エウドクソス、プラトン、アリストテレスとは? わかりやすく解説

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エウドクソス、プラトン、アリストテレス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 12:42 UTC 版)

天動説」の記事における「エウドクソス、プラトン、アリストテレス」の解説

紀元前5世紀-紀元前4世紀哲学者プラトンは、あまり組織立っていない天動説的な宇宙論を、対話篇『国家 』『ティマイオス』などで展開する『国家』では、天界回転する多重の円とし、その軸は地球貫いている。地球から天体までの距離は、基本的に周期の短いものを近くにあるとし、月、太陽水星金星火星木星土星、そして恒星の順にならべる。内惑星太陽影響によって、その近くからあまり離れない外惑星がほぼ年に一度逆行することについても述べているが、その仕組み説明はない。『ティマイオス』では、宇宙生命体として、天体を動かすのは魂であるとする。また、四元素説採用し天界は主に「火」によって構成され、(物質的な世界の中では)最も神聖な領域であるとする。古代においてはアリストテレスストア派にも影響与え中世ラテン語世界において(とくに12世紀以前大きな影響力があった。 紀元前4世紀プラトン学んだこともあるエウドクソスは、地球中心に重層する天球が包む宇宙考えたとされる。いちばん外側天球には恒星散りばめられており(恒星球)、天の北極を軸に、およそ1日東から西回転する日周運動)。太陽抱え天球恒星に対して方向西から東へ、およそ1年回転する(年周運動)。太陽回転軸恒星球の回転軸とは傾いているために、1年の間でその南中高度が変わり季節説明される恒星球と太陽の間には惑星運行させる天球置いた地球から見て惑星星座の中をゆっくりと動くように見える。これは恒星に対して惑星を運ぶ天球相対運動説明されたが、惑星運行速度一定ではなく一時期だけ逆に動く(逆行する)こともある。逆行説明するために、いくつかの回転方向速度異な複数天球1つ惑星運行用意した。これらの天球動かぬ地球を共通の中心とする球体であったので、地球からそれぞれの惑星までの距離は変化することはない。弟子のカリッポスは、球の数を増やして水星と金星の理論改良した。 エウドクソス・カリッポスの理論は、極めて単純で美しく、その成功等速円運動重要性と、天が球形であるとの概念強く印象ずけることになった科学史家ノイゲバウアーが「天文学理論で、この理論ほど深くて長く続く影響残した理論ほとんどない」と評したほどである。アリストテレス宇宙論の土台ともなり、またレギオモンタヌスなど、コペルニクス直前まで、この理論改良する試み現れ同心天球説は、若干改変経てプラトン弟子アリストテレス宇宙像に組み入れられた。アリストテレスは、エウドクソス・カリッポスの理論天球を、単なる数学的な便宜ではなく実在する透明な球だと明言した。『形而上学 (アリストテレス)』第XII巻においては天球の動く原因を「不動の動者」に求め天球ごとに別の不動の動者」を割り振った内側天球は、隣接する外側天球動きに引きずられ、さらに加えて固有の不動の動者から与えられ運動合成される。これは、エウドクソス・カリッポスの理論複数の球の回転合成して惑星軌道再現しているのに対応している。そして、一番外側の天球を動かすのが「第一の不動の動者」で、単なる動力源上の役割与えられた。後世新プラトン主義一者や、ユダヤ教系の宗教唯一神同一視されるアリストテレス世界観においては宇宙四元素絶え転変する月下世界と、第五元素エーテル)で構成される不変それゆえ完璧神聖な天界二分された。両者は、全く異な運動変化法則に従うとされた。天体はすべて完全に均質で完全な球形とされた。プラトンとの顕著な相違点一つは、第五元素設定して天界原理をはっきりと地上原理区別したことである。 この理論に基づき上空現象のうち、不規則に見えるものを月下現象とし、恒常的に見えるものを天界帰したアリストテレス自身は、流星のみならず彗星月下現象とされ、天の川ぼやけた光は、天体のほかに大気上層部関与しているとした。しかし、どの現象をどちらに分類するかは古代中世において様々な議論があった。特に、天の川月の模様に関する議論は有名である。超新星に関しては、月下現象とされて、12世紀超新星SN1006天文学者たちの広い興味を引くことはなかった。 アリストテレス的な運動の理論では、地球中心=宇宙中心特別な意味を与えられた。地上の重い元素はここに向かって直進し、軽い元素遠ざかる天体はこの点を中心に等速円運動をする。これによって、現在は重力慣性概念用いて説明される現象を、ある程度説明することができた。 地上重力関わる現象のうち、梃子重心浮力に関する一連の理論は、アルキメデスの理論取り込んでアリストテレス的な自然学のもと、「重さの学」として組織化され天秤機械作成運用比重測定などの基礎となったこの中で地球中心重心の定義や梃子の原理と結びつけられ、また「重さ」の概念地球中心との位置関係によって変わるとされた。

※この「エウドクソス、プラトン、アリストテレス」の解説は、「天動説」の解説の一部です。
「エウドクソス、プラトン、アリストテレス」を含む「天動説」の記事については、「天動説」の概要を参照ください。

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