糸川家
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/03 04:52 UTC 版)
「偽りの花園 (テレビドラマ)」の記事における「糸川家」の解説
糸川丹(演:今陽子) 美琶子の実母。したたかな性格。明るく口が回り肝が据わっている。現在は新橋で料亭「今浜」を経営。芸者時代に早瀬川伯爵の妾となり美琶子を出産したが、伯爵家に娘を奪われるのを恐れ、また母乳の出も悪かったため、友人の杉枝に美琶子を預けた。 美琶子に会いに時々矢作家を訪れる。基本的に美琶子に甘いが、美琶子が常軌を逸した行動を取った際は時には顔に平手をかまして厳しく叱る。 行方不明になった美琶子の代わりに養女にした美禰子を早瀬川家伯爵の落胤と偽り、早瀬川家に送り込む。 矢作家の戸籍に調べを付け、単身「今浜」に乗り込んだ早瀬川伯爵夫人・茜に美禰子の素性を問いただされ、しらを切ろうとしたが、証拠が上がったと知ると観念し、涙ながらに謝罪、美禰子が実の娘・美琶子ではないことを認める。 美禰子を養女に迎えた当初は殺風景な部屋を与え、あくまで美琶子の替えとして利用する等冷ややかであったが、元々美禰子の人柄は認めており、美禰子を脅迫した早瀬川家の運転手・中田を非難し、それにより醜聞を起こした美禰子を体裁のために追い払おうとする婿・寛治郎に怒り「今浜」に美禰子を引き取る。後は女将業の傍ら、顕彦の娘・ひかるを身籠り一人で育てる美禰子を支え、美禰子を若女将とし共に「今浜」を切り盛りする。 ひかるの誕生以降、早瀬川家の茜とは和解し良好な関係になるが、美禰子に悪意を抱き、ことあるごとに責任を押し付けてくる栄子とは犬猿の仲。 顕彦の内妻・ユリエとして再会した美琶子の美禰子に対する数々の嫌がらせを「今浜」で共に受け、その過激さに辟易しつつ、美琶子が記憶を取り戻すべく何かと行動を起こす。 美琶子に戻ったユリエに再び実母として接し、美琶子が悪びれもなく早瀬川家で起こした悪事を打ち明けると難色を示し、「ろくな死に方をしない」と忠告した。 糸川権造(演:山田辰夫) 特高刑事、丹の夫。勘が鋭く、継子である美琶子の魔性に早くから気付き、美琶子を毛嫌いしている。一方、初対面で行儀見習いに来た美禰子の善良さも一目で見抜き、「一緒に育った美琶子とは正反対」と評する。 丹の着物が消失した際、滞在中の美琶子が実の息子・直雄を唆して質入れさせたことを見抜き、知らん顔を貫く美琶子を厳しく追求した。これにより房総に逃げ帰った美琶子が羽生に横恋慕してしまい、心中事件の遠因となる。美琶子が羽生と心中し行方不明となった後、「今浜」に引き取られた美禰子の養父となる。 顕彦が共産主義活動をしていた時期は厳しい拷問や取調べをしたが、思想転向して満州から戻った顕彦とは舅と婿の関係を築いた。 顕彦の内妻・ユリエとして現れた美琶子の美禰子に対する嫌がらせに巻き込まれ、毒入りの饅頭を食べるが幸い一命を取り止める。ユリエの過激さや言行を分析し、他の者が半信半疑である中、唯一人彼女が絶対に美琶子であると確信を抱く。 糸川直雄(演:平松豊) 丹と権造の長男。美琶子の異父弟で4歳年下。中学生の頃から浅草でエノケンやレビューガールを追い回す軟派な少年。美琶子に唆され、遊ぶ金欲しさで丹の着物を質入れしたことがあり、事情を見抜いた父に厳しく叱責されて正直に謝り、証文と金銭を両親に渡すが、共犯の美琶子を庇い、美琶子の態度に激怒した権造をさらに怒らせてしまう。 浅草の芸人になり、人気を博し始めた時期に出征する。根は優しく、出征前は美禰子の娘・ひかるの遊び相手だった。シベリア抑留を経て帰国し、離婚した継姉・美禰子に惹かれたが拒まれ、後に好い仲になった露子と結婚し「今浜」を継ぐ。 糸川ひかる(演:幼年期・遠藤真宙、少女期・寉岡萌希) 美禰子と顕彦の娘。容姿は顕彦に似ている。「今浜」で美禰子と糸川一家に育てられる。継叔父・直雄が遊び相手だったため、直雄の出征後は遊んでくれる相手がいなくなり不満を漏らす。勘が良く、肖像画に描かれた美琶子に怯えており、記憶が戻る前の美琶子が「今浜」に現れて突然声を掛け、母と自分に関する探りを入れてきた時は警戒し、一切質問に答えずに自宅に避難する。 後に記憶を取り戻した叔母・美琶子にはその後も心を許さなかったが、従兄・進一をだしに美琶子に連れ出され、誘拐・監禁される。空襲の最中に母・美禰子が「ミモザ館」に自分を奪い返しに来た際、母への嫉妬を爆破させ自棄を起こした美琶子に絞殺されそうになり、母・美禰子が美琶子を殺すところを目撃してしまう。 以後、母との関係がぎくしゃくする。昭和24年、偶然再会した従兄の進一を通し、父・顕彦とも再会する。『モナムール』のとき子(後述)と顕彦が婚約していた頃、涙ながらに母・美禰子が昭和19年に美琶子を刺殺した事を父に告白した。 美禰子と顕彦が別れた後も相思相愛であることを察しており、両親の離婚と母が罪を犯してしまった原因が叔母・美琶子に誘拐された自分のせいだと思い悩む。 美しい少女に成長し、進一と裕之の二人から恋される。最初は幼い頃から慕う進一になびくが、死を前にした裕之の想いにうたれる。彼の死後、自分が裕之に恋していたと気付き、進一に別れを告げる。女優志望。(第3,4部)
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