南北朝鮮
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 23:43 UTC 版)
詳細は「大韓民国における犬肉の消費」を参照 朝鮮半島でも狗肉は新石器時代から食用とされており、犬食は今なおきわめて盛んである。韓国では犬肉を「개고기(ケゴギ)」、北朝鮮では「단고기(タンゴギ)」と言う(「ケ」は犬、「タン」は「甘い」、「ゴギ」は「肉」の意)。犬料理は、滋養強壮、精力増強、美容に良いとされ、陰暦の夏至の日から立秋までの「庚(かのえ)」のつく日の三伏には、犬料理を食べて暑気を払う習慣がある。韓国には患者の手術後の回復のために犬肉を差し入れる習慣がある。犬市場としては城南市の牡丹市場が有名である。犬から作った犬焼酒(酒ではない)も飲まれている。黒犬には時別効能があるとされる[要出典]。 @media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}かつて朝鮮半島では人糞を犬に食べさせて飼育する風習があった。犬を人糞で育てる習俗はモンゴルにもあるが、ここでは逆にゲルの成員の糞を与えて育てた犬を、ゲル周辺を警備し、余所者の侵入を防ぐ忠犬として養育するという要素を持つ[要出典]。また、食肉家畜を人糞で飼育するという飼育方法自体は、養豚において中国や朝鮮半島の済州島、南方の沿岸地域および沖縄にもかつて見られ、一部では現在も残る(豚便所参照)。 韓国の犬肉料理文化は、犬食の習慣を持たない国から問題視されることがある。韓国では、1988年のソウルオリンピック開催に際して、欧米諸国の批判をかわす為、犬食に対する取締りが行われたが、犬肉料理を愛好する人も少なくない為に、店舗名を変更したり(一見して犬肉料理店とわからないような名称にする)大通りから裏通りへ遠ざけられて黙認された。2002年のFIFAワールドカップの際には、FIFAが「犬肉を追放してほしい」と韓国政府に要請してきたが、FIFAの副会長でもあるチョン・モンジュンは拒否した。2006年、韓国国務調整室が行なった調査によると年間200万頭の犬が食べられていた。2008年の調査によると、ソウル市内だけで530店の食堂が犬食を扱っている。違法のため、当局による衛生管理が行なわれておらず社会問題化している。 2008年4月には、ソウル特別市当局が正式に犬を嫌悪食品とする禁止令を撤廃し、食用家畜に分類する発表を行った。これに対し韓国国内の動物愛護団体が反発を強めている。動物愛護団体は城南市で狭い檻に入り犬食文化の反対運動を行なった。 朝鮮半島では韓国だけでも数百万頭の食肉専用に改良された犬種であるヌロンイが、牛や豚と同様の酪農家によって飼育されており、屠殺方法も電気ショックによるシステマチックな方法によるとされ、外圧による安易な犬食禁止は家畜として飼育されている食用犬を無為に全滅させかねない行為であると批判する識者もいる一方で、本来では食用品種ではない犬種、時には野良犬や明らかに愛玩犬であったと思われる犬などが、伝統的とされる撲殺などの残虐な方法で食肉に供されている例が今日でも存在すると主張する者もいる[要出典]。 なお、韓国の法制度では、犬は「家畜」として扱われておらず、犬肉の流通・販売は違法でも適法でもない不明瞭な状態となっている。 北朝鮮においては、食糧難の中、数少ない蛋白源として犬肉は珍重されている。平壌観光のガイドブックには「朝鮮甘肉店」と記載され紹介されており、案内員に希望すれば朝鮮甘肉店へ連れて行ってもらうことも可能である。なお欧米の批判の影響を受けにくいこともあってか、平壌甘肉店は大通りに面した場所にある。犬は残飯を与えても育つので、家庭で小遣い稼ぎに飼われることがあり、中でも結婚資金を稼ぐために数頭の犬を飼う若い女性を「犬のお母さん」と呼ぶ。育った犬は自由市場で売買される。
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