独自の論考とは? わかりやすく解説

独自の論考

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/13 05:23 UTC 版)

アフロディシアスのアレクサンドロス」の記事における「独自の論考」の解説

注釈書ではないアレクサンドロスの独自の論考もいくつか現存している。次の作品がそうである: 『霊魂論』、『問題解決』、『倫理的諸問題』、『運命について』、『混合成長について』。彼に帰せられているもののうち以下の三作品は偽書とされる: 『医学問題集』、『自然学諸問題』、『熱について』。アレクサンドロスその他の作品中にはアラビア語訳で保存されているものがある: 『宇宙の諸原理について』、『神意について』、『運動に関するガレノス論駁』。 『霊魂論』(『魂について』、羅: De anima)はアリストテレスの同題の書物注釈書ではないものの、アリストテレス流れにそって書かれ霊魂に関する論考である。アレクサンドロスは、人間未発達理性物質的(nous hulikos)であり肉体不可分だと強く主張した。彼は魂が不朽だという説に対して強く反論したのである。彼は、その作用によって人間の中の潜在的な知性活動するところの活動する知性(nous poietikos)を神とみなした第二著書は『「霊魂論補遺』(Mantissa)として知られている。本書25分かれたシリーズになっており、そのうち最初5巻心理学扱っている。残り20巻自然学倫理学問題扱っており、その中で最も大きく取り上げられているのは視覚と光の問題で、最後四巻では運命神意について扱っている。本書は現在残っているような形ではアレクサンドロス書いたものではないかしれないが、それでも多く部分彼に帰されている。 『問題解決』(羅:Quaestiones)は三巻からなり、『自然的な問い問題解決』と題されてはいるが扱われているのは必ずしも自然的でも問題になるようなことでもない。この三巻の書には全部69の項目が設けられており、そのうち24項目で自然学を、17項目で心理学を、11項目で論理学形而上学を、6項目で運命神意問題扱っている。このうち全てアレクサンドロス書いたというわけではないと考えられており、いくつか彼の弟子による練習問題可能性があるが、他のいくつかアレクサンドロス自身による解答であると考えられている。 『倫理的諸問題』は伝統的には『問題解決』の第4巻として扱われてきた。本書アリストテレス基づいた倫理的問題に関する議論という形をとっており、アレクサンドロス講義の中で生まれた質問問題対す回答含んでいる。本書アレクサンドロス自身書いたではなく、むしろ彼の弟子アレクサンドロス参加した議論基づいて書いたのだと考えられている。 『運命について』はストア派決定論的教義反駁し論考である。『運命について』でアレクサンドロス三つのこと- 必然性(ギリシア語: ἀνάγκη)、ストア派が神・自然とみなしたものの一部である運命づけられた出来事予言、あらかじめ定められている(ギリシア語: προκαταβεβλημένος)つまり過去によってあらかじめ運命づけられている(ギリシア語: προηγουμένος)原因結果という意味での運命論―を否定した。彼は我々が今日自由意志呼んでいる倫理的能力擁護した。 『混合成長について』では物体混合という話題取り扱っている。本書ストア派自然学議論(あるいは論争)を拡張したのである同時に当時アリストテレス思想解説したものでもある。 『宇宙の諸原理について』はアラビア語保存されてきた作品である。この論考現存するギリシア語文献では言及されていないイスラーム世界では高い知名度保っており、数多く写本残っている。本書主な目的アリストテレス宇宙論形而上学概説を行うことだが、論争的な雰囲気強く逍遥学派内の敵対するに対して向けられていた可能性がある。アレクサンドロスアリストテレス哲学体系内の溝を埋めることと矛盾解決することに関心があったが、物理的世界倫理的世界両方統一した図を示すことにも関心があった。本書扱われている話題普遍的な天上界生滅繰り返す地上との関係、それに天上運動の性質である。彼の主要な典拠は『自然学』(第7巻)『形而上学』 (第12巻)、偽アリストテレスの『宇宙論』である。 『神意について』はアラビア語訳で二種類現存している。この論考においてアレクサンドロスは、神の摂理世界あらゆる面に及んでいるというストア派見解反論している; この説は神を無価値なものに貶めると彼は考えていたのである代わりに摂理とは天から発して地上至ったであって地上のものを、それぞれの生物直接かかわることなく生じさせたり滅したりする能力があると彼は考えた

※この「独自の論考」の解説は、「アフロディシアスのアレクサンドロス」の解説の一部です。
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