えらい

デジタル大辞泉

えら・い【偉い／^▽豪い】

読み方：えらい

［形］［文］えら・し［ク］

１ 普通よりもすぐれているさま。

㋐社会的地位や身分などが高い。「会社の—・い人」

㋑人間として、りっぱですぐれている。「苦労しただけあって、—・い人だ」

２ 物事の状態が普通ではないさま。

㋐程度がはなはだしい。ひどい。「今日は—・く寒い」「—・い混雑だった」

㋑予想外である。ひどく困ったさまである。「—・い目にあった」

㋒苦しい。つらい。しんどい。「歩きどおしでからだが—・い」

[派生] えらがる［動ラ五］えらさ［名］

甲州弁辞典

えらい

甲州弁	意味	用例
えらい	辛い・しんどい 【偉い】と勘違いされる	あーえらい（あ～しんどい）

えらい

甲州弁	意味	用例
えらい	ものすごく、随分	えらいあっちのほうじゃん（ものすごく向うの方ですね）

えらい

甲州弁	意味	用例
えらい	大変

焼津の方言

えらい

意味

疲れる

使用例

きんのの祭りゃあ、えれェ人出で、えれェ、えれェ

（昨日のお祭りは、すごい人出で、疲れた、疲れた）

解説

「疲れる」という意味です。別段、お祭りの素晴らしさをほめているのではありません。おそらく、地元の神社での人混みの中で、孫の手をにぎりしめて、お参りしたのでしょう。離ればなれにならずに参拝できた安ど感がうかがえます。

四日市市四郷地区方言

えらい

方言	共通語・該当漢字	語意解説または【使用例】
えらい	息苦しい、きわめて	＜したたか、たいそうな＞の意にも

京ことば

えらい～

京ことば	意味
えらい～	●えらい、お人どす→偉い人　●えらい人どす→多くの人出 ●えらいことした→とんでもない事をした ●あぁえら→あぁ疲れた ●えらい怒られた→きつく怒られた

但馬方言辞典

えら’い、 えれ’ー 1

但馬方言	共通語	用例	備考
えら’い、 えれ’ー 1	（体の調子が）悪い、だるい	風邪ひいとるもんで、えらいわ。

えら’い、 えれ’ー 2

但馬方言	共通語	用例	備考
えら’い、 えれ’ー 2	とんでもない	バスに乗り遅れた。えらいことだ。

えら’い、 えれ’ー 3

但馬方言	共通語	用例	備考
えら’い、 えれ’ー 3	ものすごく	えらい大きな家を建てたなあ。	「どえらい」、「どえれー」とすると、意味が強調される。

大阪弁

えらい

大阪弁	訳語	解説
えらい	立派な	偉い。「えらい」のうち、東京にまで伝わった語。ひとりでできるようになったんか、えらいやっちゃ。

えらい

大阪弁	訳語	解説
えらい	すごい、大変な	主に副詞的に用いる。えらい人やな、えらい目におうたわ、えらい顔になってもうて。

えらい

大阪弁	訳語	解説
えらい	疲れている、疲れた、 だるい、骨が折れる、 つらい、くたびれる 累了	苛い。畿内を除く西日本の語で、東は甲斐まで広がっていた。「しんどい」の前の語で、畿内の中心京阪では「しんどい」が主流。北関東、奥羽、北海道などでは「こわい」、東東海や西関東などで「かいだるい」「かったるい」（体怠い）など、九州で「きつか」、東九州で「よだきい」。

えろう、えらい

大阪弁	訳語	解説
えろう、えらい	とても、すごく、 非常に、随分と、 かなり、やけに very 挺、特別、非常、很	苛う。苛い。「いらし」の転。動詞や形容詞、陳述副詞などの前に付く。「めっちゃ」「ごっつ」よりも古くから使われていた語。元々形容詞であったので、活用がある。えろう大きなりましたな、きょうは起きるのんえらい早いな、えろう前の方に行くねんな、えらい詳しいなあ。西日本で使う。強調語は「どえらい」。岡山、岐阜の「でーれー」、広島、名古屋の「どえれゃあ」、名古屋の「でら」もこの系列の語。

