筑後川流域とは? わかりやすく解説

筑後川流域

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/02 04:31 UTC 版)

昭和28年西日本水害」の記事における「筑後川流域」の解説

筑後川では、上流部大分県日田郡上津江村日田市上津江町上野田にある建設省観測所5日間の総降水量が1,148.5ミリ達したのをはじめ、熊本県阿蘇郡小国町宮原で1,002.6ミリ時間雨量90.2ミリ小国町小国で994.6ミリなど本流大山川流域平均900ミリ支流玖珠川流域平均700 - 800ミリ豪雨降り注いだこのため筑後川水位は、6月25日22時に治水基準点である久留米市瀬の下観測所警戒水位の5.14メートル超え以後一時間ごとに60センチ上昇日田市では計画高水位6月26日14時時点過去最悪水位突破した6月26日以降筑後川水位8 - 9メートルまで上昇し堤防天端すれすれの状態が6月27日まで続き警戒水位下回る平常水位戻ったのは、7月2日以降になってからであった本流および支流玖珠川膨大な濁流は、日田郡夜明村日田市)から浮羽郡浮羽町うきは市)・朝倉郡杷木町朝倉市)間の夜明峡谷集まり一挙に筑紫平野流入した。この地点には、当時九州電力水力発電専用ダムである夜明ダム建設中であったが、濁流夜明ダム堤体激突九州電力水門全開して濁流からダム守ろうとしたが、濁流ダム両岸をえぐるように流れ25日夜半から翌26日午前中にダム左岸発電所取水口右岸国道386号から決壊ダム本体据えつけられた水門も3門吹き飛んだその後濁流は、1674年延宝2年)に建設され大石堰に激突し、ここで堤防決壊させ、浮羽町役場をはじめ町内すべてを水没させた。 堤防決壊させた濁流浮羽郡各所流入支流巨瀬川洪水合流し巨瀬川堤防決壊させ、さらに吉井町船越村江南村うきは市)の筑後川堤防相次いで決壊した田主丸町久留米市)では橋梁ことごとく流失町内水深1メートル以上浸水となった原鶴温泉街も完全に水没し筑後川南岸一面が海のようになった伝えられている。筑後川北岸朝倉郡でも甘木町・蜷城村朝倉村大福村朝倉市)で堤防決壊多発してほぼすべての地域浸水三井郡では、小郡町小郡市)などを除き完全に外部との交通遮断され数日間陸の孤島化した久留米市では、東櫛原町など数か所で堤防決壊し東・西・北の三方向から一挙に市内濁流流れ込んだ東櫛原町堤防では、決壊一時間前より堤防上を洪水越流しはじめたが、その様子はあたかも滝のようであった決壊した堤防から流出した久留米市内に押し寄せ国鉄久留米駅久留米大学医学部附属病院など久留米市中心部ことごとく水没させ、市内80%が浸水した水位市内中心部明治通りにある旭屋デパート(のちの久留米井筒屋)前で約1メートル、もっとも深い場所では約3メートル達した道路国道3号久留米大橋国道264号豆津橋をはじめ、小森野宮ノ陣両筑、恵宿、原大橋流失または損壊し国道3号佐賀県三養基(みやき)郡鳥栖町鳥栖市)と久留米間が完全に不通となった。特に、小森野では、補修作業行っていた作業員5人と作業見物していた住民20人を乗せたまま流される災害となった。 筑後川流域における被害は、死者147人を出したのをはじめ、堤防決壊崩落84か所、護岸崩壊38か所、道路損壊1,889か所、橋梁流失948か所などにおよび、家屋被害下表に示す通りとなった被災者数は544,060人、被害総額は約32億8,700万円現在の金額で約231億7,000万円)にも上った浸水した区域筑紫平野のほぼ全域であり、東は夜明ダム直下、西は佐賀市嘉瀬川堤防、南は矢部川堤防、北は筑紫野市宝満川流域にまでおよび、さながら有明海内陸山沿いまで海域拡大したかの様相を呈した1890年明治22年)の洪水1921年大正10年)の洪水並んで、この水害は「筑後川三大洪水」とも呼ばれている。 福岡県内における筑後川流域市郡被害状況市郡死者行方不明者負傷者全壊家屋流失家屋半壊家屋床上浸水床下浸水道路損壊橋梁損壊被災者久留米市 5 0 274 336 409 2,380 4,880 9,284 10 6 82,351 浮羽郡 7 0 965 213 162 206 3,748 2,752 11 81 42,405 朝倉郡 15 4 669 133 91 861 1,349 1,998 41 74 24,883 三井郡 8 0 1,094 384 47 812 6,717 1,190 285 86 55,737 三潴郡 2 0 1,104 29 0 122 16,675 3,925 249 183 124,132

※この「筑後川流域」の解説は、「昭和28年西日本水害」の解説の一部です。
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