電力国家管理に伴う処理
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長野電気発足後、1940年代から始まった電力国家管理強化に際して、長野電気の発電所は発送電事業を全国規模で担う日本発送電および中部地区の配電事業を担う中部配電の2社へと分割継承された。 旧信濃電気の発電所に関しては、関川水系の5発電所(高沢第一・高沢第二・杉野沢・西野・清水沢)は1942年4月に関連する送電線とともに日本発送電へと出資された。これ以後、高沢第一・第二両発電所は「高沢発電所」という単一の発電所として扱われている。これらの関川水系の発電所は1951年(昭和26年)の電気事業再編成で東北電力へと引き継がれた。東北電力継承分のうち、清水沢発電所は同社の小水力発電所運転見直しの方針によって1969年(昭和44年)に廃止されており、現存しない。 その一方、信濃川水系の9発電所(鳥居川第一 - 第四と武石・横沢第一・横沢第二・畑山・樽川)は1942年4月に中部配電へと出資された。これらは続く電気事業再編成によりすべて中部配電から中部電力へと移管されている。そのうち畑山発電所は1966年(昭和41年)5月に廃止されており、これも現存しない。
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電力国家管理に伴う処理
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/11 14:27 UTC 版)
1930年代後半に入ると、政府による電気事業の管理・統制を目指すいわゆる「電力国家管理」政策が政府内で具体化されるようになり、日中戦争勃発後の1938年(昭和13年)4月、国策会社日本発送電を通じた政府による発送電事業の管理を規定する「電力管理法」と関連法3法の公布に至った。 翌1939年(昭和14年)4月1日、電力国家管理の担い手たる日本発送電株式会社が発足する。設立に際し全国の事業者から出力1万キロワット超の火力発電所と主要送電設備が現物出資の形で日本発送電へと集められており、梓川電力自体は出資対象外であるが、関連する範囲では竜島発電所と戸塚変電所を結ぶ東京電灯の甲信線が日本発送電に渡った。電気庁の資料によると、日本発送電設立後の1939年末の段階では、梓川電力が持つ霞沢発電所(この段階での出力は3万9000キロワット)と沢渡発電所はどちらも日本発送電へ全出力を供給する発電所として扱われている。 1940年代に入ると、既存電気事業者の解体と日本発送電の体制強化・配電事業の国家統制にまで踏み込んだ第二次電力国家管理政策が急速に具体化されていく。1941年(昭和16年)4月に発送電管理強化のための電力管理法施行令改正が実行され、同年8月には配電事業統合を規定する「配電統制令」の施行に至った。このうち第二次電力国家管理における日本発送電への設備出資は1941年10月1日付(第一次出資)と翌1942年(昭和17年)4月1日付(第二次出資)の2度に分割し実施された。今回の出資対象には一部の水力発電所(出力5000キロワット超の水力発電所とそれらに関連する水力発電所)も含まれており、梓川電力も1941年10月分の第一次出資における出資対象事業者に選ばれた。出資対象設備は以下の通りである。 発電設備 : 霞沢発電所・沢渡発電所 送電設備 : 沢渡連絡線(沢渡発電所 - 霞沢変電所間) 第一次出資では、これらの梓川電力の設備のほか東京電灯竜島発電所や京浜電力奈川渡発電所、霞沢変電所 - 竜島発電所間の京浜電力送電線なども出資対象に含まれている。 梓川電力に関する出資設備の評価額は1065万4002円50銭と算定された。これは第一次出資の対象27事業者中17位の金額である。この出資の対価として梓川電力には日本発送電の株式21万3080株(額面50円払込済み、払込総額1065万4000円)と端数分の現金2円50銭が交付された。日本発送電への設備出資実施から3か月後の1942年1月14日、梓川電力は臨時株主総会を開き親会社長野電気との合併ならびに合併に伴う会社解散を決議した(合併成立日は不明)。しかし合併相手の長野電気も日本発送電への設備出資や配電事業統合(中部配電への統合)の対象事業者であり、出資や梓川電力の合併を終えたのち1942年5月1日付で解散した。 太平洋戦争後の1951年(昭和26年)、電気事業再編成によって日本発送電は解体された。再編成に際し、旧梓川電力の霞沢・沢渡両発電所や周辺の竜島発電所・奈川渡発電所などは中部電力管内の長野県にありながら関東地方を管轄する東京電力へと引き継がれている。
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