社外の探偵
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/12 08:46 UTC 版)
阿比留佳則(あびる よしのり)〈46〉 阿比留綜合探偵社社長。痩せた体形、ミュージシャンのようにウェーブがかった黒髪、髭はきれいに剃っており、口もとはいつも歪んでいる。現実の世界には、刑事事件を推理で解決する名探偵など存在しないが、阿比留はあえてそのようなフィクションの探偵と混同されるようなキャラとしてテレビに登場。インテリ層からは胡散臭がられるが、大衆からは探偵の代名詞として人気を博す。過去、警察に民事絡みの情報提供を行っただけにも関わらず、あたかも警察の事件を解決した功績のように喧伝する。幼少期は内省的な性格で、父からは暴力を振るわれ、離婚した母に連れられ小学6年のころ都会に出る。高校を卒業後、職を転々とした。親睦も深めず、人間関係の薄い環境で過ごす日々を送る。やがて誰も自分を覚えていない状況ゆえ、過去を偽れると気づく。名探偵などいやしない、実在しない職種だからこそ本物に否定されることもない、との信条を持つ。自己顕示欲を満たすと同時に、地位と高収入を得るため、やらせの事件を起こしては、自分の推理で解決したように見せかける。 竹内勇樹(たけうち ゆうき) 須磨と同世代、麻布にある竹内調査事務所社長。髭をたくわえた口もとをいつも愉快そうに歪ませる。東京都調査業協会の中でも強い影響力を持つ。探偵業が非法に根差しているとの居直り度は須磨を上回る。スマ・リサーチ以外の各社での対探偵課設立を支持、自らの会社も先陣を切る。協会内各社の対探偵課の探偵たちを仕切り、紗崎玲奈の動向を見張るさまは、ヤクザの親分さながらである。玲奈によれば、監視対象の出したゴミを奪いプライバシーを探る手がかりをするのが、竹内調査事務所の常套手段であるという。玲奈には並々ならぬ関心を示し、スマ・リサーチ社を辞めた玲奈が引退の意を示しても引き止め、半ば強引に自分の会社に採用した。悪徳に違いないが、頭の回転が速く理解力にも優れている。 岐部譲司(きべ じょうじ) 関山探偵事務所に所属。複数の協力者を使ってニセの依頼をスマ・リサーチに持込み、玲奈を襲撃する。動機は当初玲奈によって関山事務所が営業停止処分を受けたことの報復かと思われたが、実際は阿比留の指示を受けていた。 藪沼信吾(やぶぬま しんご) 藪沼探偵事務所社長。「別れさせ屋」を自称しているが営業実態はなく、請求書を渡すころには何もしなくても別れる可能性が2分の1である(別れない場合は罰金を上乗せした額を返金して黙らせる)ことを悪用し詐欺行為を働く。そのことで玲奈に脅され、阿比留について情報提供をする。 霜田辰哉(しもだ たつや) 矢島探偵社に所属。阿比留の指示のもと玲奈と琴葉を襲撃する。けん引運転など多くの免許や資格を取得している。 堤暢男(つつみ のぶお) 日本調査業協会に所属しないもぐりの探偵。DV被害者の追跡やストーカー代行といった裏仕事が中心。玲奈に報酬を安くすることを引き換えに依頼人から受け取った暴行動画で脅され、依頼を受けた「死神」とも関係があると思われる性犯罪者の情報を要求される。 浅村克久(あさむら かつひさ) 本名は成川彰(なりかわ あきら)。浅村探偵社社長。脱サラして探偵業を始めるが、調査結果を小出しして長引かせながら調査費を請求するという手口を使い、大金を失った依頼人が自暴自棄になり事故死したことから玲奈に叩きのめされる。 鴨井秀一(かもい しゅういち) 依田総合探偵事務所に所属。玲奈を追跡する対探偵課の調査員であり、玲奈が契約していた隠し部屋でスタンガンを押し当てられた。兄の鴨井亮一郎は豊洲で別の探偵事務所を経営、著者の別作品『水鏡推理』主人公の水鏡瑞希を大学時代にバイトとして採用。 黒川勇介(くろかわ ゆうすけ) 嶋エージェンシーに所属。玲奈を追跡する対探偵課の調査員であり、半年前に玲奈に着手金の横領を告発されたことがある。 児玉庄治(こだま しょうじ) 竹内調査事務所に所属。玲奈を追跡する対探偵課の調査員のうち、唯一竹内の部下である。 澤柳菜々(さわやなぎ なな) 玲奈に「死神」と見られる女性探偵。27歳。岡尾ら変質者に情報を提供して咲良など複数の女性を犯罪被害に遭わせ、その後も野放図と手を組んでDV被害者の連れ戻しに加担するなど特に違法性の高い仕事を請け負っている。また、結婚詐欺の常習犯であり、彼女と結婚した男性が次々と謎の不審死を起こしている。実は「澤柳菜々」という名前と戸籍は性転換した別人から奪ったもので、野放図事件をきっかけにスマ・リサーチ社に潜入し、玲奈達を追い詰めていく。14歳で性暴力の被害に遭った上に両親に見捨てられ、その後は「姥妙」の指導のもと調査技術を学び、若干18歳で探偵としての頭角を現し始めた。 本名は市村凛(いちむら りん)。野放図事件ではDV被害者のひとりとして振る舞い、暴力男の沼園 賢治(ぬまぞの けんじ)を利用してわざと結婚してDV被害に遭い、シェルターに潜入していった。実の娘は同著者の『高校事変』シリーズに登場。 姥妙悠児(うだばえ ゆうじ) 探偵の中では伝説的でありながら悪名高き存在で、須磨に敵視されている。精神科医としての肩書を持つ。精神科医、弁護士、探偵の三者による行為療法「トリニティ構想」の論文を発表し、澤柳菜々を自称した「死神」など多数の精神障害を持つ患者に調査技術を伝授することにより患者の社会復帰をさせる計画の中心人物となるが、探偵業法の改正により計画は頓挫し、彼の指導を受けた者達はもぐりの悪徳探偵となってしまった。
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