現状維持の原則
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/10/05 09:22 UTC 版)
会議の表決において可否同数となり議長決裁が行われる場合には現状維持的に行使されるべきであるとする原則。否決しておくことで再度審議の機会を与えることや現状打破の責任を公平の立場にあるべき議長が負うべきでない点に根拠を置いている。ただし、この原則については議長決裁権の本質について先述の議長は表決権を行使しないとする原則との関係をどのようにみるかをめぐって問題がある。日本の国会における議長決裁については日本国憲法第56条第2項に規定があるが、可否同数の場合には一定の政治的配慮が適当ではあるが、本項は議長決裁の消極的・現状維持的な行使を法的にも要求するものではないと解されている。上のように少なくとも日本においては国会の両院の議長は表決に加わらないものとされていることから、議長決裁権とは通常議長が行使しない表決権が可否同数の場合に議長決裁という形で行使されているものと解されている。このことから議長の決裁権がもともと自らの議員としての表決権であるとすれば、理論上はいずれにも自由に判断しうると解され、可否同数の場合には一定の政治的配慮が適当であるが最終的には議長の判断ないし責任に委ねたものと解されている。
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