頭蓋骨と歯
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/02 02:14 UTC 版)
完全な頭蓋骨を保存したメガラプトル類の化石は発見されていないが、複数の分類群で頭蓋骨要素は知られている。アエロステオン、メガラプトル、オルコラプトル(英語版)、ムルスラプトル(英語版)は頭蓋骨の後部を構成する複数の骨が、アウストラロヴェナトルは下顎が、2014年に記載された幼体メガラプトル標本は頭頂骨断片と吻部を保存している。また歯は多くの属で発見されている。メガラプトル類の多くの復元では、頭蓋骨は長く華奢であり、また歯は小型かつ多数生え並んでいる。 メガラプトルに基づくと、吻部先端の前上顎骨は小さく、長い杖状の枝が外鼻孔上に伸びる。鼻孔自体は非常に大型で長く、初期のティラノサウルス上科(ディロングやプロケラトサウルスなど)と類似する。また、吻部にはカルカロドントサウルス科との共通点も複数見られており、上顎骨の直線状の上側縁や長方形の鼻骨が共通する。頭蓋天井の頭頂骨はティラノサウルス上科と同様に矢状稜が強固に発達する。頭蓋骨の後部は単純な形状をなしており稜や突起を持たない一方、複数の属において涙骨と後眼窩骨は凹凸を帯びる。アエロステオンとムルスラプトルの方形骨は含気化しており、ごく少数のアロサウルス上科(シンラプトルやマプサウルス)やティラノサウルス上科と共通する。歯骨はアウストラロヴェナトルのみで知られている骨であるが、当該の骨は長く、ティラノサウルス上科と同様に第I歯が他の歯と比較して小型である。下顎は全体として単一のメッケル孔を持ち、カルカロドントサウルス類やティラノサウルス科およびオルニトミムス科と共通する。しかし、ムルスラプトルで見られるように、下顎の後部はティラノサウルス上科よりも軽量な構造になっている。保存された神経頭蓋はカルカロドントサウルス類やティラノサウルス上科のものに類似する。 メガラプトルの前上顎骨歯の形態は多岐に亘るが、ティラノサウルス上科のものに類似しており、小型で、鏨型をなし、断面はD字型である。ただし、ムルスラプトルの前上顎骨は非ティラノサウルス上科獣脚類と同様に牙状である。メガラプトル類の上顎骨歯は一般に小型かつ頑強でエナメル質に被覆されているが、属間の多様性に富む。オルコラプトルやアウストラロヴェナトルおよびメガラプトルなどの属では、上顎骨歯の断面は8の字型で、鋸歯状構造を一切持たない。一方ムルスラプトルは歯の先端部前側のみに鋸歯が存在し、フクイラプトルの歯はカルカロドントサウルス類と同様に側方に薄い刃状であり、前後側の両方に鋸歯が存在する。
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頭蓋骨と歯
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/18 06:03 UTC 版)
S字型の短い頸(くび)に具わったアルバートサウルスの頭蓋骨は巨大で、成体の頭骨長は最大約1メートルである。頭蓋骨には広く孔が開いていて頭蓋骨の軽量化に寄与するとともに、筋肉や感覚器官のためのスペースが形成されていた。長い顎には両側を合計して58本以上のバナナ状の歯が並んだ。近縁なゴルゴサウルスの歯が最低62本である一方、より大型のティラノサウルス科の歯はアルバートサウルスの歯よりも少なかった。大半の獣脚類と違い、アルバートサウルスや他のティラノサウルス科恐竜は口の中の場所によって歯の形状が異なるという異歯性を示した。上顎先端に位置する前上顎骨歯は左右それぞれに4本生え、これらは他の歯より小型で、密に並び、断面はD字型をなした。ティラノサウルスと同様にアルバートサウルスの上顎骨歯は逃れようとしてもがく獲物による水平方向の運動力に耐えられる形状であった。しかし、アルバートサウルスの咬合力は格段に強いわけではなく、奥歯でも最大で3413ニュートンであった。ただし、2012年に発表された研究論文によると、アルバートサウルスの咬合力は約4万2000ニュートンであった。眼の上には骨質の突起があるが、これは、生きていた頃には鮮やかな色で交尾相手を惹き付ける繁殖用ディスプレイとして機能していた可能性もある。 ウィリアム・エイブラー(英語版)は2001年にアルバートサウルスの歯を観察し、歯の鋸歯状構造が肥大部 (ampulla) と呼ばれる丸い空洞で末端を迎える歯の割れ目に似ていると発表した。ティラノサウルス科の歯は肉を引き剥がす道具として用いられていたため、「彼らが肉を剥ぎ取る際に純粋な張力で歯全体に割れ目のような鋸歯状構造が広がった」と彼は考えた。しかし、肥大部が存在することで張力は表面全体に拡散され、歯が損傷する危険は軽減していた。空洞で終わる切れ込みは人間の工学にも共通する。ギター職人も同様の切れ込みを用いており、歯が柔軟性と剛性を交互に使って機能していたと、エイブラーは記載した。航空機産業においては、ドリルを使用して肥大部を作り、素材に亀裂が走ることを防いでいる。また、切れ込みと穴のあるプレキシグラスの棒が通常のものよりも25パーセント強度を増すことをエイブラーは実証した。ティラノサウルス科とは違い、植竜類やディメトロドンといったさらに古い時代の捕食動物は鋸歯状構造を具えてはおらず、摂食時に受ける歯のダメージを軽減する適応を示さない。
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頭蓋骨と歯
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/09 14:12 UTC 版)
この生物は、長い吻部と眼窩付近に鼻孔を持つ頭蓋骨を持っていた。その顎には、最大の特徴である細かい針状の歯が多数生えていた。これらの歯は、一本ずつ歯槽に収まっていたが、捕食するには脆弱であった。化石の保存状態が良くないことからあまり詳細な形態は判明していないが、眼窩後部に下側側頭窓が存在していたらしいということが指摘されている。しかし、これが単弓類のものと相同であるかは判明していない。
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