2014年 全米準優勝 マスターズ準優勝 ATPファイナルズベスト4
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「錦織圭」の記事における「2014年 全米準優勝 マスターズ準優勝 ATPファイナルズベスト4」の解説
全豪オープンではマリンコ・マトセビッチ、ドゥサン・ラヨビッチ、ドナルド・ヤングを破り3年連続の16強入り。4回戦では第1シードのラファエル・ナダルと対戦してストレート負けであったが、スコアは6-7, 5-7, 6-7と3セットとも接戦を演じた。 2月、カナダと対戦したデビスカップ2014の1回戦ではシングルスで2勝、ダブルス(内山靖崇とペア)で1勝して、日本初の準々決勝進出に貢献した。全米国際インドアテニス選手権では、イボ・カロビッチを破って優勝し、前年からの2連覇を達成し、ツアー通算4勝目。 3月、マイアミ・マスターズに出場。3回戦でグリゴール・ディミトロフ、4回戦でダビド・フェレールといった世界ランキング上位者に勝利。準々決勝ではロジャー・フェデラーと対戦し、3-6, 7-5, 6-4で2度目の勝利を挙げ、マイアミ初・マスターズ1000では2011年上海マスターズ以来3年ぶりのベスト4進出。準決勝ではノバク・ジョコビッチと対戦する予定であったが、左股関節の痛みにより棄権している。 4月、バルセロナ・オープン・バンコ・サバデルに出場。決勝でサンティアゴ・ヒラルドと対戦し、6-2, 6-2で今大会初、ツアー通算5勝目、今季2度目の優勝を果たした。同大会のシングルスは、2003年から2013年まで、開催国のスペインの選手が優勝し続けていた。 5月、マドリード・マスターズに出場。準々決勝でフェリシアーノ・ロペスに6-4, 6-4で勝利し、念願の世界ランキングトップ10入りを果たした。準決勝ではフェレールに7-6, 5-7, 6-3で勝利し、日本人初のマスターズ決勝に進出。決勝では第1シードのナダルと対戦し第1セットを奪うも、第2セット途中で負傷し6-2, 4-6, 0-3(途中棄権)で敗れる。ナダル戦初勝利、マスターズ初優勝、初の2大会連続優勝の3つを同時に達成するという快挙はならなかった。大会後のランキングで自己最高位を更新し、アジア出身男子最高位に並ぶ9位となった。 ランキングを10位に落とし第9シードとして出場した全仏オープンでは、マドリード・マスターズで負った怪我の影響もあり、1回戦でマルティン・クリザンに6-7(4), 1-6, 2-6で敗退した。 6月、ゲリー・ウェバー・オープンに出場。今大会初の準決勝に進出し、フェデラーと対決する。錦織はフェデラーに2度のブレークを許し、3-6, 6-7(4)のストレートで敗れ、フェデラーとの対戦結果を2勝2敗とした。 第10シードとして出場したウィンブルドンでは、3回戦でシモーネ・ボレリと対戦。第5セットを3-3にしたところで日没順延となり、翌週の月曜日に再開された試合で第10ゲームをブレークして自身初となるウィンブルドンでの3回戦突破を決めた。しかし続く4回戦で第8シードのミロシュ・ラオニッチに6-4, 1-6, 6-7, 3-6で敗れ、松岡修造以来19年ぶりのベスト8とはならなかった。 7月29日より全米オープンの前哨戦であるシティ・オープンに第4シードで出場。初戦の2回戦で世界ランク63位のサム・クエリーと対戦し6-4, 5-7, 6-4で勝利をおさめた。3回戦のルカシュ・ラツコ戦も6-2, 2-6, 6-3で勝利してベスト8に進出したが、大会初のベスト4をかけた準々決勝では第6シードで世界ランク14位のリシャール・ガスケに1-6, 4-6で敗れ、またもガスケに対し初勝利とならなかった。シティ・オープン終了後、右足親指の故障のため、同じく全米前哨戦のロジャーズ・カップとウエスタン・アンド・サザン・オープンを欠場して親指の嚢胞手術をし治療に専念した。 治療明けで出場した全米オープンでは、1回戦でウェイン・オデスニクに6-2, 6-4, 6-2で勝利、2回戦でパブロ・アンドゥハールに6-4, 6-1(第3セットは相手が棄権)で勝利した時点で4大大会通算33勝となり、佐藤次郎が持っていた日本人男子記録を更新した。3回戦は第23シードのレオナルド・マイエルに6-4, 6-2, 6-3でストレート勝ちし、初出場であった2008年大会以来6年ぶり2度目のベスト16進出が決定。