見以前の古典占星術では、当時最果ての星だった土星は「災厄・死・凶作などの不幸を呼ぶ大凶星」として恐れられ、西洋占星術の元となったインド占星術では、ヒンドゥー教の土星神サターン=シャニ(シャナイシュチャラ)が人間の死と不幸を司り「恩恵を与えるものであり破壊するもの」なので土星は「厄災をもたらす凶星であり吉星でもある」とされる。いずれも本作のセーラーサターンのイメージに通じる部分がある。
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