2001年:世界初の3Gサービス開始
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「日本における携帯電話」の記事における「2001年:世界初の3Gサービス開始」の解説
2001年5月には日本において、世界初の第三世代携帯電話(3G、W-CDMA)の商用サービスがNTTドコモで始まった。いわゆるフィーチャーフォン(日本型高機能携帯電話)と呼ばれるものだが、テレビ電話が可能となったほか、パーソナルコンピュータと接続して、高速なデータ通信が行えるようになった。またそれまでは携帯電話でのインターネット利用は、iモードなど限られたサービスの枠内に留まっていたのが、パソコンと同じポータルサイトでインターネットニュースを見たり、Googleなどの検索エンジンを使ったWEB検索や画像検索、ブログや電子掲示板へのコメント投稿もできるようになるなど、パソコンとほぼ同等の利用が可能になった。それによりリビングでテレビニュースを見ながら分からない用語を携帯で検索して意味を調べたり、コメント投稿して意見をいうのが当たり前になるなど、これまでの受け身で既存メディアが流す情報に接するだけの状態から人々の姿勢や生活を大きくを変えた(ただしパソコンではずっと以前から同じことはできていた)。 またこの頃から音楽聴取やゲームも携帯ですることが一般的になり、携帯カメラで動画撮影も行われるようになった。ただし、当初は多くの携帯はフラッシュ未対応だったため、YouTubeなどネット上にアップロードされた動画の閲覧には制限があった。 2002年12月にはVodafone(現・ソフトバンク)でW-CDMA方式の3Gサービスを、2002年4月からKDDIがCDMA2000 1x方式の3Gサービスを開始した。 ただし、2Gから3Gへの移行期には、アナログ(1G)からPDC(2G)への移行期と比べて、すでに多くの人々が携帯電話を利用していたことから、2005年ごろまでのドコモやVodafoneの黎明期の3Gサービスでは多くの問題点が露呈した。 2001年10月に本格的にサービスを開始したドコモのFOMAでは、初期の端末はPDC端末と比べて重く、電池の持ちが悪い上、サービスエリアが狭く、料金も高かった。また、2004年のFOMA900iシリーズの登場以前のFOMA端末は、PDC端末と比べ、カメラ画素数やiアプリの性能が低かった。このため、すぐには普及しなかった。その後も、FOMA端末は2005年ごろの機種まで、PDC端末と比べて、OSが未熟で、キーレスポンスが遅くなりがちだった。さらに、着うたフル対応端末の導入が2006年夏で他キャリアより1~2年遅れた。 2003年10月にJ-PHONEからブランド変更されたVodafoneでは、2002年12月に3Gを試験的に導入していたものの、Vodafone 3Gで本格的にサービスを開始するまで2年かかった。また、2004年~2005年のVodafone 3G対応携帯電話は、Vodafoneイギリス本部の意向があり、それまでのPDC用端末とは全く異なる、世界共通のUIを導入したことで、日本のユーザーにとっては使い勝手が悪くなった上、ソフトウェアの不具合も多発し、ユーザーの離反を招いた。この3G導入時の失敗により、Vodafoneは写メールで人気を伸ばしたJ-PHONE時代からは一転して、人気が低落した。その結果、Vodafoneはわずか3年ほどで日本撤退を決め、2006年にソフトバンクに携帯電話事業を譲渡することになる。 一方、従来のcdmaOneとの下位互換性が高く、2002年4月に3GのCDMA2000 1xを導入後も、2003年11月のCDMA 1X WIN導入まで、あえて大々的に3Gサービスを強調しなかったauでは、比較的スムーズに3Gへの移行が進んだ。 このころ、フィーチャーフォンの高機能化、サイトやアプリのリッチコンテンツ化が進んでいたが、家庭用回線のフレッツ・ISDNやフレッツ・ADSLのような定額の料金プランはまだなく、パケット通信費が青天井で、月額数万円~数十万円という高額請求になる、いわゆる「パケ死」が社会問題化した。そこで、2003年11月には、auがCDMA 1X WIN導入に合わせ、パケット定額制を導入し、2004年からドコモやVodafoneも3G回線のユーザー向けにパケット定額制を導入していった。 NTTドコモのFOMA1号機のP2101V(松下通信工業(現・パナソニック モバイルコミュニケーションズ)、2001年) au初のカメラ付きCDMA2000 1x機のA3012CA(カシオ計算機(当時)、2002年) Vodafone 3Gが本格的に開始された世代のVodafone 802SE(ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ(現・ソニーモバイルコミュニケーションズ)、2004年)
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