ナローボディ機
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ナローボディ機(ナローボディき)とは、旅客機のうち内部の通路が1つしかないものを言う。なお、それに対し通路が2つある旅客機をワイドボディ機と呼ぶ[1]。
特色
前記の様に中央に通路が1本あるのが特徴で、ワイドボディ機と比べ機体サイズが小さいがゆえに大量輸送面では劣るものの、大き過ぎないがゆえの無駄の無さが最大の特徴であり、コスト面を重視する格安航空会社の主要機材として根強い人気がある。
フルサービスを売りとする古来の航空会社でも、ジェット旅客機黎明期にはフラッグシップとして長距離便などでも愛用されたが、大量輸送面などで勝るワイドボディ機が登場するとフラッグシップの座は奪われ、超音速機故にナローボディを選択したコンコルドの引退でナローボディ機でのフラッグシップ運用は消滅した。但し、フラッグシップの座は奪われたものの、ポイント・トゥ・ポイント式の旅客輸送には都合が良いことからこちらの分野でも人気が高く、旅客機世界の両雄と謳われるボーイング社とエアバス社が、このクラスの小型機に力を入れる要因となっている。
なお、ボーイング737・757およびエアバスA320は通路を挟んで座席を3列ずつ配置するのが一般的であるが、ダグラスDC-9およびその後継機は他機種より若干狭いため通路を挟んで2列・3列と左右非対称であり、ワンクラス下の機材であるリージョナルジェットでも広めの機体ではこの配列が採用されている。
各社の主要なナローボディ機
- エアバスA220(2018年まではカナダのボンバルディア・エアロスペースが製造)
- エアバスA320ファミリー
- エアバスA320neoファミリー
- エアバスA319neo
- エアバスA320neo
- エアバスA321neo
- エアバスA321LR
- エアバスA321XLR
- ボーイング377
- ボーイング707
- ボーイング717
- ボーイング720
- ボーイング727
- ボーイング737
- ボーイング737 オリジナル
- ボーイング737-100
- ボーイング737-200
- ボーイング737 クラシック
- ボーイング737-300
- ボーイング737-400
- ボーイング737-500
- ボーイング737 ネクストジェネレーション
- ボーイング737-600
- ボーイング737-700
- ボーイング737-800
- ボーイング737-900
- ボーイング737-900ER
- ボーイング737 MAX
- ボーイング737 MAX 7
- ボーイング737 MAX 8 / MAX 200
- ボーイング737 MAX 9
- ボーイング737 MAX 10
- ボーイング737 オリジナル
- ボーイング757
- ボンバルディア CRJ
- ボンバルディア Cシリーズ(2018年にエアバスA220に名称変更)
- 三菱スペースジェット(開発中止)
(前身となるダグラス社も含む)
脚注
関連項目
ナローボディ機
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「ボーイング ビジネスジェット」の記事における「ナローボディ機」の解説
最初のBBJは737-700をベースに、737-800の強化された翼やランディングギアを備えたものだった。胴体腹部に補助燃料タンクを増やすことで航続距離を延ばすことができ、タンク9基の仕様ならば航続距離は11,000kmを超えるが、運用者の多くはタンク5基の仕様にしており、その場合の航続距離は10,000kmだった。2002年、737-800をベースにしたBBJ2が発表され、このモデルはBBJよりもキャビンが25%広く、補助燃料タンク5基で同程度の航続距離を持っていた。さらに2009年、737-900をベースにしたBBJ3が提供された。アビエーション・パートナーズ(英語版)のウィングレットによって、BBJの航続距離は5%延びた。格納式の前方エアステアが標準装備になっており、飛行先の空港で搭乗橋などを使わずに乗降できる。導入当初は内装の軽量化が難しく、内装の許容重量(5.9t)を超過してしまい、スペック上の航続距離を確保できないこともあった。しかし技術革新で最近の内装は25%ほど軽くなったため、基本運航重量を守れるようになった。 マッハ0.785で飛行すると1時間あたりの燃料消費は2,190kg、マッハ0.82ならば2,600kgになる。これはより速く飛べるグローバル6000の2倍の消費量である。運航に関する変動費は1時間あたり14,000ドルかかる。検査はC整備が36ヶ月ごと、運航を4~8週間止めて行うD整備は12年ごとに行う。高度12,300mでの客室高度を2,400mから1,950mに下げることができるが、それをすると機体寿命は5万回から2万6000回へ低下する。ただし、それでも機体寿命はビジネスジェット専用機よりも多い。多くの運用者は6~8人の乗客を乗せて年に200~250時間飛行するが、企業の自家用であれば年に500~800時間飛ばすこともあるし、逆に個人所有であれば年に150~200時間になることもある。CFM56のメンテナンスサービスはエンジン1基ごとに飛行1時間あたり240~260ドルかかるが、これはロールス・ロイス BR700のコストよりは安い。エンジンの寿命は少なくとも12,000~13,000時間あり、最大で25,000~30,000時間である。フォッカーは2016年、BBJ用に幅1.5mの窓を開発した。 1999年の市場投入から20年が経ち、150機のBBJが就航しているが、これは当初想定された50機の3倍であった。超大型機は2008年の景気後退によって批判の目にさらされ、処分した企業もあった。また、政府の要人輸送に用いられているBBJもある。 BBJに続いて、エアバスも旅客機のA319、少し大きいA320、少し小さいA318をベースにしたエアバス コーポレートジェットを投入した。より小型の競合機としては、エンブラエル リネージュ 1000、ボンバルディア グローバル・エクスプレス、ガルフストリーム G550・G650がある。G650ERの運航コストが1海里あたり5.87~6.33ドルなのに対して、BBJの運航コストは1海里あたり9.57~10.13ドルである。 BBJ(まれにBBJ1とも呼ばれる):737-700を基に作られたモデルで、後の737-700ERのベースになった。BBJは最初の派生機であった。アメリカ海軍ではC-40B クリッパーと呼ばれている。 BBJ2:737-800をベースにしたモデル。 BBJ3:737-900ERをベースにしたモデル。 BBJ C:737-700Cの「素早い換装(quick change)」能力を特色とする派生機である。これはあるフライトで要人輸送に用いた後、次のフライトが貨物輸送であれば素早く内装を換装できるものである。 BBJ MAX8・MAX9:新しいCFM LEAP-1Bエンジンと、燃費を13%改善する最新のウィングレットを備えたボーイング737MAX8・9の派生機である。BBJ MAX8の航続距離は11,710kmで、BBJ MAX9は11,580kmである。BBJ MAX7は2016年10月にお披露目され、航続距離が12,960kmになる予定である。初期のBBJと比べて、キャビンと床下の貨物スペースが広くなっているが、運航コストは10%安くなる。BBJ MAX8は2018年4月16日に初飛行し、補助燃料タンク1機で12,300km飛行した。BBJ MAX8は10月中旬に初号機が引き渡された。
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