アルキメデスの理論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/11/11 03:59 UTC 版)
「1/4 + 1/16 + 1/64 + 1/256 + ⋯」の記事における「アルキメデスの理論」の解説
アルキメデスは、彼の著書『放物線の求積』(The Quadrature of the Parabola)の中で、この級数について言及している。彼は持久力を要する方法で、放物線の中に領域を見つけていき、三角形に関する級数を得ている。構成の各段階で直前の段階の面積の 1/4 倍の面積が加えられる。彼は全体の面積が、最初の段階の面積の 4/3 になると予想した。これを得るために、彼は放物線を一旦おいて代数的な補題を用意した。 命題23: 面積の列 A, B, C, D, … , Z が与えられていて、A が最も大きく、各々は次のものの4倍に等しいとすると、 A + B + C + D + ⋯ + Z + 1 3 Z = 4 3 A {\displaystyle A+B+C+D+\cdots +Z+{\frac {1}{3}}Z={\frac {4}{3}}A} となる。 アルキメデスはこの命題を次のように証明する。最初に以下のように計算する。 B + C + ⋯ + Z + B 3 + C 3 + ⋯ + Z 3 = 4 B 3 + 4 C 3 + ⋯ + 4 Z 3 = 1 3 ( A + B + ⋯ + Y ) {\displaystyle {\begin{array}{rcl}\displaystyle B+C+\cdots +Z+{\frac {B}{3}}+{\frac {C}{3}}+\cdots +{\frac {Z}{3}}&=&\displaystyle {\frac {4B}{3}}+{\frac {4C}{3}}+\cdots +{\frac {4Z}{3}}\\[1em]&=&\displaystyle {\frac {1}{3}}(A+B+\cdots +Y)\end{array}}} 一方で B 3 + C 3 + ⋯ + Y 3 = 1 3 ( B + C + ⋯ + Y ) {\displaystyle {\frac {B}{3}}+{\frac {C}{3}}+\cdots +{\frac {Y}{3}}={\frac {1}{3}}(B+C+\cdots +Y)} である。この方程式から前の方程式を減じると、 B + C + ⋯ + Z + Z 3 = 1 3 A {\displaystyle B+C+\cdots +Z+{\frac {Z}{3}}={\frac {1}{3}}A} となり、両辺に A を加えることで望んでいた結果が得られる。 今日では、アルキメデスの命題をより標準的に言うと次のようになる。級数 1 + 1/4 + 1/16 + … の部分和は 1 + 1 4 + 1 4 2 + ⋯ + 1 4 n = 1 − ( 1 4 ) n + 1 1 − 1 4 {\displaystyle 1+{\frac {1}{4}}+{\frac {1}{4^{2}}}+\cdots +{\frac {1}{4^{n}}}={\frac {1-\left({\frac {1}{4}}\right)^{n+1}}{1-{\frac {1}{4}}}}} である。これは両辺に 1 − 1/4 を掛けて、方程式の左辺の最初と最後以外の項が対になって消えることを見れば証明できる。任意の有限幾何級数に対して同様の証明ができる。
※この「アルキメデスの理論」の解説は、「1/4 + 1/16 + 1/64 + 1/256 + ⋯」の解説の一部です。
「アルキメデスの理論」を含む「1/4 + 1/16 + 1/64 + 1/256 + ⋯」の記事については、「1/4 + 1/16 + 1/64 + 1/256 + ⋯」の概要を参照ください。
- アルキメデスの理論のページへのリンク