正午の茶事の懐石とは? わかりやすく解説

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正午の茶事の懐石

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/05 02:51 UTC 版)

懐石」の記事における「正午の茶事の懐石」の解説

正午の茶事の懐石を想定して流れ説明する。なお、流派等によって若干違いがある。 飯、汁、向付 飯碗、汁碗、向付乗せた折敷(おしき、脚のない膳)を亭主自ら運び、客に手渡す。客側から見て、膳の手前左に飯椀手前右に汁椀、奥に向付置かれ手前利休箸両端細くなった杉箸)を添える。箸置用いず、箸は折敷の縁に乗せかけてある。飯椀汁椀塗り物蓋付き向付陶器製の皿を用いるのが普通である。飯椀には炊きたて柔らかい飯を少量盛り汁椀味噌汁も具が頭を出す程度控えめの量にする。向付一汁三菜の1目に当たるもので、お造り刺身)などを盛る。飯は裏千家では一文字に形を整え表千家ではふっくらと盛る。表千家では、飯は一口程度残し後で出される湯漬け後述)のためにとっておく。汁は全部吸い切り、向付後ほど酒が出されてから手を付けるのがマナーとされている。 酒 客が汁を飲み切った頃合見て亭主銚子(または燗鍋)と盃台(客の人数分の盃が乗っている)を運び、客に酒を注ぐ。客はここで向付の肴に手を付ける。酒は懐石の中で3回ほど出される煮物 1献目の酒が出された後、一汁三菜の2目に当たる煮物碗が出される煮物椀飯椀汁椀よりやや大きめ蓋付き用いる。煮物懐石メイン相当する料理であり、しんじょ、麩、湯葉野菜などを色取りよく盛りすまし汁仕立てにすることが多い。煮物の前か後に飯次(飯器)が出される人数分の飯が入っており、客は各自飯椀にお替りの飯を付ける。また、亭主から汁替え勧められ味噌汁のお替り運ばれる焼物 焼物一汁三菜の3目に当たる。煮物椀が客一人一人配られるのに対し焼物大きめの鉢に盛った料理焼魚など)を取り回す取り箸青竹白竹製で中節の取り箸用いる。客は鉢からめいめいの食べる分を取り箸取り分け向付煮物碗のに取る。なお、焼物重箱(引重)で出す場合もあり、その場合は重箱の下の段に焼物上の段に香の物入れる。このあたりで2度目の飯次が出され2度目汁替え勧められるが、汁替えは客の方で断るのが通例となっている。また、煮物の後か焼物の後に亭主がふたたび銚子持ち出し、2献目の酒が勧められる。酒は客同士注ぎ合う。 預け鉢 現代茶事では、一汁三菜加え預け鉢」あるいは「進め鉢」と称して、もう1品、炊き合わせなどの料理出されることが普通である。これも焼物同様に大きめの鉢に盛り合わせた料理天節(止節、節が持ち手の端にあるもの)の取り箸取り分ける。なお、流派によっては「強肴しいざかな)」と称する場合もある。 吸物 客(末客)は、空いた鉢、銚子、飯次などを給仕口の手前に返す亭主頃合い見て吸物椀を運ぶ。これは食事最後に出される小さめ吸物で、味付けはごく薄く、「箸洗い」「すすぎ汁」とも称する以後盃事となる。なお、吸物椀後ほど酒の肴を受けるために使用する八寸 八寸(約25cm)四方素木角盆(これを八寸という)に、酒の肴となる珍味を2品(3品のこともある)、品よく盛り合わせる。2品の場合は、1つ海の幸ならもう1品は山の幸というように、変化をつけるのがならわしである。亭主正客の盃に酒を注ぎ八寸盛った肴を正客吸物椀を器として取り分ける(両細の取り箸用いられそれぞれの端が酒肴によって使い分けられる)。酒と肴が末客まで行き渡ったところで、亭主正客ところへ戻り、「お流れを」と言って自分も盃を所望するその後亭主と客が1つの盃で酒を注ぎ合う。亭主正客の盃を拝借するのが通例である。正客自分の盃を懐紙清め亭主はその盃を受け取り、そこに次客が酒を注ぐ。その次は、同じ盃を次客に渡し亭主が次客に酒を注ぐ。以下、末客亭主に、亭主末客に酒を注ぎ合った後、亭主正客に盃を返し、ふたたび酒を注ぐ。このように、盃が正客から亭主亭主から次客、次客から亭主、と回ることから、これを「千鳥の盃」と称する。 客が上戸場合は、さらに「強肴」(しいざかな)と称される珍味出される場合もある(強肴は「預け鉢」の前後出される場合もあり、「預け鉢そのものを「強肴」と称する流派もある)。 湯と香の物 納盃した後、湯桶(湯斗、湯次)と香の物出される湯桶には湯と共に湯の子」が入っている。湯の子は飯の「おこげ」が本来だが、炒り米等で代用することもある。添えられ湯の子すくい(柄杓)で湯の子取って飯椀汁椀入れた後、両碗に湯を注ぎ飯椀少量残していた飯湯漬けをする。最後は湯を全部飲み切り、器を懐紙清めて亭主返す。これは禅寺食事作法取り入れたのである菓子甘味食事の後に菓子出される菓子縁高ふちだか)と称する重箱入っており、黒文字称する木製楊枝添えられている。縁高は客の人数重ねられ、1段に1個の菓子入っている。正客縁高の一番下の段を残し残りを次客に送る(次客も同様にする)。菓子懐紙取り黒文字使って食する

※この「正午の茶事の懐石」の解説は、「懐石」の解説の一部です。
「正午の茶事の懐石」を含む「懐石」の記事については、「懐石」の概要を参照ください。

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