昭和13年制式
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「軍服 (大日本帝国陸軍)」の記事における「昭和13年制式」の解説
侍従武官長たる陸軍大将。銀色の侍従武官飾緒を佩用した1939年5月頃の畑俊六 陸軍大将。特に青年将校が好んだ襟の開きが小さく立襟に近い仕立て。東條英機 陸軍大将。同左 陸軍大将。左掲写真の冬衣とは仕立てが異なる別の服。東條英機 陸軍大将。山下奉文 陸軍大将。小磯国昭 陸軍中将。栗林忠道 陸軍中将。朝香宮鳩彦王 陸軍中将。土肥原賢二 陸軍中将。安藤利吉 陸軍中将。松井太久郎 陸軍少将。堀井富太郎 陸軍少将。佐々木登 陸軍大佐。山崎保代 陸軍大佐。一木清直 陸軍大佐。堀場一雄 陸軍軍医大佐。松本秀治 陸軍中佐。八原博通 陸軍少佐。竹田宮恒徳王 陸軍少佐。李鍝 陸軍少尉(連隊旗手) 陸軍兵長。冬衣、尾上松緑 (2代目) 陸軍二等兵。夏衣、池部良 陸軍二等兵。夏衣、襟章横に隊号章を佩用。水木しげる 陸軍二等兵。綿製冬衣(代用衣・代用冬衣)、襟章横に隊号章を佩用 夏衣と戦車帽・運転用手袋を着用した将兵(機甲兵) 夏衣を着用した兵 夏衣ないし防暑衣を着用した兵 綿製冬衣を着用した完全軍装の兵。小銃は九九式短小銃の初期型を携行 1938年(皇紀2598年)の昭和13年制式および九八式は、「昭和13年勅令第392号 陸軍服制改正」に基づく大規模な改正である。 立襟を廃し、将校准士官の冬衣(軍衣より改称)・夏衣は立折襟に(基本的に襟の全高は旧制式の立襟と変わらず、立襟を台襟とし折襟を付しまた2個ホックが標準)、下士官兵の冬衣・夏衣には1個ホックの平折襟に近い立折襟を採用した。また、下士官兵の冬衣・夏衣では旧制式では存在しなかった腰物入が設けられている。 旧制式の立襟は体裁は良いものの首元はどうしても窮屈になり、特に動作の際には不適当な形状であった(立襟の窮屈さを緩和するために襟を低くすると見栄えは悪くなり、第1釦をはずしての開襟着用は美観を大きく損なう)。そのため、立襟の廃止・折襟ないし開襟の採用は戦間期当時すでに世界的な流れであり、かつ折襟は襟部の体裁を保持しつつも(旧制式の立襟部分に相当する)台襟を低くでき、開襟着用も可能であるなど実用性が高い優れた形状であった。なお、帝国陸軍において、折襟は1930年制式の防暑衣(昭和5年制式)において既に採用されている形状である。また、立襟の旧制式における兵科部の定色絨からなる大型の襟章と主に緋色絨からなる肩章は、折襟の新制式と同時に共に小型化され前者は胸章、後者は襟章となり戦場での擬装効果を向上させている。 台襟の高さが極めて低く折襟と事実上一体化している下士官兵と異なり 将校准士官は容儀を重んじるため台襟は高いまま折襟を付した形状が一般的となる。将校准士官の軍服は仕立てに自由が利くため、台襟および折襟の高さは嗜好や体格によって調整可能であり、台折ともに高く長くした物(青年将校文化)のみならず、低く短く1個ホックで下士官兵の立折襟(平折襟)に近い物も存在する。 左より陸軍少将(新制式、李王垠)、陸軍騎兵大尉(新制式、李鍵公)、陸軍砲兵中尉(旧制式、李鍝公)。1938年 旧制式の立襟軍衣と新制式の折襟冬衣の混在(将尉官)。1939年 戦地における旧制式と新制式の混在 旧制式の立襟軍衣を着用した陸軍大佐。襟章がないため、1940年以降の撮影である事が分かる。水上源蔵 旧制式の外套を着用した陸軍大佐(中央)。1942年12月当時の小野寺信 夏衣、開襟背広型の防暑衣、昭和17年制式の防暑衣、旧制式の立襟夏衣の混在(将佐尉官)。1943年 立襟から折襟への改正によって帝国陸軍の軍服の体裁が大きく様変わりしたことによって、階級にかかわらず一部の古参軍人には旧制式への愛着や生地質の良さから、旧制式を好んで着用した者も居り、これは第二次大戦敗戦時まで見受けられた。また、新制式(折襟)と旧制式(立襟)の併用は認められている。 将校准士官の冬衣・夏衣では旧制式の立襟を新制式の折襟に改造することが推奨されており、その際は新しく折襟部分の生地を前身頃の裏地から取り、立襟に付けるといった工程が踏まれた。 戦間期にはアメリカ陸軍とイギリス陸軍が戦闘服と勤務服を別に採用していたのに対し、帝国陸軍はドイツ陸軍・フランス陸軍・イタリア陸軍・ソ連赤軍ともどもこれに追随することはなかった。 この軍装が使用された主な戦争・事変は次の通りである。 日中戦争中後期(1937年-) ノモンハン事件(1939年5月-同年9月) 太平洋戦争(大東亜戦争)(1941年(昭和16年)12月8日-)
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