要因と影響
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 16:11 UTC 版)
「17世紀の危機」の要因としては小氷期の到来により気候が寒冷化したことが、しばしば根本的なもの、ないし最大のものとして挙げられる。農作物の不作が続いて経済が停滞し、魔女狩りをはじめとする社会不安が増大した。さらにペストの流行で人口が減少に転じた。これにより、従来の封建制的なシステムは崩れ、資本制が拡大するようになる。宗教対立が激化したために、王室は財政難の打開を目的に中央集権化を進めたが、これに貴族が反発、農民も一揆を起こすようになった。 特に三十年戦争がヨーロッパにもたらした影響は大きく、ほとんどヨーロッパ中の国々が参戦・介入した。ヨーロッパのほぼ中央に位置するドイツ(神聖ローマ帝国)の土地は荒廃し、1648年には「神聖ローマ帝国の死亡診断書」とも評されるウェストファリア条約(ミュンスター条約およびオスナブリュック条約)が結ばれた。こののち、ヨーロッパでは「ウェストファリア体制」と呼ばれる勢力均衡体制が支配する世界が形成され、主権を有し、独立している国家からなる諸国家体系へと変化した。神聖ローマ帝国における諸侯は、帝国ないし皇帝に敵対しない限り外国と同盟を結ぶ権利を得、このような帝国国制をフランスとスウェーデンが保障することとなった。しかしながら、帝国を構成する諸侯の国際的地位はいまだ曖昧なままにとどめ置かれていたために、きわめて断片的な主権をもつこととなった帝国も、小規模な領邦主権を有する諸侯もこの型に合わず、有力諸侯たちは他国の君主と同等の地位に立つため、多くは帝国外の王の称号を獲得しようと努めた。17世紀後半から18世紀初頭にかけて生じたヨーロッパの戦争にかれらが積極的に参戦したのは、そのためだった。そして、留保条件付きであるとはいえ、ドイツ三百諸侯にそれぞれ同盟権があることは、神聖ローマ帝国が完全に「死に体」となってしまったことを意味していたのである。いずれにせよ、こうして成立した主権国家体制は、以後、世界規模に拡張されるとともに、21世紀に至るまで国際社会の基盤をなすに至っている。
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要因と影響
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 03:15 UTC 版)
ツーリストトラップの要因としては物価が高いことや過度の混雑などが挙げられる。さらに言葉が通じない、衛生状態が悪い、気候に馴染めないといったこともツーリストトラップになる場合がある。 ギャップの具体例としては、カメラマンが撮影した観光地の写真を見て実際に行ってみると写真とイメージが異なっている事象などがある。メディアで取り上げられた観光地のイメージが撮影用の演出であったり何日も待った上での気象条件であるにも関わらず、そこへ行けば同じ景色が見られ同じ体験ができると思い込み出向いてみると落胆を起こすような場合である。また、特にテレビ番組でタレントなどがレポーターを務め現地で優遇される映像を、訪れた全ての旅行者が追体験できるとの誤認によるトラブルも増えている。 インターネットの普及でブログやSNSなどでの旅行者個人の情報発信が増えている。それを参考にする旅行者も増えたが、記載情報の間違いも多く、個人の感性の差は見方を大きく左右させてしまう。先進国の旅行者はインターネットの口コミの情報収集を当たり前のように行っているため、いったんツーリストトラップというイメージが拡散すると評価に影響を及ぼすおそれがある。 観光業で成り立つ自治体、あるいはこれから観光でまちおこしを計画する地域では、ツーリストトラップの解消が重要となる。マスコミによる「がっかり観光地ランキング」のようなマイナス評価や、ネットを介しての口コミ・批判は瞬く間に広がり、簡単にイメージダウンを招いてしまう。観光立国を目指す日本国政府も、「明日の日本を支える観光ビジョン構想会議」(議長:安倍晋三首相)においてツーリストトラップの軽減が議論されている。
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