アルデバラン
「アルデバラン」は、おうし座の首星(α星)である恒星の固有名である。地球から約65光年の彼方にある赤色巨星(または橙色巨星)であり、太陽より遥かに巨大で明るい。地球からも1等星として肉眼で見える。
「アルデバラン」という名称はアラビア語で「追跡者(追いかける者)」を意味する言葉に由来する。プレアデス星団を追いかけるように動くさまに因んだ呼び名とされる。和名にも「プレアデス星団の後続」を意味する「すばるの後星」という呼び名がある。
「アルデバラン」に関連する用語・知識
おうし座
おうし座は、アルデバランを含む星座である。おうし座は、北半球の冬の星座として知られており、プレアデス星団やヒアデス星団などの有名な星団が含まれている。赤色巨星
赤色巨星は、恒星としての安定期(主系列星)を終えた年老いた星が辿る進化段階である。膨張して大きくなるため、明るさは増すが、表面温度が相対的に低下するため光は赤みを帯びるとされる。赤色巨星は天体の規模(重量)によってその後の進化の過程が変わる。それほど質量の大きくない星は赤色巨星から白色矮星になる。巨大な質量を持つ星は超新星爆発を起こした後に中性子星となる。さらに飛び抜けて巨大な質量を持つ星は最終的にブラックホールになると考えられている。
プレアデス星団
プレアデス星団は、アルデバランと同じおうし座に位置する明るい散開星団の名称である。アルデバランは「(プレアデス星団を)追いかける者」という意味の言葉が語源である、という意味では「アルデバラン」という名称の由来の一端である。「プレアデス」はギリシア神話に登場する女神の7人姉妹(プレイアデス)に因んだ名称である。
ヒアデス星団
ヒアデス星団は、おうし座のアルデバランの近傍に見える散開星団の名称である。同じおうし座のプレアデス星団と比べると知名度こそ低いが、「地球に最も近くにある散開星団」として知られている。「ヒアデス」は、ギリシア神話に登場する精霊(ニンフ)の姉妹(ヒュアデス)に因んだ名称である。神話ではプレイアデス姉妹とヒュアデス姉妹は腹違い(父か母が同じ)とされている。
アレス
アレスは、ギリシア神話に登場する「戦争を司る神」の名である。アルデバランには「アレスの目」という異称がある。アルデバラン
「アルデバラン」とは、後に続くものということを意味する英語のカタカナ表現である。
「アルデバラン」とは・「アルデバラン」」の詳しい解説
「アルデバラン」は、夜空に見える星空の中心となる黄道十二星座のおうし座に輝く一等星の名前である。冬の季節に見られる星座には、一等星が多い。おおいぬ座のシリウス・こいぬ座のプロキオン・ふたご座のポルックス・ぎょしゃ座のカペラ・おうし座のアルデバラン・オリオン座のリゲルがあり、それぞれを線でつなぐと六角形になる位置にあることから冬のダイヤモンドといわれている。星座図ではアルデバランは、おうしの目の位置にあたる。橙色に見えることから、ある程度の歳月を経過した中年の星であることが推測される。星は生まれるときは高温のために青白く輝くが、年月が過ぎると表面の温度が下がってきた赤みを帯びるようになる。アルデバランの明るさは0.86等星あり、近くには和名ではすばると呼ばれる散開星団のプレアデス星団があるので、肉眼でも比較的見つけやすい。正式にはアルデバランのことを、おうし座α(アルファ)星とも言い表す。ギリシャ文字で、星座の中の星々の順番を付けることで管理している。ギリシャ神話では、おうし座にまつわる話がある。全知全能の神ゼウスがフェニキア国の王女エウロパは絶世の美女であるという噂を聞きつけると、すぐさま下界の様子を覗い目当てのエウロパを見つける。彼女は噂通りの美女であったため、彼女に近づくために大きな牡牛の姿に身を変えて下界へと降りた。おとなしい様子で人懐こく美しい金色の毛並みを持つ牡牛にすっかり心を許したエウロパが背中に腰を下ろすと、突然狂ったように走りだした。振り落とされないようにエウロパは必死に角に縋り付く状態で山を越え海を越えて辿り着いたクレタ島で、ようやく牡牛は元のゼウスの姿となって顕現するとエウロパに求愛した。海を駆け抜ける牡牛の姿を、星座として夜空に掲げたというのが伝承として伝わっている。やたらと恋物語の多いゼウスを浮気者というレッテルがついたのは、各地に伝わる伝承を集めた結果だからだといわれている。
「アルデバラン」の語源・由来
「アルデバラン」の名前は、アラビア語のアッ・ダバラーンに由来される。それが後に、英語のAldebaranと表記されるようになった。「後に続くもの」という意味を持ち、実際にアルデバランが東の地平線を登る時には、プレアデス星団に追いかけるように登って見えることから「後追い星」ともいわれている。「アルデバラン(AIの曲)」とは
アルデバランとは、AIが歌うNHKの朝の連続ドラマ(略して朝ドラ)「カムカムエブリバディー」の主題歌のタイトルのことである。作詞作曲を森山直太朗が担当しており、2021年11月1日にCDがリリースされた。歌詞にも2番で「アルデバラン」の言葉が入っており、アルデバランの持つ後に続くものという意味が空を見上げる主人公の姿を想像させる。ドラマの視聴にも影響があり、次代へ続く子どもたちへ繋ぐバトンタッチのような印象や、辛い時にも希望を持つという印象を与えている。「アルデバラン」の使い方・例文
アルデバランは主に星そのものについてや、人物などの名前として使用されることが多い。・漫画の聖闘士星矢には、アルデバランというキャラクターが登場する。
・アルデバランは、冬の夜空に見える一等星の名前だ。
・冬のダイヤモンド(六角形)の中に、アルデバランが入っている。
・橙色のアルデバランは、寿命の半分以上が経過した中年の星である。
・アルデバランというハンバーガーのお店が移転したよ。
・麻布十番のアルデバランは、ランチが美味しいんだ。
・アルデバランの歌を聴くと感動して涙が出てくる。
・アルデバランの曲が入っているアルバムを購入したら特典が付いてきた。
・私はアルデバランを歌うAIのファンだ。
・アルデバランを含む一等星は、全部で21個しか存在していない。
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