IR(統合型リゾート)誘致
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 03:51 UTC 版)
「林文子」の記事における「IR(統合型リゾート)誘致」の解説
第2次安倍政権下でカジノ合法化の論議が活発化した 2014年初頭から、林市長はIR・カジノ誘致推進を公にしていた。「カジノを含めたIR導入は横浜の持続的経済成長のためには必須」とし、ギャンブル依存症対策に配慮しつつ「やるからには健全なものを目指す」との意欲を見せていた。 2017年1月11日、衆議院議員の長島一由が、同年7月の横浜市長選挙に向けて「カジノ誘致反対」を掲げ出馬表明。林も同年1月25日に記者会見し「(誘致に向けて)具体的な動きをやっていくのはかなり難しい」と述べ、「白紙」に立場を変えた。同年7月16日、林は立候補の届出を行い、統合リゾートの「導入検討」という形で選挙公約に取り入れた(要約版 とともにウェブ上で公開された詳細版P39/41)。 2019年8月22日、記者会見を開き、カジノを含む統合型リゾート(IR)を誘致すると発表した。横浜港の山下ふ頭47ヘクタールを候補地とし、2020年代後半の開業を目指すとしている。林市長は定例記者会見で「横浜市は2019年をピークに人口が減少に転じ、財政悪化が進む」との見通しを示し、カジノの誘致によって、建設時に1兆円前後の経済波及効果がもたらされ、市には年1千億円前後の増収効果が生じると利点を述べた。 会見終了後、TBSは会場を後にした林市長が執務スペースに入った直後、大量の書類を宙に放り投げたと思われる様子をすりガラス越しにビデオに収め、8月24日放送のニュース番組「報道特集」で放映した。その映像はSNSで拡散され、市民からは「林市長は市長選で『カジノは白紙』の立場で当選した。市民の声を聞かず、独断で推進するのは民主主義にもとる大問題。ギャンブル依存症患者が増加する状況を作ってしまう」との批判の声が上がっている。 同年9月4日、書類を放り投げた映像がテレビで放映されたことについて、記者に対し「ようするに『お疲れさま』と言って、こうやったときに手が滑った」と説明した。反対派の機運が高まる中、安全確保のため横浜市は9月6日、市役所の2階市長室に通じる1階の大階段前に職員2人を交代で配置し、市長室前への立ち入りを規制した。同日に行われた市議会本会議で、自民党・無所属の会の大桑正貴議員が「IRの実現に向けた決断をしたのは評価する」と発言すると、立憲・国民フォーラムの梶尾明議員や日本共産党の三輪智恵美議員らはカジノ反対の意見を述べ、与野党対立が先鋭化した。 一方、横浜商工会議所の上野孝会頭は「大変喜ばしく評価したい」と林市長の決断を歓迎するコメントを発表し、社内にIRの専門部署を立ち上げた京浜急行電鉄も「横浜の将来を考えた英断に敬意を表したい」とのコメントを発表した。 林市長がIR誘致を表明して半年経た2020年2月、市民に反対の声が広がっていることなどが報じられている。同年9月にはIR誘致の是非を問う為、住民投票を目指す市民団体が署名活動を開始。同年11月4日、署名活動を終えた。市民団体によると、同日正午時点で、市長に住民投票条例制定を請求するのに必要な署名数の2・5倍となる約15万6000筆が集まったという。 2021年3月19日の横浜市議会特別予算委員会において、市が3月14日に発行した「広報よこはま特別号」を巡り、井上桜市議(無所属)から「メリットの部分だけが書かれていて、市民が負うコストやリスクを知らせずに進めていこうとしているのではないか」と指摘されたほか、白井正子市議(日本共産党)からはスケジュールに市長選が記載されていないことから「IR誘致が決定事項のように見せている」と批判された。これらに対して横浜市副市長である平原敏英は「公表した実施方針本体にはリスクを記載している。今後の広報で適切に情報を提供していきたい」と答弁した一方、反対意見を尊重することを求められた林は「市民説明会に行き、罵声と怒声を浴び続けてきた。これ以上どうやればいいか」と語気を荒らげ、いら立ちをあらわにする場面もあった。
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IR誘致
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「2021年横浜市長選挙」の記事における「IR誘致」の解説
2017年に実施された前回市長選挙で、林市長はIR誘致について「白紙」を掲げ3選を果たしたが、2019年8月にはそれまでの姿勢から一転してIR誘致の表明をしている。こうしたことを受けIR誘致に反対する市民団体「カジノの是非を決める横浜市民の会」は、誘致是非を問う住民投票条例制定を市長に直接請求するための署名集めを行い、2020年12月には請求に必要な法定数(有権者数の50分の1)の3倍を超える約19万筆の署名を提出した。住民投票の実施には、市議会で住民投票条例案が可決されることが必要だが、自民党と公明党が反対したことで条例案は否決され住民投票は実施されないこととなった。 IR誘致への立場立候補者推進福田 林 反対太田 小此木 坪倉 山中 田中 松沢
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