スケールプラモデル
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マルサンの製品には、自社開発によるオリジナルキット、海外メーカーとの提携により国内販売を行ったキット、他社の製品をコピーしたキットの3種類がある。提携先としては、上述のレベルのほか、PyroとSnapがある。レベルとの提携は1960年に始まり、1964年に提携先がグンゼ産業に変わるまでの間に多種のレベル製品を国内販売した。提携品のパッケージは基本的にアメリカ版と同一で、マルサンのロゴと、「マルサン・ラベール提携品」の文字が追加されていた。また、一部の製品には日本語の組立説明が添えられていた。Pyroからは箱スケールの船舶キットが5点ほど、Snapからは1/40スケールの米軍軍用車両、火砲、ミサイル、ヘリコプターなどのキットが十数点、それぞれアメリカ版に準じたパッケージで発売されている。他社製品のコピーはプラモデル開発当初から1960年代半ばまで続けられ、コピーされたメーカーも、レベル、モノグラム、オーロラ、リンドバーグ、ITC、ロコなど多数にわたった。また、1960年代半ばからアメリカのUPC (Universal Powermaster Corporation) が多種のマルサン製品を輸入し、自社パッケージでの販売を行っている。その中には米国メーカーのキットをマルサンがコピーしたものも含まれていた。1960年代末には同じくアメリカの玩具メーカーEldonが1/72複葉機、1/100戦闘機、HOスケール軍用車両などのキットを輸入し、ブックマッチ形式のパッケージでマッチキット(Match Kit)の名称で販売している。ブックマッチ形式のパッケージはマルザン末期の製品にもみられる。 1/100世界の名機シリーズ : 主力シリーズの1つで、第二次世界大戦期の各国戦闘機が中心であるが、B-29、B-24のような四発爆撃機や、F-86、F-104のようなジェット戦闘機も製品化されていた。 1/50世界の名機シリーズ : 1/100と並ぶ主力シリーズの1つ。九七司偵や百式司偵、零式三座水偵など、当時の国産キットではトップクラスの製品が含まれ、特にF-86Dは自衛隊で使用中の機体だったこともあり、ギミック、外形の正確さともに海外一流メーカーの製品に引けを取らなかった。一方、本シリーズの外国機の大半は、モノグラムやリンドバーグなどの米国メーカーの1/48スケールキットのコピーであった。 マッチ箱シリーズ : 年少者向けの長さ3-4cm程度の、小型で安価な航空機キット。 民間機シリーズ : 1/125スケールの旅客機など。 傑作機シリーズ : 1/50、1/100以外の各種スケールの航空機キット。1/35スケールの零戦など一部を除き、殆どが海外メーカーの箱スケールキットのコピー。 1/72複葉機シリーズ : デッドコピーではないが、レベルの1/72スケール複葉機キットの影響を強く受けた製品。マルザン末期の製品であり、実際にマルザンブランドで発売されたかどうかは不明であるが、Eldonから他の1/100スケールキットと共に発売されている。後に日本模型、富士ホビー、サニー、アメリカのEntexなどからも発売された。さらにESCIから発売された複葉機キットも本キットの金型またはそのコピーを用いている。 1/700日本連合艦隊シリーズ : 戦艦、空母、重巡洋艦の計10点程。多色成形のフルハルモデルで、モーターで水上走行が可能なほか、煙突から煙を出すギミックを持っていた。 1/400日本連合艦隊シリーズ : 大和、武蔵、信濃の3点。 帆船シリーズ : 1/1000、1/400、1/200スケールの日本丸、海王丸など。 魚雷艇シリーズ : スケール表示はないが、1/100スケール程度の各国魚雷艇。 機甲師団シリーズ : HOスケールのドイツとアメリカの軍用車両、火砲およびフィギュアセットなど。全てオーストリアRoco社のミニタンクシリーズのコピーだった。通常の箱ではなく、初版は透明のプラスチックケース入り、再版はブックマッチ形式のパッケージで発売された。 透視解剖模型シリーズ : 外装をクリア成形した人体、動物、昆虫など。 1/100パチパチキット : 再建されたマルサンが1973年に発売したキット。外国機の発売も予定されていたが、日本の戦闘機6点のみが発売された。外形の正確さ、表面のモールドなど、旧製品とは一線を画したキットで、金属部品を用いて脚をワンタッチで出し入れするギミックを持っていた。ただし、金属部品の扱いは年少者には難しかったため、後に脚の可動ギミックは廃止された。1970年代後半に金型は童友社に移り、以後長らく生産が続けられている。また、2003年にはブラインドボックス形式の塗装済みキットの翼コレクションシリーズに金型が利用されて人気を博し、後にほぼ同一フォーマットで他機種の金型が新規製作されている。
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