旧在籍車両
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キハ1000形(1001・1002、2両) 鹿島臨港線で旅客営業を行っていた際に使用された気動車である。国鉄キハ10形気動車を1978年(昭和53年)に譲り受けたもの。塗装は赤を基調に白帯を巻いたデザインであった。同線の旅客営業廃止後の1984年(昭和59年)に廃車された。1両が千葉県香取市内に静態保存されている。 2000形(2001 - 2004、4両) 大洗鹿島線開業時に広島地区で使用していた国鉄キハ20形気動車を譲り受けたもの。投入に際して前照灯・尾灯が角型シールドビームに交換、6000形と併結運転を行うため貫通路の床面と開き戸部を70mm上部に移動したため、国鉄在籍時とは外観が変わっている。塗装は6000形に準じたものとされた。照明は種車のものをそのまま使用し、蛍光灯の車両と白熱灯の車両があった。また車内の更新・トイレへの汚物処理装置設置などの改造が2001 - 2003が国鉄大宮工場(現・大宮総合車両センター)で、2004が森工業で行われた。冷房装置を搭載しなかったため6000形の増備にともなって運用から外れ、1989年(平成元年)から1991年(平成3年)にかけて全車が茨城交通(現・ひたちなか海浜鉄道)に譲渡されたが、2006年(平成18年)までに全廃となった。うち1両が国鉄時代の首都圏色に復元されて那珂湊駅構内に現存する。 譲渡後、茨城交通キハ201形となった2000形(塗装変更後) 廃車後、首都圏色になった2000形 7000形(7001・7002、合計2両) 1992年(平成4年)に日本車輌製造で製造された2両編成の片運転台式気動車である。東海村への原子力発電所建設の見返りとして茨城県へ交付された電源移出県等交付金を財源として1編成のみが製造され、茨城県が所有していた。 鹿島神宮寄りが7001、水戸寄りが7002である。車内はリクライニング機構を備えたクロスシートにカーペット敷きのハイグレード車である。座席は通路よりも一段高く設置される「セミハイデッキ構造」となっている。運転台後方に展望ラウンジがあり、運転台とは大型のガラスで仕切られ、側窓も大型のものになっており、開放感のあるスペースとなっている。ラウンジ内の座席はロングシートのように、レール方向に3人掛けのソファーが向かい合わされて設置されている。客室内デッキ側仕切りにはテレビが埋め込まれ、カラオケおよび衛星放送受信設備を備えている。指定席での運用を考慮してか座席には番号が振られ、展望ラウンジの座席にも番号が振られている。7001の後位には車いす用のスペースが確保されている。水戸方先頭車のデッキには洗面台と男性用トイレ・洋式トイレが設置され、洋式トイレには車いすでの利用を視野に入れ、手すりが付いている。洗面台は蛇口をひねって水を出すタイプである。定員は7001が44名、トイレを備える7002が42名。走り装置は6000形と同一であるため、車両重量の大きい本形式の方が走行性能は低い。最高運転速度は90km/hであるが、運転席のメーターには120km/hまで表示がある。 快速「マリンライナーはまなす」として運転されていたが、1998年(平成10年)にそれが廃止されてからは定期運用はなく、毎年6月のアヤメの開花時期に合わせて運転される、水戸駅からJR鹿島線の潮来駅までの臨時列車や、正月三が日の多客輸送の際に臨時列車として運行される程度であった。なお、2008年(平成20年)8月1日から20日までは、水戸 - 大洗間の定期列車にも充当されていた。 2010年(平成22年)3月以降は検査切れ状態で神栖駅構内に留置されていたが、2015年(平成27年)10月に廃車となって個人へ売却され、茨城県筑西市のザ・ヒロサワ・シティで静態保存されている。
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