芸術作品における主題とは? わかりやすく解説

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芸術作品における主題

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/22 02:33 UTC 版)

ケレスとバッカスがいないとヴィーナスは凍えてしまう」の記事における「芸術作品における主題」の解説

芸術における描写通常キューピッド伴い食物飲物がない(または衣服ほとんどないことによる凍えるような寒さ」か、あるいは他の神々によって、それらがもたらされたときに快適に過ごすという、いずれかヴィーナスを示すものに分かれている。後者タイプはより一般的だが、バルトロメウス・スプランヘルピーテル・パウル・ルーベンス両方タイプ用いた画家1人である。北方マニエリストの間で人気があった別の主題神々の饗宴」のように、この主題画家たち比較あいまいな古典的典拠豊富な裸婦を描く機会組み合わせて提供することができた。主題絵画や、素描印刷登場し、しばしばこれらのメディア間や芸術家たちの間で作品コピーされた。 当初、このモチーフ描写テキストと密接に結びついており、そのほとんどがエンブレム・ブック呼ばれる寓意画を多く載せた書物の中で見出され、バルテルミー・アノー(英語版)が著した1552年の『ピクタ・ポエシス』(Picta poesis)で初め登場したオランダ詩人ラウレンティウス・ヘクタヌス(フランス語版)による1579年エンブレム・ブックミクロコスモス』(Mikrokosmos)は、ケレスバッカス立ち去るときの寒さ震えヴィーナス描写した最初の例かもしれないラテン語テキストは、性的欲求刺激するため過度大食飲酒対す警告としてこのモチーフ理解されていたことを明かにしている。 説明してくださいキュテラ坐すヴィーナスとキューピッドよ。なぜあなたはご自身の手足を温めているのですか? もしかして雄弁なイアッコスの助けがないのでしょうか? ほこりまみれケレス近くにいないのですか? 節酒君臨する場所では、有害な愛欲lust)は凍りつき、節度ある人間(curier)に対して戦争行われません。しかし強力な酩酊過剰な統治が行われる場所はどこでも、姦淫の母は冷酷な戦争始めます。 このモチーフ16世紀後半から17世紀初頭オランダ、およびプラハ神聖ローマ皇帝ルドルフ2世宮廷におけるマニエリスムの芸術家たちのサークルで特に好まれた。 独立した絵画主題としてのモチーフ初期の例は、バルトロメウス・スプランヘル1590年頃の絵画ペア、およびハンス・フォン・アーヘンの『バッカスケレスアモール』(1598年)であり、すべてルドルフ2世のために描かれた。スプランヘルの作品1597年頃に彫版師・画家のヤン・ハルメンス・ミュラー(英語版の手によってアムステルダムで版画になったヘンドリック・ホルツィウスは、ここでは非常に効果的なキャンバス上の限定され色彩ペンの珍しい技法用いた記念碑的作品を含む、少なくともこの主題10種類バージョン制作した。これはまた(おそらく)ルドルフ2世コレクションにあり、その後スウェーデンイギリスの王室コレクション渡り歩き、現在はフィラデルフィア美術館所蔵されている。同じ技法による本主に関する別の作品エルミタージュ美術館にあり、そしてそれは背景ホルツィウス自画像含んでいる。 特にホルツィウスバージョンでは、危険の含意寓意道徳的な点はまだ明らかだが、しかしモチーフは後になるにつれて個人的な節制についての狭い道徳的メッセージから遠く離れて行ったいくつかの印刷バージョン格言テキスト掲載されており、おそらくより広く人々説明する必要がある感じられたのだろう。モチーフへの言及若干作品または作品群では不明確だが、しかしこの特定のグループ結び付ける他の文脈発見できないので、3つの神の組み合わせアモール有無に関係なくそれに言及していることは少なくとも議論の余地があるホルツィウスによる2種類印刷セットは3神をそれぞれ順番示していた。ヤン・サーンレダム(英語版)によって制作されエッチングセット1つではそれぞれ崇拝者囲まれている。ヨアヒム・ウテワール晩年2つ絵画バッカスケレス半身像示しており、セット完成させるためのヴィーナス欠落していると推定される。ウテワールによる別の小さな絵画は3人の神とアモール一緒に示している。 ルーベンスはこのモチーフを、凍ていることが目にも明かな凍えるヴィーナス』、必死に火を起こそう試みアモールバージョン、そしてバッカスからのワインカップを《控えめ暖かく静かに目覚めるちょうどその瞬間Moment maßvollen Erwärmens und ruhigen Erwachens》ためらいながら受け取ヴィーナスのもう1つバージョン含め異な方法繰り返し使用したイタリア芸術家は、それが主に北方エンブレム・ブック伝統由来するためか、あるいは主題温暖な気候では共感するものが少なかったのか、めったにそれを描かなかった。例外ピエトロ・リベリによる絵画ホルツィウスによるアゴスティーノ・カラッチ印刷である。バロック期以降はもはやこのモチーフ頻繁に現れることはなかった。

※この「芸術作品における主題」の解説は、「ケレスとバッカスがいないとヴィーナスは凍えてしまう」の解説の一部です。
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