和歌山弁辞書

えらい、えだい

しんどい
例「おそまでのんださけえだいわー」
＝「（昨夜）遅くまで（酒を）飲んだからしんどいなあ」

鳥取弁辞書

えらい、えら

《品詞》形容詞
《標準語》疲れる。疲労困ぱいしている。大変である。つらい。苦しい。
《用例》「ああ、えら！」（ああ、疲れた）。
《用例》「うち、えらいけ、いぬるけ」（私、疲れたので、帰ります）。
《用例》「えらいけ、たばこしょい」（疲れたから、ひとやすみしましょう）。
《用例》「えらないかえ？」（疲れていないですか）。
《用例》「えらかっただらあ？」（疲れたでしょう）。

下関弁辞典

えらい

方言	意味	例文	訳
えらい	疲れた。	あーえらい。	あー疲れた。

高松の方言

えらい

方言	意味
えらい	苦しい・つらい。大阪言葉の「辛度(しんど)い」に通じる。

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えらい

出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』 (2022/02/22 05:10 UTC 版)

「江州弁」の記事における「えらい」の解説

「偉い」「とても」「とんでもない」のほかに、「しんどい」「つらい」の意で多用する。

Wiktionary日本語版（日本語カテゴリ）

えらい

出典:『Wiktionary』 (2018/07/01 14:43 UTC 版)

形容詞

えらい【偉い、豪い】

1. 程度が甚だしい。
   • 「偉い違い」
   • 「今日はえらく渋滞しているな」
2. 程度が甚だしく悪い。大変だ。
   • 「えらいことになった、どうしたらいいだろう、それにあの女の連れてくる婢も、藁人形だ、牡丹の飾の燈籠もやっぱりあったのだ、どうしたらいいだろう」（田中貢太郎 『牡丹燈記』）
   • 山川石亭先生が、蒼い顔をして入って来た。「どうも、えらいことになりました」（久生十蘭『犂氏の友情』、1939年）
3. 尊敬に値する。立派だ。
   • この講堂にかくまでつめかけられた人数の景況から推すと堺と云う所はけっして吝（けち）な所ではない、偉い所に違いない。（夏目漱石『中味と形式――明治四十四年八月堺において述――』
4. 身分や地位が高い。高貴だ。
   • たとえば、天皇という人は他の誰よりも偉いと思わせられ、誰にも頭を下げる必要がないと教育されている。（坂口安吾『天皇陛下にさゝぐる言葉』）
   • この谷間では、お百姓よりもお坊さんが大変威張つてゐます。「先生とお坊さんとどつちが豪いの？」　村の子供に聞くと、坊さんの方が上だらうつて。（林芙美子『谷間からの手紙』1931年）
5. 思いがけない。不都合である。
   • 「えらいところを見られた」
   • つづいて与吉も、橋桁（げた）の下へもぐりこんでみると、そこに、浮き世をよその蒲鉾（かまぼこ）建ての乞食小屋。チョビ安、えらいところへ逃げこんだもので……（林不忘『丹下左膳』「こけ猿の巻」、1933年）
6. （中部地方、関西地方、中国地方、四国の方言）しんどい。疲れている。くたびれている。大変そうだ。
   • 「今日は草むしりでえらい。」

語源

• 古典日本語えらしより、1の意から発展した。方言も同源。

類義語

• （程度が甚だしく悪い）酷（ひど）い
• （尊敬に値する）すばらしい
• （身分や地位が高い）貴（とうと）い

対義語

• （尊敬に値する）卑（いや）しい、さもしい
• （身分や地位が高い）賎（いや）しい

成句

• えらい目に遭う

翻訳

英語

• （程度が甚だしく悪い）：terrible
• （尊敬に値する）：noble, great, honorable
• （身分や地位が高い）：noble, superior

漢字辞典

偉

偉	画数：12 学習年：中学校で習う漢字 音読み：イ 訓読み：えらい ピンイン：wei3 ハングル：위 対応する英語：admirable, greatness, remarkable, conceited, famous, excellent

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「えらい」の例文・使い方・用例・文例

• 吹雪でえらい目に遭った。
• 妻はアメリカでの新しい生活のリズムに慣れるのにえらい苦労した。
• ジョンもまたえらい選手だった。
• あなたは冷静を保った。えらい。
• あのパーティーはどえらいパーティーだった.
• 彼はハムレット役でえらい評判をとった.
• どえらい金持ちの.
• どえらい無知.
• どえらい[とんでもない]目にあった.
• (どうも)えらい事になったねえ!
• 表はえらい人出だ.
• えらい降りだね!
• (皮肉に)えらい美文だね.
• これはまたえらいことになった.
• 表はえらい人だ
• えらい立派なもんだ
• えらいぜいたくな人だな