「組織」の関係者
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早川知足(はやかわ ちたる) 声:大林隆介 初老の男性で、表向きは有名な外国車を販売するディーラーの販売課長。だが、裏向きの顔は、天本が所属する「組織」のエージェントであり、若い頃は術者として表舞台で追儺の仕事をしていた。その頃は「組織」の監視用式神(通称「眼」)の裏をかいて行方をくらますのも得意だったという。高校時代の天本を「組織」に勧誘したのも彼である。また、「組織」創立メンバーの1人であるらしい。妻子もちで、娘が生まれたのを機に第一線を退き、エージェントとなった。 天本が術者として致命的なミスを犯し、さらに「生きた屍」のような状態に陥った際、エージェントとして、師匠である河合の管理不行き届きはあえて庇わず、未熟な天本を手元において監視する選択をした。 「組織」の仕事で天本家を訪れる際、必ず何かしらの手土産を携える。職業柄かやや慇懃無礼な喋り方をする。また、泣き落としのような話術も得意とし、敏生はそれにはめられたことがある。 表の仕事の合間であっても如才ない仕事ぶりで天本をサポートする。トマスに重傷を負わされてからは、その借りを返すべく、積極的にトマスの行動を探るなど、かつての辣腕術者ぶりを髣髴とさせる行動も見せるようになった。 河合純也(かわい すみや) 声:樫井笙人 身長174センチ、体重はその時世話になっているお姉ちゃんの待遇で変動、血液型はO型で11月24日生まれのいて座。関西弁で話す。 初登場は『土蜘蛛奇談』。早川が抱える表の術者の一人で、天本の術者としての師匠であり、彼を「テンちゃん」と呼ぶ男。その仕事の仕方から通称は「添い寝屋」。たいていコットンシャツに洗いざらしのジーンズ、擦り切れたバスケットシューズというだらけた学生のような服装をしている。見かけは25歳くらいの青年だが、実年齢はもっと上。それゆえに龍村からは「ご老体」と呼ばれることもしばしば。 特徴はぱさぱさした茶色い髪と丸眼鏡。ただしその奥の目は常に閉じられており、幼い頃の病気が原因で盲目である(ただし、霊的なものならばぼんやりと見えるらしい)。とはいえ、病気になるまでは普通に見えていたので、「紅葉が赤くてきれい」などと景色を告げられれば、どんな風景であるかはイメージできるとのこと。また、その容貌はそれなりに整っており、笑顔は「セサミストリート」に出てくるカーミット・ザ・フロッグに例えられたことがある。手で触って人間の顔かたちを覚えるが、その時の手触りによって精神状態なども見抜いてしまう。また、食器の手触りと位置を覚えてしまえば盲目とは思えないほどスムーズに食事をし、旅館などの館内でも一度通った道は覚えているという。 体内で、天本に「たつろう」と名づけられた獏のような姿の妖魔と共存しており、その妖魔の力で人の夢の中に入り込み、妖魔に夢魔を食わせることで祓う。夢の中では目が見え、その双眸は水色である。「たつろう」の由来は、獏の眠そうな眼から天本が山下達郎を連想したため。現実世界でも「たつろう」を出す事は出来るが、体に負担がかかる。 「世界中に四畳半を持つ」と豪語しており、世話になる「お姉ちゃん」は多い。表向きは各地を放浪しながら鍼とマッサージで生計を立てているらしい。猫のような気紛れな人で、気配を消すのもうまく、「組織」の「眼」ですら彼を追うことができないため、早川は仕事の別れ際に彼の式神の一つを借り受け、次回の仕事の時にそれを飛ばして連絡を取っている。 天本が大切にしていて事故で失った女性・杉本霞波(すぎもと かなみ)は、その存在さえ知らなかった彼の異父妹であることが中盤で判明する。また、彼女を探すため組織に所属する道を選んだらしく、エージェントの早川も、兄妹であることを知っていた。 『海月奇談』において、トマスが放った妖魔にとり憑かれて正気を失い、敏生を連れ去り監禁するも、なんとか脱出してきた敏生の機転と追い出されていた「たつろう」の協力で、天本により妖魔を祓われ、元に戻る。自身もモルヒネの離脱症状に苦しむが、行方不明になった「たつろう」を追って放浪し、『尋牛奇談』にて青森県から口述筆記による手紙を、『傀儡奇談』にて北海道からハスカップのジャムに添えてMDのボイスレターを天本らに寄越す。 『宵霞奇談』では、『鳴釜奇談』でたつろうが取り込んだトマスの虚像がもつイメージを追って単身渡英し、面識のある天本の元同居人・松山美代子を頼る。
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