4回戦では第5シードのラオニッチを4-6, 7-6(4), 6-7(6), 7-5, 6-4のフルセットの末に下し、全米オープンでは自身初、日本人男子選手では1922年の清水善造以来92年ぶりのベスト8進出を決めた。ナイトセッションで行われたこの試合の試合時間は4時間19分に渡り、終了時刻は全米オープン史上最も遅い午前2時26分であった。準々決勝も試合時間4時間15分の2試合連続フルセットの末に第3シードのスタン・ワウリンカを3-6, 7-5, 7-6(7), 6-7(5), 6-4で下し、4大大会では自身初、日本人男子選手としては1918年の熊谷一弥以来96年ぶり、4大大会でも1933年ウィンブルドン選手権の佐藤次郎以来81年ぶりとなるベスト4進出を決めた。準決勝では世界ランク1位のノバク・ジョコビッチを相手に、6-4, 1-6, 7-6(4), 6-3で勝利し、シングルスでは男女通じて日本人初、男子に限ればアジア出身選手初のグランドスラム決勝進出を果たす。(なお、アジア系外国人という解釈まで広げれば、冒頭の記載の通り、台湾系米国人のマイケル・チャンが、グランドスラムの全仏オープン優勝(史上最年少)、全米オープン準優勝、全豪オープン準優勝と、グランドスラムのうち3大会での初の決勝進出と、うち全仏オープンの優勝を果たしている)。その決勝は第14シードのマリン・チリッチと対戦したが3-6, 3-6, 3-6のストレートで敗退。優勝は逃したものの、自身が同年5月に記録したアジア出身男子選手の世界ランク最高位記録9位を超え8位以上となることが確定した。 全米オープン後、初のツアー大会となったマレーシア・オープン・クアラルンプールでは第1シードで出場。順当に決勝まで勝ち進み、決勝では第4シードのジュリアン・ベネトー相手に7-6(4), 6-4で勝利、大会初優勝またシーズン3勝目、ツアー通算6勝目を達成し、翌週に発表されたランキングでは自己最高位を更新する7位に浮上した。 そして、初の2週連続優勝がかかった母国開催の楽天ジャパン・オープンでは初戦からシード勢が次々と敗退していくなか、第4シードの錦織は1セットも落とさず準決勝に進出。その準決勝ではベンヤミン・ベッカーに4-6, 6-0, 7-6(2)で勝利し決勝に進出。決勝では第3シードのラオニッチと今季4度目の対戦。7-6(5), 4-6, 6-4で勝って2年ぶり2度目の優勝を果たした。これによりマレーシア・オープン・クアラルンプールから2週連続の大会制覇となり日本男女を含めても初の快挙となり10月6日発表の自己の世界ランキングを再び更新する6位となった。 10月、上海マスターズの怪我と連日の疲れからバレンシア・オープンも欠場し、迎えたBNPパリバ・マスターズ準々決勝では第4シードのフェレールと対戦し、3-6, 7-6(5), 6-4で勝利して大会初のベスト4進出。そして、2014年ATPレース・ランキングにおいて、グランドスラム準優勝、マスターズ1000準優勝とベスト4が2回、500シリーズ優勝2回に250シリーズ優勝2回など合計4625ポイント獲得し、世界第5位の成績でアジア出身男子初のATPワールドツアー・ファイナルズ出場が決まった。 11月のATPワールドツアー・ファイナルズはナダルが欠場したため第4シードで出場。ラウンドロビンB組第1戦では、過去の対戦で1度も勝利がなかったアンディ・マリーに6-4, 6-4で初勝利。第2戦ではフェデラーに3-6, 2-6で敗れたものの、フェレール(第8シードのラオニッチの棄権による代替出場)に4-6, 6-4, 6-1で勝利し、B組2位で準決勝に進出。準決勝ではA組を3戦全勝で1位通過した世界ランキング1位ノバク・ジョコビッチと対戦。この大会全試合ストレート勝ちしていたジョコビッチから1セットをとり健闘したが、1-6, 6-3, 0-6で敗れファイナルズ初出場での決勝進出とはならなかった。ATPの年間最終ランキングはジョコビッチ、フェデラー、ナダル、ワウリンカに次ぐ自己最高の5位。 この結果、シーズン通算54勝14敗(勝率.794)で年内の世界ランキング5位が確定。2014年の獲得賞金額は443万9218ドルで世界6位となる。また、2014年シーズンのセカンドサーブリターンポイント獲得率53%、リターンゲーム勝率28%がツアー6位にランクインされた。
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