現状・野党共闘路線への転換
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/16 07:55 UTC 版)
「新社会党」の記事における「現状・野党共闘路線への転換」の解説
2010年(平成22年)の第22回参議院議員通常選挙では社民党と共闘し、原が社民党に移籍、比例代表から立候補した。原は選挙前に社民党幹事会で入党が了承されたが新社会党への離党届は受理されずに執行部預かりとなり、選挙後は新社会党と社民党の二重党籍となっている。原は個人得票で4位に留まり落選した。 党幹部でメディア露出も頻繁だった原を社民党に移籍させたことや、それに伴い本来規約で禁止されている多重党籍を執行部が積極的に認めていることなどについては批判もあり、2011年(平成23年)、新社会党結党以来初の中央執行委員長選挙になった。本部に批判的な江原栄昭が出馬したが落選し、松枝佳宏が当選した(選挙結果は、松枝得票率が74.7%、江原得票率が20.3%、白票3.8%、無効票1.2%で投票率は77.9%)。2012年6月、委員長の松枝と社民党党首の福島瑞穂が会談し、来る衆議院選挙と参議院選挙において社民党と選挙協力を行う旨の協定を取り交わした。同年12月の東京都知事選挙には支持候補として日本未来の党、共産党、社民党、東京・生活者ネットワークとともに前日本弁護士連合会長で新人の宇都宮健児を擁立した。 2013年(平成25年)1月の委員長選挙において、江原ら本部に批判的な党員53名が推す細川正が立候補したが、松枝(兵庫県本部推薦)が再選された(選挙結果は、松枝の得票率が81.4%、細川正の得票率が18.6%、白票が5.5%、無効票が0.2%で投票率は81.0%)。2013年参議院議員選挙では、社民党、社大党、みどりの風の候補を推薦・支持し、また無所属の山本太郎を支援した。 2014年衆議院議員選挙では社民党支持を決定した。 2015年(平成27年)も委員長選挙となり、前回に引き続き松枝と細川の一騎打ちとなったが、松枝佳宏が三選した(選挙結果は、松枝の得票率が79.7%、細川の得票率が15.9%、無効票4.4%で投票率は81.0%)。なお、中央執行委員長選挙では都道府県別の党員数は公表しているにも関わらず、投票数は明らかにしておらず、江原や細川らは批判している。 2016年参議院議員選挙では、選挙区は1人区の野党統一候補を中心に、社民党、民進党、共産党、無所属候補を推薦・支持し、比例代表は社民党を支援した。また、その直後の2016年東京都知事選挙でも野党統一候補の支持に回った。 2017年衆議院議員選挙では、衆院選では17年ぶりに公認候補擁立(兵庫9区、菊地憲之・党兵庫県本部書記長)を発表。野党共闘の枠組みに加わることを表明した。その後民進党は共闘を放棄して希望の党への合流を図ったが、共産党 と社民党 は菊地の推薦を決めた。民進党からリベラル系議員が分離する形で結成された立憲民主党は全国的には野党共闘の枠組みに参加したが、菊地の推薦は行なっていない。ただし、菊地は無所属での立候補とし、代わりに、新社会党は兵庫8区で共産党の堀内照文(前職、比例重複)を推薦、の体制で選挙を戦ったが、両者ともに落選した。 2019年3月、統一地方選挙大阪府議会議員選挙茨木市選挙区に党所属の茨木市議会議員であった山下慶喜が自由党・社民党・新社会党推薦無所属で立候補するも次点落選した。山下は2021年1月の茨木市議会議員選挙に無所属で立候補し当選。その後再び党所属議員となっている。 2021年5月、埼玉県北葛飾郡松伏町長選挙に党所属の松伏町議会議員であった鈴木勉が野党系無所属で立候補するも、保守系の現職に敗れ落選した。 同年8月、社民党、緑の党、新社会党などのリベラル・革新勢力を機軸として、さらなる立憲野党勢力の野党の連携を後押しする「共同テーブル」が設立された。共同テーブルは「いのちの安全保障確立に向けて非正規社会からの脱却を目指す」ことを理念とするネットワークとなることを目指している。呼びかけ人として佐高信、杉浦ひとみ、上原公子、室井佑月、竹信三恵子、前田朗、纐纈厚、白石孝(NPO法人官製ワーキングプア研究会理事長)、清水雅彦らが参加した。 2021年衆議院議員選挙では、新社会党としては独自候補を擁立しなかったが、各地で野党統一候補を支援している。特に新潟県では複数の選挙区で新社会党の党員が合同選対の要職に就任している。その他、大阪9区では社民党の大椿裕子を支援し、山形、高知、熊本等の地域でも活動している。各地の比例ブロックは社民党との政策協定を結び同党の候補者を推薦した。 2022年2月26日、新社会党第27回定期全国大会において岡崎宏美委員長は、同年7月の第26回参議院議員通常選挙について、2021年2月に社民党から「社民党の政党要件を利用した比例代表統一名簿での候補者擁立」の呼びかけがあったことを明らかにした。岡崎委員長は、党としてこれに応じ社民党の比例名簿に新社会党の候補者を登載する意向を示した。両党の合流については否定した。岡崎委員長は統一名簿での共闘について、新社会党の党員であることを明確にし、新社会党が独自性を維持して選挙を行うことを求めるといい、「(党中央本部執行部副委員長であった原和美が党規約に違反する形で社民党に移籍した)2010年の参院選と同様の扱いは受け入れられない」「(比例名簿の)党名変更についてはギリギリまで求め交渉を続ける」と述べた。中央本部執行部から岡崎委員長の次女の岡崎彩子(おかざきさいこ)・党兵庫県本部書記次長を擁立する方針が示されたが、一部の県本部からはこの共闘方針に異論も出された。一方、社民党は3月9日の常任幹事会において、新社会党青年女性委員会代表も兼任した岡崎彩子を社民党の比例代表候補として公認することを決定し、社民党の福島瑞穂党首による定例会見で岡崎彩子の出馬会見も行われた。この決定を報じた社民党の機関紙「社会新報」では、岡崎宏美新社会党委員長と大椿裕子社民党副党首も同席した写真が掲載された。
※この「現状・野党共闘路線への転換」の解説は、「新社会党」の解説の一部です。
「現状・野党共闘路線への転換」を含む「新社会党」の記事については、「新社会党」の概要を参照ください。
- 現状野党共闘路線への転換のページへのリンク