ThinkPad X6x系
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「ThinkPad X」の記事における「ThinkPad X6x系」の解説
レノボ移行後の初開発モデルはThinkPad X6xシリーズとなる。X6xは、CPUのIntel Coreシリーズへの代替わりを機に、X3xとX4xの流れを統合したモデルである。X4xとほぼ同じサイズの筐体に、X3xと同様の2.5インチHDDと通常電圧版のCPUの搭載や、2つのメモリスロットの設置を可能にしている。 X60シリーズは2006年2月1日に Core Duo と Core Solo(共にYonah)搭載モデルで発表された。 X60は通常電圧版CPUを搭載し、これに対応したサイズのヒートシンクとファンを収めるため、筐体底面後部に張り出しがある。また、標準の4セルバッテリも円筒形セルで、平形(扁平セル)の最軽量バッテリ(4セル・スリムライン・バッテリ)は装着できない(大容量バッテリは円筒形の8セル)。 X60sは低電圧版、または超低電圧版CPUを搭載し、平型の最軽量バッテリを装着でき、この状態でX4xと同じサイズになる。標準(4セル)や大容量(8セル)の円筒形セルバッテリを取り付けた際、バッテリの張り出しで底面左奥のゴム足が接地しなくなるため、安定性確保用としてスペーサーが用意されている。これら以外は細かい仕様の差を除いて共通であるが、X60sの日本モデルはLCDパネルが金属枠のない軽量なものとなっている。 HDDはXシリーズ初のシリアルATAで、2.5インチサイズのものを搭載する。ただし、X60sの最軽量モデル (2533-A5J) には、軽量化(他社とのカタログスペック競争)のためパラレルATA(ZIFコネクタ)の東芝製1.8インチHDDが搭載された(このHDDは本体側2.5インチHDD用コネクタとキャディを別途入手しない限り2.5インチHDDへの換装はできない)。T6x系等と同様にキーボードへのWindowsキーの追加、トラックポイントのボタンのデザイン変更が行われている。Xシリーズとして初めて、無線デバイス(無線LAN、Bluetooth)のハードウェアスイッチが設けられた。 同年10月24日発表のモデルから、デュアルコアCPUは Core 2 Duo (Merom) に置き換えられた。この後期型ではMIMOにも対応しており、中でもT7200搭載モデルには MIMO 2X3 仕様がラインナップされ、それらにはトップカバー右端に非常に目立つ第三アンテナ用のバンプ(張り出し)が備わっている。 X61シリーズからはチップセットが GM965 Express + ICH8M となり、第4世代Centrinoの Centrino Pro テクノロジが搭載された。CPUは前期がすべて Merom、後期は標準電圧版のみが Penryn(FSB 800 MHz)となる。一部モデル(7675-5BJ等)ではKDDIのau回線網を使ったワイヤレスWANモデルも発売された。X60シリーズですでに無線LANカードの直上にあたる右パームレストの温度上昇が指摘されていたが、X61シリーズから Mini PCI Express カードスロットが2つに増設されたため、冷却対策としてパームレスト右端に吸気口が追加されている。X61は かなりよくできた過去の人気モデルであり、速度はすべてSATA1速度だったが、改造BIOSを適用しチップセットで可能なSATA2速度対応にする、液晶を高精細なものに交換したり本来3xxかX201まで無いLED光源にする、果ては樹脂パーツ部分に頑丈で軽いカーボンのものを自前で作って交換するなどの猛者も世界各地に現れた。パーツや分解方法が公式に開示されるThinkPadだが、他のモデルではポテンシャルが決まっていたり、最初から対応していたりするので、ここまで改造された例はあまりない。 ラインナップ X60:X3xの後継。モバイルインテル945GM Expressチップセット搭載。CPUは標準電圧版Core Duo T2300、T2300E、T2400、もしくはCore 2 Duo T5500、T5600、T7200、もしくはCore Solo T1300。 X60s:X4xの後継。モバイルインテル945GM Expressチップセット搭載。CPUは低電圧版Core Duo L2300、L2400、L2500、もしくは超低電圧版Core Solo U1300。 X60 Tablet:X41 Tabletの後継。モバイルインテル945GM Expressチップセット搭載。CPUは低電圧版Core Duo L2400。 X61:モバイルインテルGM965 Expressチップセットを搭載。CPUは標準電圧版Core 2 Duo T7100、T7300。 X61s:モバイルインテルGM965 Expressチップセットを搭載。CPUは低電圧版Core 2 Duo L7300,L7500。ThinkPad生誕15周年を記念して、X61sをベースに手縫いのレザーカバー・3年間の専用特別サポート等が付いた限定モデル「Reserve Edition」も発売された。但し、販売国限定で、日本では発売されていない。 日本向けには同15周年記念限定モデルとして、かつてThinkPad 600等の上位モデルで使われた高級質感塗装を採用し、英語キーボードを選択可能にした「X61s 15th Anniversary Edition」を315台限定で発売した。(315台完売直後に台数限定なしで追加注文を受け付けているため、実際の出荷台数は不明)。 X61 Tablet:モバイルインテルGM965 Expressチップセットを搭載。CPUは低電圧版Core 2 Duo L7500。
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