1070形(1071~1076)
1070形
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/28 11:44 UTC 版)
「国鉄6200形蒸気機関車」の記事における「1070形」の解説
1070形 (1070 - 1118) は、6200形および6270形を支線の小運転や入換に適するよう、従軸を1軸追加して、側水槽および炭庫・背水槽を増設し、4-4-2 (2B1) 型タンク機関車に改造したものである。過熱式改造および譲渡されなかった全49両が1925年(大正14年)から1928年(昭和3年)までに大宮工場、浜松工場および鷹取工場で改造され、改造の終了により6200形および6270形は消滅した。種車のシリンダの弁室は上側、内側両方のタイプがあるが、上側タイプであっても内側に移設されたものとそうでないものがあり、まちまちである。また、側水槽は左右とも前半部上面に傾斜のついた五角形である。改造年および施行工場、新旧番号の対照は、次のとおりである。 1925年改造(5両)大宮工場 6207, 6206, 6204, 6209 → 1070 - 1073 鷹取工場 6293 → 1086 1926年改造(32両)大宮工場 6205, 6210, 6208, 6284, 6288, 6287, 6289, 6291, 6294, 6292, 6271, 6290, 6203, 6211, 6201 → 1074 - 1085, 1094 - 1096 鷹取工場 6280, 6281, 6282, 6283, 6270, 6272, 6278, 6213, 6215, 6218, 6231 → 1087 - 1093, 1106, 1107, 1109, 1111 浜松工場 6224, 6229, 6233, 6227, 6235, 6225 → 1100 - 1105 1927年改造(9両)大宮工場 6200, 6202, 6216 → 1097 - 1099 鷹取工場 6217, 6221, 6275 → 1108, 1110, 1117 浜松工場 6286, 6279, 6285 → 1112 - 1114 1928年改造(3両)大宮工場 6273, 6274 → 1115, 1116 鷹取工場 6276 → 1118 改造後は、原則として改造工場の属する鉄道局管内に配置されたが、移動は激しかった。これは、電化や支線区の建設の進行により、制式機が配置されることによるものである。1933年(昭和8年)6月末現在では、17両が東京鉄道局(宇都宮、水戸、木更津、真岡、勝浦、高崎)、14両が名古屋鉄道局(信濃大町、高岡、美濃太田、福井、長野工場)、15両が大阪鉄道局(米子、鳥取、出雲今市、浜田、和歌山、貴生川)、3両が仙台鉄道局(鰺ヶ沢、野辺地、青森)に配属されていたが、うち4両は廃車前提の第2種休車であった。 1945年(昭和20年)3月末には24両が在籍していたが、1952年(昭和37年)には2両となり、間もなく全車が除籍された。 民間へは13両が払下げられており、その状況は、次のとおりである。 1078(1940年) → 三井鉱山三池鉱業所 20 1080(1939年) → 日鉄鉱業赤谷鉱業所 1080 → 羽鶴鉱業所 1083(1940年) → 筑前参宮鉄道 8(→西日本鉄道宇美線) → 鉄道省(1944年) 1088(1940年) → 加悦鉄道 1088 1090(1939年) → 日本製鐵八幡製鉄所 350 1097(1940年) → 東洋埠頭 1097 1099(1938年) → 東北振興化学 1099 1102(1939年) → 日曹炭鉱天塩砿業所専用鉄道 1102 1103(1942年) → 西日本鉄道(宇美線) 1103 → 鉄道省(1944年) 1107(1939年) → 江若鉄道 1107 1113(1940年) → 夕張鉄道 1113 1117(1941年) → 江若鉄道 1117 → 桜島埠頭 1117(1949年) 1118(1937年) → 江若鉄道 1118 西日本鉄道に譲渡された2両は、1944年の戦時買収により再び国鉄籍となった。番号は、八幡製鉄所へ譲渡された1090が350に、三井鉱山三池鉱業所へ譲渡された1078が20に改められた以外は、国鉄時代の番号のまま使用された。このうち、八幡製鉄所の350は先輪のボギー台車と従輪を外して軸配置を2-4-0 (1B) に改造され、前部を詰め背部炭庫を縮小して寸詰まりのユーモラスな姿となっていた。 江若鉄道の1107, 1108や日鉄鉱業の赤谷鉱業所から羽鶴鉱業所に移った1080が1960年代まで使用され、特に羽鶴鉱業所の1080は1970年代後半まで現役で使用された。1080(旧6289)は、使用終了後に非公開で保管されていたが、2008年(平成20年)7月に西日本旅客鉄道(JR西日本)へ譲渡の申し入れがされた。これを受け同社は、現在唯一残る貴重なD9系蒸気機関車であることから、2009年(平成21年)9月以降の梅小路蒸気機関車館での保存を決定した。保存実施後は同館保存機では最古の、かつ唯一の明治時代に製造された車両となる。その後、2009年11月14日に同館で日鉄鉱業からJR西日本への譲渡式が行われた。2016年4月に梅小路蒸気機関車館を拡張・改称した京都鉄道博物館で引き続き保存されている。
※この「1070形」の解説は、「国鉄6200形蒸気機関車」の解説の一部です。
「1070形」を含む「国鉄6200形蒸気機関車」の記事については、「国鉄6200形蒸気機関車」の概要を参照ください。
- 1070形/のページへのリンク