ガダルカナル島撤退以降の戦い
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/15 14:09 UTC 版)
「長月 (睦月型駆逐艦)」の記事における「ガダルカナル島撤退以降の戦い」の解説
2月、「長月」は第41師団主力を東部ニューギニアのウェワクへ輸送する丙三号輸送に参加。2月3日に佐世保を出撃。輸送部隊は4つに分かれており、2月14日に「長月」は第三輸送隊に編入された。第三輸送隊は2月21日にパラオから出発し、2月24日にウェワクに着いた。揚陸は成功し、輸送部隊に被害はなかった。 2月25日、卯月型4隻(「皐月」、「水無月」、「文月」、「長月」)で第22駆逐隊が再編成される。3月1日時点で第22駆逐隊は第8駆逐隊、第11駆逐隊、第19駆逐隊と共に第三水雷戦隊(司令官木村昌福少将:旗艦「川内」)に所属していた。だが3月3日のビスマルク海海戦で駆逐艦「白雪」沈没時に木村司令官は負傷、三水戦司令官は江戸兵太郎少将を経て秋山輝男少将にかわった。 3月7-9日、「朝雲」、「雪風」、「長月」、「浦波」、「敷波」はコロンバンガラ島への輸送任務に従事。横七特銃隊1個中隊や弾薬などを揚陸した。3月13-14日にも「朝雲、雪風、長月」でコロンバンガラ島輸送任務に従事。横七特本部などを揚陸した。3月15日、「皐月、長月」はスルミ半島へ第101設営隊の物件を輸送した。3月中旬、第八艦隊は「長月、文月、皐月」を機雷敷設艦に改造する事を申請した。また『高速小型輸送船(差当リ駆逐艦、巡洋艦ノ改造ニ依リ)ニ依ル輸送力強化ヲ要ス』と要望している。3月30日に「文月」、「長月」、「皐月」、「水無月」はフィンシュハーフェン(パプアニューギニアフォン半島東端)へ陸兵約800名と物資80トンを揚陸し、約600名の後送者を収容して帰投中にB-17型重爆の攻撃により「文月」が若干の損傷を受けた。4月2日、再び「文月」、「長月」、「皐月」、「水無月」はフィンシュハーフェン輸送を企図しカビエンを出撃するが、@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}B-17の[要出典]爆撃で「文月」が至近弾により罐室浸水の被害を受ける。一旦カビエンへ引き返すが、4月3日の空襲で同港停泊中の重巡洋艦「青葉」が大破・擱座した。二ノ方(長月艦長)によれば、ダンピール海峡で照明弾を落とされ、フィンシュハーフェン揚陸を断念してカビエンへ帰投。するとカビエンは夜間空襲を受けており、既に「青葉」が炎上していた。第22駆逐隊はカビエン入港を中止して、ラバウルへ向かおうとしたところ空襲を受け、「文月」機関室浸水の被害を受けたと回想している。「青葉、文月」は別々に内地へ回航され、修理に従事することになった。4月7日、「皐月、水無月、長月」は目的地を変更してラバウルから再び出撃し、8日にニューブリテン島西端ツルブ(グロスター岬)へ兵員などを揚陸した。 ラバウル方面の制空権が失われる中、南東方面部隊は輸送作戦を続けた。5月上旬の月暗期を狙って第六十五旅団などのツルブ輸送(全3回)が計画され、第一回部隊(「夕張」、「長月」、「皐月」、「水無月」)は5月4日ラバウル発、5日未明に揚陸したが同地での舟艇不足のため、大量の揚陸未済物件を出す。そこで残りの輸送は7日、8日、10日、11日の4回にわけて行なわれることになった。「長月」は8日と11日の輸送に従事した。この輸送では第六十五旅団と海軍兵(陸軍2280名、海軍264名、糧食・弾薬315トン)を輸送、陸兵465名を後送した。5月23日、「長月」、「水無月」はスルミ輸送(第101設営隊員約150名、歩兵第228連隊約130名、糧食、弾薬71トン、燃料30缶、13mm連装機銃一基)を実施、海軍220名・陸軍270名を収容して帰投した。 5月28日午後4時、「長月」、「水無月」、「皐月」はコロンバンガラ島輸送のためブインを出撃したが、午後8時頃ブーゲンビル島南東沖合の暗礁で「長月」と「皐月」が座礁した。「皐月」は自力で脱出。「水無月」の救援により「長月」は29日午前4時頃離礁に成功した。「長月」の損傷は軽微だったが「皐月」は修理が必要となり、戦線から離脱した。「長月」と「水無月」の2隻は29日夕刻に再出撃、米軍機の触接によりブカ島へ避退・待機したのち、31日深夜コロンバンガラ島到着。南東支隊司令部を含む人員1059名、物件100トン、燃料49缶を揚陸し、後送者421名を収容後、米軍機の空襲を振り切って6月1日ブインへ帰投した。6月2日にも「長月と「水無月」は人員479名、物資40トン、燃料60缶をコロンバンガラ島へ揚陸した。6月6-7日には「望月」と、6月8-9日には「皐月」とラバウルからツルブへの輸送に従事した。6月29日、「長月」、「水無月」、「三日月」でコロンバンガラ島輸送作戦実施のためラバウルを出撃するが、敵機の夜間空襲により揚陸は中止された。
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