ワゴンR
ワゴンRのネーミングは、ワゴンと、revolutionary(画期的な)とrelaxation(くつろぎ)のRを組み合わせた。軽自動車の新しい流れをつくる新カテゴリーのクルマ、生活にゆとり感を与えるクルマという、2つの意味を込めたという。初代モデルは1993年9月発売。セミキャブオーバー型で、背の高いワゴン、従来あまりなかったタイプの乗用車だった。右側ドアはドライバー用だけ、左側は2枚あり、テールゲートも備えていた。リヤシートはフラットにたためて、荷物を多く積むことができた。エンジンは3気筒SOHC・12バルブの657cc・自然吸気55psのF6Aを積み、FF車のミッションは5速MTと3速AT、4WD(ロータリーブレード・カップリングを利用)車は5速MTという設定。エアコン、パワーステアリングなどは標準装備。価格はベースモデルのRA・79万8000円から。
このクルマが大ヒット作となった理由は、(1)コンセプトが時代に合っていたこと、(2)乗用車だけとしたこと、(3)独自のスタイリングとネーミングを与えたこと、などにあるといわれ、一躍ビッグネームとなった。
95年2月、インタークーラー付きターボエンジン車追加。3気筒SOHC・657ccのF6Aで、EPI(電子制御燃料噴射)仕様、最高出力61ps。グレード名はRT-Sで、駆動方式はFFと4WDがあった。フロントのディスクブレーキを大径化し、サスペンションも専用チューンを施した。
95年10月、マイナーチェンジ実施。エクステリアではボディ同色のバンパー、熱線吸収グリーンガラス、テールゲートのアウターハンドルなどを採用した。インテリアでは、リヤシート(折りたためる)にリクライニング機構を組み込み、フルフラットにもできた。エンジンではF6Aの最大トルクを5.8→6.1kg-mヘアップ、ターボの最高出力も64psに引き上げた。4WDターボ車にも3速ATを設定した。
96年8月、5ドアの2WD車を追加。同時に従来車の内・外装の装備拡充をはかった。
97年2月、低価格車RC設定。4月、マイナーチェンジと車種追加。エクステリアではグリルを変え、グレードによりアルミホイールやホイールキャップのデザインを新しくした。インテリアではシート、抗菌処理のステアリングホイール、メーターなどを変更。機構面では、RX、FXのエンジンを新開発のオールアルミ製3気筒DOHC・12バルブ・EPIのK6A、58psに換装し、一部のFF車はATを電子制御4速に積み替えた。RSというホットモデルを追加。11月、コラムという新バリエーション追加。コラムセレクターの3速AT車で、フロントシートはベンチタイプ。丸いヘッドランプ、テールランプ、縦格子のラジエーターグリルなどが特徴。駐車ブレーキはペダル式となった。インテリアでは、インスツルメントパネル下部が木目調に変わった。
98年1月、車種追加。K6A、DOHCインタークーラー付きターボエンジン搭載のRSをベースに、ラジエーターグリルほかを専用デザインとし、車高を下げたRRを設定した。また、1-2ドアでターボエンジン、コラムATのコラムターボ追加。5月には通常型にコラムAT+フロントベンチシートのFXとFTを加えた。
10月、新軽規格に合わせてフルモデルチェンジ、2代目に進んだ。スタイリングは初代と大きく変わらず、コンセプトも継承した正常進化型だった。新型では、通常シリーズのほか、RRと呼ぶスポーティシリーズをリリース。ボディタイプは両者とも1-2ドアと5ドアハッチバック。合計8グレードを設定、2WDと4WDがあり、ミッションは5速MTと3速/4速AT、そしてCVTを選択できた。
通常型に載るエンジンはF6A自然吸気・52psとそのターボ・60ps、K6A型DOHC自然吸気の55psとVVT・55psの4種。RR用は、K6A型DOHC・インタークーラー付きターボ・64psだけ。ホイールベースは2360mmと従来車より長くなったが、回転半径は4.6mを4.2mに改善した。インテリアも進歩し、シートは助手席のクッション部を前方に直立させ、シートバックを水平に倒して、リヤシートを水平に倒すこととあわせて、長尺物を収容できるようになった。小物スペースも増えた。
99年10月、マイナーチェンジ。ターボを除く全車にDOHC・16バルブのVVTエンジン採用。シート表皮、トリムも変えた。RRシリーズにはクラッチスタートシステムが付いた。
2000年4月、1-2ドアモデルがなくなり、5ドアだけになった。
2001年11月、運転席・助手席SRSエアバッグとフロントシートベルト・プリテンショナーを全車に標準装備、外観ではフロントグリルの車体色化などの改良を行った。そのほか、新開発DOHCエンジン「Mターボ」採用のモデルを設定。ミッションは4速コラム式ATが主力になった。
2002年9月、新デザインのフロントグリルを採用、ディスチャージヘッドランプ装着車を設定(一部オプション)。内装関係ではインスツルメントパネルのデザインを一新、メーターパネルも変更した。リヤシートにスライド機構を付け、前後105mm幅で調整が可能になった。お買い得車「N-1ターボ」設定。
2003年4月、お買い得機種を追加。装備で選べるA、Bの2タイプがあり、SRSエアバッグ、エアコン、パワーウィンドウなどを標準装備。Bはさらに、キーレスエントリーシステムなどが付く。
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