勤務服
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/23 19:18 UTC 版)
「制服 (ナチス突撃隊)」の記事における「勤務服」の解説
ナチ党の権力掌握後、突撃隊幕僚長エルンスト・レームは突撃隊を正規の軍隊として見せるために、制服の改定にあたり、勤務服(Dienstrock)が新たに導入された。 この制服も褐色を基調としていたが、シャツ型とは異なり、スーツ型の制服として裁断されていた。勤務服の裁断は党の勤務服と同様で、プリーツつきの胸ポケットがつき、腰ポケットは貼り付け型でプリーツが存在しなかった。配色については、党員用の勤務服とは異なり、褐色の色合いが強調されており、暗い赤茶色に近かったが、党員用勤務服と同様の配色も存在した。その他、外出用の勤務服が存在しており、こちらは腰ポケットが切り込み型となっており、親衛隊の勤務服に似た裁断となっていた。 一般的に勤務服の下着には、褐色のシャツ(褐色シャツ型の制服とは異なる)とネクタイを用い、礼装や外出時には白色のシャツを用いることがあった。外出時および勤務時には、それまでと同様ショルダーベルトと腰ベルトを用いた。 また、突撃隊水上部隊(SA-Marine)などの組織では、海軍の軍服を模した勤務服を用いており、独自の航海記章が存在した。 第二次世界大戦の勃発後、新たにウール製の勤務服が用いられた。この勤務服はそれまでの勤務服と併用して用いられ、一般的に外出時、或いは戦時の防災時に用いられた。材質は物資の不足などもあって、陸軍の一般兵用の野戦服と変わりなかった。後にこの勤務服は、突撃隊防衛隊(SA-Wehrmannschaft)の勤務服として定着している。 また、高官などはウールと綿を混紡した上質のものをそれまでの勤務服と同様、独自に仕立てており、見た目も一般のものとは異なり裁断が整っていた。 裁断は外出用と同様、腰ポケットが切り込み型となっており、SA防衛隊の野戦服では襟元が陸軍の野戦服と同様、詰め襟となっており第一ボタンがついた。 なお、勤務服の導入後もシャツ型の制服は用いられ続けた。 外出用の勤務服 勤務服の下着として着用される褐色のカラーシャツ ネクタイ ウール型の乗馬ズボン スーツ型の勤務服(右)とシャツ型の勤務服(左) 戦時型外出用勤務服(右)とSA防衛隊の野戦服(左) 夏期用の外出着(右)と水上部隊の勤務服(左) 勤務服姿のエルンスト・レーム(中央) 勤務服姿のヴォルフ=ハインリヒ・フォン・ヘルドルフ(左)とヴァルター・シュミット(右) 勤務服を着用するSA連隊指導者(左) 勤務服を着用するノイルピーン第24連隊のSA隊員(1932年8月) 国民突撃隊の入隊受付にあたる地方党員。手前左より地方政治指導者、腰ポケットが切り込み型の外出用勤務服姿のSA中隊指導者、国家社会主義自動車軍団班指導者(1944年) 突撃隊水上部隊の制服(1942年頃)
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