日本の寿司とは? わかりやすく解説

日本の寿司

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 06:05 UTC 版)

寿司」の記事における「日本の寿司」の解説

1千年上の歴史があり、既に奈良時代存在知られる平安時代の『延喜式』(927年)「主計寮式」には諸国からの貢納品が記されており、の語を多く見出だすことができる。九州北部四国北部近畿中部地区多く関東以北には見られないのが特徴的(または肉)を塩と飯で漬け込み熟成させるなれずし」であると考えられている。 平安時代『今昔物語集』にも記述がある。 「売りの女が酔いつぶれて売り物鮨桶中に嘔吐してしまったので、あわててかき混ぜごまかした」 「三条中納言朝成肥満悩み医師減量法を尋ねたところ、『夏は水漬け飯、冬は湯漬け飯召しあがればよい』と教えられた。そこで瓜の漬物をおかずに湯漬け飯食べたが、食べる量があまりにも多いので結局痩せなかった」 これらの記述から、平安時代は「嘔吐物混ぜても気が付かないほど、臭いが強い」いわゆるなれずし」であり、「をおかずに湯漬け飯食べた」ことから、飯部分除去して食されていたことがうかがえる鎌倉時代になると『沙石集』に記述されているように残り物加工品として登場し米食一般庶民浸透する室町時代になって登場したナマナレ」によって、飯を一緒に食する習慣生まれたようである。 篠田統は、室町時代の『蜷川親元日記』(1465年-1485年)に見る「生成ナマナレ)」という言葉を、発酵十分でないの意味であると理解して、これは、「漬け床」の飯も共に食べるものであるとした。また、吉野曻雄は、鎌倉時代から室町時代諸記録日記にみえる)は「生成」であるとし、日比野光敏は、「ナマナレ生成)」の特質は、醗酵期間の短縮だけではなく飯の食用にあり、室町時代にはこれが主流となるとしたうえで、飯を食べないものを「ホンナレ」と称して区別した。この変化蒸して強飯として食べられていた米を、炊いて柔らかい姫飯として食べようになった食生活の変化生み出したとされるしかしながら室町時代以降に「なれずし」の発酵期間が短縮されまた、漬け床」の飯も食用とされたということ史料確認することはできない櫻井信也によれば奈良平安時代以来室町時代から織豊時代かけても)の多く占めるのはの「なれずし」であるが、各時代などの同じ種類)の「飯漬け」期間を比較して、その期間の「短縮」が証明されていたわけではない奈良平安時代においても、食材の種類や「飯漬け」の時季により、醱酵度合いには差があり、数日間発酵のものもあれば、1 - 2か月のものもあるとされる従来の見解は、数箇月間上の「飯漬け」を行う現在[いつ?]の滋賀県の「ふなずし」を奈良時代以来の「なれずし」、これよりも「飯漬け」期間が遙かに短い和歌山県の「なれずし」などを「生成」であるとする理解から導き出されたものであるという。そして、「生成)」とは、十分な熟成経ない半熟)ではあるが、飯を共に食するというものではなく敢えて半熟状態のものを試みに賞翫するというもので、「鮒鮨鮒鮓)」に限られていることから、これは「鮒鮨鮒鮓)」の食方を意味する言葉であり、室町時代以降それまでの「なれずし」が「生成」になるという篠田統以来従来理解誤りであるとしている。また、酢を調味料として食することに特徴があり、寿司に酢を用い契機となったとされる櫻井の説が正しいとすると、「ホンナレ」と「ナマナレ」という区別改められなければならないことになる。 時代が下るとともに酒や酒粕、糀を使用したりと、寿司発酵早めるため様々な方法用いられ即製化に向かう。そして1600年代からは酢を用いた例が散見されるうになる岡本保孝著『難波江』に、「松本善甫という医者延宝年間1673年-1680年)に酢を用いたすしを発明し、それを松本ずしという」とあるが、日比野光敏によれば松本ずし」に関する資料は他になく、延宝以前料理書にも酢を使った寿司があるゆえ「発明者であるとは考えられない」としている。誰が発明したかはともかく、寿司に酢が使われ、酢の醸造技術進んできて、いよいよ発酵待たずに酢で酸味得て食する寿司早寿司」が誕生することになる。

※この「日本の寿司」の解説は、「寿司」の解説の一部です。
「日本の寿司」を含む「寿司」の記事については、「寿司」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「日本の寿司」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「日本の寿司」の関連用語

日本の寿司のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



日本の寿司のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの寿司 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS