オットハインリヒ館とは? わかりやすく解説

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オットハインリヒ館

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/11 16:40 UTC 版)

ハイデルベルク城」の記事における「オットハインリヒ館」の解説

オットハインリヒ館(Ottoheinrichsbau)はプファルツ選帝侯オットー・ハインリヒにちなん名付けられた。初代建設責任者はハンス・エンゲルハルト、少なくとも一部はペーター・フレトナーによる。2代目建設責任者はカスパー・フィッシャーである。 オットー・ハインリヒは1557年プファルツ選帝侯領プロテスタント信仰もたらし学問奨励し新人医師死体解剖することを義務づけた。彼の図書館(Bibliotheca Palatina)は、この当時の最も重要なものの一つであるが、浪費のかさむ生活態度により彼は破産危機瀕していた。一方祖母ヘドヴィヒの遺産にも借用書があった。ポーランドカジミェシュ4世が娘ヘドヴィヒ(ヤドヴィガ)とバイエルン=ランツフート公ゲオルクとの結婚の際に作成した32,000グルデン上の借用書である。この借金ポーランド王室から返済されていなかった。オットー・ハインリヒは利子利子加え、その総額20グルデン算出し1536年大叔父にあたるポーランドジグムント1世クラクフ支払い要求した。3週間にわたる交渉の末、借金支払うが、利子支払い免除することで決着した。オットー・ハインリヒの統治期間はわずか3年であったが、最も重要なプファルツ選帝侯一人である。彼にちなんでオットハインリヒ館と名付けられたこの城館建築ドイツルネサンス建築の最も傑出した作例一つである。 オットハインリヒ館は、1556年プファルツ選帝侯となったオットー・ハインリヒによって建設された。この新し宮殿ドイツ土地初め建設されルネサンス建築であり、ドイツ・マニエリスムの重要な建築作品である。古い建物はオットハインリヒ館に一部取り込まれ(グレゼルナー・ザール棟)、あるいは取り壊された(ルートヴィヒ館の北半分)。東部では古い建物外側防壁基礎構造基づいて建設されている。 5階建てのこの建物ファサードは、選帝侯統治理念象徴する16体のアレゴリー像で飾られている。これらの像は、後にハプスブルク家のために仕事をすることになるオランダのアレクサンダー・コリンによって創られたものである。オットー・ハインリヒが1559年亡くなった時点建設はまだ完了していなかった。三十年戦争前のオットハインリヒ館には、本質的に初期ルネサンス様式によるイタリア風の外観不調和な2つ巨大な二重破風があったことが、初期写生画マテウス・メーリアンの„Kurpfälzisches Skizzenbuch“)に示されている。これは明らかに選帝侯フリードリヒ3世引き起こした設計変更由来するものであり、元々の建築プラン意図していたものではない。三十年戦争後にオットハインリヒ館は新たに屋根がふき直され巨大な二重破風撤去された。 オットハインリヒ館のファサード彫像プログラム 16体の立像玄関の4体を除く)はアレゴリー像と旧約聖書神話人物像である。神話の像が飾られていたために18世紀までオットハインリヒ館は「異教徒の館」と呼ばれていた。 1階: 政治力軍事力象徴する神話英雄ヨシュアサムソンヘーラクレースダビデ)とローマ皇帝。窓の三角破風には有名なローマ肖像見える。 2階: キリスト教支配者としての美徳強さ信仰、愛、希望正義3階: 5つ惑星土星火星金星水星木星)および太陽と月擬人化 1階4つ立像ゴシック体書かれ不器用な詩で説明なされている。 ハイデルベルク考古学者 K. B. シュタルクは、これらの彫像プログラムの意味次のように記している。 この宮殿のファサード彫像選帝侯統治理念反映したのである選帝侯権力は、神話の神に象徴される個人の力の上成り立っている。キリスト教徒の力を高め徳目中心強さ正義である。しかし、これらすべては天体運行知らせ天意影響下にある。— K. B. シュタルク

※この「オットハインリヒ館」の解説は、「ハイデルベルク城」の解説の一部です。
「オットハインリヒ館」を含む「ハイデルベルク城」の記事については、「ハイデルベルク城」の概要を参照ください。

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