石の上にも三年
「石の上にも三年」とは、長い間辛抱すれば事態が好転するという意味のことわざである。
「石の上にも三年」とは・「石の上にも三年」の意味
「石の上にも三年」とは、「我慢強く辛抱すればいつか必ず成功する」という意味のことわざである。江戸時代の初期は「石の上にも三年いれば温まる」であった。「石の上に3年間座り続ければ、冷たい石でも温かくなる」という意味で、そこから転じて現在の意味で使われている。「三年」という期間は例示に過ぎず、実際は長い期間を意味する。また「どんなことがあっても3年間は継続して物事に取り組むべき」という精神論として使用されるケースもあるが、誤用である。したがって新卒採用したばかりの社員や、うつ病の患者に「石の上にも三年」を投げかけても意味ないので注意が必要となる。似たようなことわざ・四字熟語に「雨垂れ石を穿つ」や「水滴石穿」がある。加えて「石の上にも三年」はことわざの中でも比較的よく知られているので、多くのイラストが作られている。「石の上にも三年」の語源・由来
「石の上にも三年」の由来は2つある。1つ目は古代インドの「バリシバ尊者」である。80歳で出家をした「バリシバ尊者」は「フダミッタ尊者」に弟子入りし、3年間石の上で座禅を続けた。その間一度も休むことなかった。長く辛い3年間の修行の末、「バリシバ尊者」は悟りを開いたことから、「石の上にも三年」という言葉ができたとされている。もう1つ目は中国禅宗の開祖であるインド人の「達磨」である。「達磨」は中国の少林寺に籠もり、9年間壁に向かって座禅を組み続けた。この座禅により手足が腐ったが、とうとう悟りを開き「面壁九年」という故事が成立した。「面壁九年」が日本に伝わり「石の上にも三年」になったとされている。「石の上にも三年」の類義語
「雨垂れ石を穿つ」とは
「軒先から落ちる雨のしずくでも、長い期間同じ場所に落ち続ければ石に穴を空けることもできる」という意味のことわざ。
「継続は力なり」とは
「小さなことを続けていけば、いずれ大きな成果につながる」という意味のことわざ。
「待てば海路の日和あり」とは
「海が荒れていても、辛抱して待てば必ず出航できる日が来る」という意味のことわざ。
「積羽舟を沈む」とは
「軽い羽でも、積もり積もれば船を沈めることができる」という意味のことわざ。
「面壁九年」とは
「達磨」が壁に向かって9年間座禅を組み、悟りを開いたことから、「1つの目的に向かって、長い期間努力し続けること」の重要性を説いた故事。
「石の上にも三年」の使い方・例文
「石の上にも三年」を用いた例文は以下の通りである。・石の上にも三年だと思って、続けてみなさい。
・彼は長い間不当な評価を受けていたが、ようやく成功した。まさに石の上にも三年である。
・石の上にも三年どころか、最近の新入社員は1年で辞めてしまう。
・石の上にも三年というが、先生は10年以上も同じ活動を続けている。
・石の上にも三年だが、20年やっても成功しないのだから諦めなさい。
・ブラックな労働環境を肯定する意味で、石の上にも三年が使われているのが現状である。
・石の上にも三年の精神で、いつ大きな仕事が来ても良いように準備だけは怠らないようにしている。
・石の上にも三年とは言うが、ただじっと待っているだけでは駄目である。
・石の上にも三年と言われているが、修業は死ぬまで続けるものだ。
・あの役者は苦労人だが、石の上にも三年といった心持ちを微塵も観客に感じさせない。
「石の上にも三年」の英訳
「石の上にも三年」を英語で直訳すると、「Three years on a stone」になる。「辛抱すれば成功する」というニュアンスを含めて英訳すると、「perseverance pays dividends」。「辛抱していれば配当金を貰える」という意味である。また「slow and steady wins the race」とも訳せる。「ゆっくりと着実に進めば、レースに勝つことができる」という意味である。石(いし)の上(うえ)にも三年(さんねん)
石の上にも三年
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/10/02 10:05 UTC 版)
石の上にも三年(いしのうえにもさんねん)は、古代インドからのことわざ。
語釈
行っている物事がつらくても、それを辛抱強く頑張ったならばやがて報われるということを意味する。冷たい石の上にでも、三年間も座り続けていたならば温まってくるということからの例えである。江戸時代の初期には「石の上にも三年いれば温まる」という形で用いられていた。いるとは座るという意味である。それが17世紀頃から温まるが省略されて用いられて、この省略された形が定着して元の形は忘れ去られた。この言葉の用法としては、新たな事柄を始める際に、ともかく三年は辛抱しようということであった。または結婚したものの離婚をして実家に帰りたいと言っている新妻に対して仲人が用いる言葉であった。ここでの三年の三とは一般的には一区切りとして意識される象徴的な数であった。三年というのは厳密な期間ではなく、新しい環境や仕事に慣れてゆとりが出てくる時期のことであった[1]。
由来
インド
2000年ほど前のインドにバリシバ尊者という人がおり、この人は80歳になってから出家をしてフダミダッタ尊者の弟子になった。そしてこのバリシバ尊者は大変な修行を行うこととなる。仏教での修行は樹の下の石の上での座禅を大切にしているため、バリシバ尊者は3年間も座禅を組んだまま横になって休むことはなかった。この甲斐があって無上の悟りを得ることができ、釈迦から数えて10代目の祖師となることができた。このバリシバ尊者は今では第十祖脇尊者として崇められている。このバリシバ尊者は幼い頃にある仙人から、この子は凡人ではなく法器になると予見されたことがあった。このバリシバ尊者のことが石の上にも三年ということわざになった[2]。
中国
中国が由来という説もある。中国禅宗の開祖とされる達磨大師というインド人の僧侶は悟りを開くために非常に厳しい修行を行ったとされ、その内容は9年間もの間、壁に向かって誰とも会話をすることなく座禅をし続けるというものであった。その忍耐の末に悟りを開くことができた。このことが石の上にも三年ということわざになったという説もある[3]。
脚注
- ^ 日本国語大辞典,ことわざを知る辞典, デジタル大辞泉,精選版. “石の上にも三年(イシノウエニモサンネン)とは? 意味や使い方”. コトバンク. 2024年9月28日閲覧。
- ^ “熊谷厄除大師 常光院~・これまでの今月のことば・~”. userweb.inets.jp. 2024年9月28日閲覧。
- ^ “誤用している人も多い!?「石の上にも三年」の正しい意味とは?”. Domani (2023年11月17日). 2024年9月28日閲覧。
石の上にも三年
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 07:36 UTC 版)
肩にある石の上にも三年のマークの石。取り外すことが可能で、握ってパンチの威力を高めたり、砥石として使用するなどの使い方がある。
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石の上にも三年
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