各務原鉄道K1-BE形電車 各務原鉄道K1-BE形電車の概要

各務原鉄道K1-BE形電車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/16 10:27 UTC 版)

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各務原鉄道K1-BE形電車
名鉄モ450形電車
名鉄モ450形454
(旧各務原K1-BE形4)
基本情報
製造所 日本車輌製造本店[1]
主要諸元
軌間 1,067 mm(狭軌[2]
電気方式 直流600 V架空電車線方式
起動加速度 2.4 km/h/s[2]
減速度 2.4 km/h/s[2]
車両定員 80人(座席28人)[1]
車両重量 17.50 t[2]
全長 13,106 mm[1]
全幅 2,642 mm[1]
全高 4,206 mm[1]
車体 木造[2]
台車 日車ボールドウィン形[1]
主電動機 直流直巻電動機 DK-30-C[3]
主電動機出力 60 PS[3]
搭載数 4基 / 両[3]
駆動方式 吊り掛け駆動[3]
歯車比 4.60 (69:15)[2]
制御装置 電動カム軸式間接自動制御 M-15-C[3]
制動装置 SME非常直通空気ブレーキ[3]
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形式称号の「K1-BE」「KB1」は、Kが「各務原 (Kagamihara) 」を、Bが「2軸ボギー構造 (Boogie) 」を、Eが「イングリッシュ・エレクトリック (English Electric) 製の電装品を搭載した車両」をそれぞれ意味し[3]、各務原鉄道の親会社である美濃電気軌道(美濃電)の保有車両における形式称号付与基準に類似したものである[5][注釈 1]

当時の美濃電における最新型車両であったBD505形(後の名鉄モ520形)に類似した、前面を丸妻5枚窓構造とした木造車体を備えるが[3]、主要機器についてはBD505形が直接制御車であったのに対して[2]、K1-BE形は総括制御に対応した電動カム軸式間接自動制御器を採用するなど、製造当時における最新仕様を取り入れた車両として設計された[3]。1925年(大正14年)3月にK1-BE形1 - 8の8両が落成し、製造はいずれも日本車輌製造本店が担当した[3]

K1-BE形(以下「本形式」)は、後年の各務原鉄道の現・名古屋鉄道(名鉄)の母体事業者である名岐鉄道への吸収合併に伴う車籍継承および形式称号改訂を経て、1965年昭和40年)まで在籍した[6]




注釈

  1. ^ 例えば後述する美濃電BD505形の「BD」は、「2軸ボギー構造」を意味するBと、「イングリッシュ・エレクトリック製のデッカー (Dick, Kerr) 系電装品を搭載する車両」を意味するDを組み合わせた記号である[5]
  2. ^ 後年、他の側窓と形状を合わせた一般的な形状に改造され[8]、側面窓配置はD 3 2 2 3 Dとなった[4]
  3. ^ M-15-Cは、イングリッシュ・エレクトリック (EE) 社の前身事業者の一つであるディック・カー・アンド・カンパニーが開発した、「デッカーシステム」と通称される電動カム軸式制御装置の一機種である[9]。同機種は本形式のほか、美濃電および各務原鉄道と同じく美濃電の傘下事業者である谷汲鉄道(後の名鉄谷汲線を敷設・運営した事業者)の両事業者が導入した間接制御仕様の4輪単車各形式においても採用された[9]
  4. ^ 後年、配属された山形交通三山線の廃線に伴って蒲原鉄道へ再譲渡され、同社モハ91形91となった[11]

出典

  1. ^ a b c d e f 「私鉄車両めぐり(27) 名古屋鉄道 3」(1956) p.35
  2. ^ a b c d e f g h 『最新電動客車明細表及型式図集』 p.1
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p 「名古屋鉄道の車両前史 現在の名鉄を構成した各社の車両」 (1986) pp.170 - 171
  4. ^ a b c d e f g h i j k l m n 「私鉄車両めぐり(87) 名古屋鉄道 終」 (1971) p.56
  5. ^ a b 「名古屋鉄道の車両前史 現在の名鉄を構成した各社の車両」 (1986) pp.169 - 170
  6. ^ a b c 『RM LIBRARY130 名鉄岐阜線の電車 -美濃電の終焉(下)』 p.7
  7. ^ a b c d e f g h i 『最新電動客車明細表及型式図集』 p.15
  8. ^ a b c d e 『RM LIBRARY130 名鉄岐阜線の電車 -美濃電の終焉(下)』 p.6
  9. ^ a b 鉄道技術史 - 岡崎南公園に保存中の名鉄401号電車 - 白井昭電子博物館(2007年5月9日) 2013年10月20日閲覧
  10. ^ a b c 『日本の私鉄4 名鉄』 p.117
  11. ^ a b 『RM LIBRARY78 山形交通三山線』 pp.38 - 39
  12. ^ 『名古屋鉄道社史』 p.277
  13. ^ a b 『名古屋鉄道社史』 pp.280 - 281
  14. ^ 「名鉄 モ800系レポート (2)」 (1973) p.72
  15. ^ a b c 「『モ』四五〇型電動客車共通運転許可申請並ニ車号変更届」
  16. ^ a b c 『RM LIBRARY130 名鉄岐阜線の電車 -美濃電の終焉(下)』 p.5
  17. ^ a b c d 「特集 白井昭の一口メモ」 (PDF) - 名古屋レールアーカイブス NRA NEWS No.13(2012年8月) 2013年10月20日閲覧
  18. ^ a b c 「電車をたずねて8 ローカルカラー豊かな名古屋鉄道揖斐・谷汲線」 (1973) p.41
  19. ^ a b 『私鉄の車両11 名古屋鉄道』 p.179


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