2001年以降・新しい流れ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 01:52 UTC 版)
「Nゲージ」の記事における「2001年以降・新しい流れ」の解説
2000年代には、有井製作所=マイクロエースの製品が急速に拡充された。マイクロエースの製品は機関車以外はセット販売が主体で、販売車種は試作型車両、民鉄の車両、JR北海道、四国、九州の車両に及び、実物の存在しないアニメーション作品の銀河鉄道999編成まで製品化された。マイクロエースの製品展開は他メーカーにも影響を及ぼし、セット販売の増加はNゲージ全体の流れとなった。 一方、プラキットの形態で長年製品を供給してきたグリーンマックスは90年代後半より、より完成品に近い塗装済みキットを製品化していたが、2000年代に入ると他社と同様の塗装済完成品を発売し、キットを作らないNゲージャーに対応している。このようなこともあり、毎月新製品が発売される完成品に比べると市場における未塗装キットの比重は低下している。 チョコエッグなどの食玩にはじまるコレクションモデルのブームがNゲージにも波及して、Bトレインショーティーや鉄道コレクションというような従来の鉄道模型とは一線を画する製品が発売されているのも近年の特徴である。このような製品は他のコレクションモデルと並べられ、量販店やコンビニエンスストア、鉄道事業者主催のイベント会場でも販売される等、販売形態においても従来の鉄道模型とは異なる扱われ方をしている。 Nゲージブームが去ってから次第に百貨店、玩具店でのNゲージの取り扱いは減少していく一方、1990年代後半から家電系・玩具系量販店がNゲージの取り扱いを始めた。量販店はBトレインショーティーや鉄道コレクションのようなコレクションモデルの販売にも力を入れていて、取り扱い商品の種類・数量とも豊富であり、百貨店、玩具店に代わって模型専門店に足を運ばない層にもNゲージを広める役割を果たしている。当初、量販店は模型専門知識を備えたスタッフをほとんど持たなかったが、他店との差別化や顧客サービスのため専門知識を持った販売員を置く店もある。また、一般の模型店の中にも売り場を量販店型に改装するところも出てきている。また、インターネットの普及に伴い実店舗を持たないインターネット通販専門の鉄道模型店も登場している。2000年代後半にはレイアウトの完成を目標とした分冊百科形式の雑誌が刊行された。解説の冊子とともに各号にレールや車輛、レイアウト用品が付属する形で書店でNゲージ製品が購入できた。 1990年代後半以降、製造コスト削減のために製造拠点を中国や東欧などに移すメーカーが現れていたが、2000年代以降その動きは加速し、日本メーカーの製品も中国で製造された製品が多くみられる。また、2000年代以降は海外でのNゲージ業界の再編が更に進行した。2001年、グラハム・ファリッシュがケーダーに買収され、同社のイギリス市場でのNゲージブランドとなった。リマグループは2004年に倒産し、イギリスのホーンビィに買収された。同年ロコも倒産し、ドイツのモデルアイゼンバーン・ホールディング傘下となった。2008年にはフライシュマンが倒産しモデルアイゼンバーン・ホールディング傘下に入った。以後ロコブランドのNゲージ製品はフライシュマンブランドに統合された。日本でも2012年に河合商会が倒産し、Nゲージ製品についてはポポンデッタに引き継がれた。
※この「2001年以降・新しい流れ」の解説は、「Nゲージ」の解説の一部です。
「2001年以降・新しい流れ」を含む「Nゲージ」の記事については、「Nゲージ」の概要を参照ください。
- 2001年以降・新しい流れのページへのリンク