議長決裁権の本質
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 15:27 UTC 版)
議長決裁権の本質については、議事整理権のある者には表決権とは別に決裁権が認められているとする説(二重表決権説)と議長決裁権とは議長の表決権にほかならないとみる説(そのために通常議長は表決に加わらないとみる)がある。 議事整理権のある者には表決権とは別に決裁権が認められているとする説(二重表決権説) 議長決裁権は副議長や仮議長が行使する場合もあり、この説の解釈では議事整理を行う者であれば表決権の上にさらに決裁権が付与されることになるが、これは不確定の授権であり重大な疑義があると疑問視されている。 議長決裁権とは議長が議員の立場で持つ表決権にほかならないとみる説 通常は行使されない議長の表決権が可否同数の場合に議長決裁権という形で行使されているとみる。この説は議事の議決前に自己の意思を表決で示すことは公平無私が要求される議長職の性質からみて妥当でないこと等々の点から、議長は通常は表決権を行使せず決裁権のみを行使することが妥当であるとされる点を根拠とする。実際、日本の国会の両院議長や委員会の委員長、地方公共団体の議会の議長は表決に加わっておらず本説と合致する(国会の両院の議長は表決に加わらない(昭和53年衆議院先例集308、昭和53年参議院先例録59)。委員会の委員長も表決権を行使していない。旧帝国議会の議長も通常の表決には加わらないのが例であった。地方公共団体の議会の議長も議長決裁権を行使しうる場合には議決に加わる権利を有しないとされる(地方自治法第116条第2項))。
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