挙兵の準備と目的とは? わかりやすく解説

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挙兵の準備と目的

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/07 14:22 UTC 版)

楠木正行」の記事における「挙兵の準備と目的」の解説

正行いつごろから北朝対す戦闘準備始めたのか正確に不明である。某年4月24日吉野殿の兵糧について、正行金剛寺宛てた書状存在するが(土橋兵衛旧蔵文書『思文閣古書資料目録202)、肝心年次記載されていない。 やがて、正行正平2年/貞和3年1347年)に挙兵することになる。正行挙兵し理由について、軍記物語『太平記』流布本25藤井寺合戦の事」では父の十三回忌だからとなっているが、史実では父の死から数え12年しか経っていない。藤田精一生駒孝臣正行主戦派とする『太平記』見解に立ち、雌伏の時過ごした上での満を持した挙兵であったとするが、 なぜ特にこの時期なければならなかったのか、 なぜ河内守となって7年間も一切軍事行動に(少なくとも表向きは)関わっていなかったのに突然具体的な攻勢出たのか、 なぜ北朝比べ圧倒的に軍事力に劣る南朝から攻撃仕掛けたのか、どのような全体構想元に戦いをしていたのか、 といった点には言及していない。 一方正行和平派説を唱える岡野友彦の論では以下のようになる興国5年/康永3年1344年春に吉野帰還した北畠親房は、まず和平派影響力取り除くことにしばらくの時間費やした。そして、南朝事実上指導者となった親房は、幕府勝利するための計画練り、「失敗許されない最後勝負」の準備整ったのが正平2年/貞和3年1347年)という時期である。 そして、正行は本来は和平派であるが、一武としての立場上は従一位准大臣である親房の決定に従う他はなく、強制的に足利方と戦わざるを得なかったのではないか、とする。 また、この後に続く正行一連の戦い全体構想については、当時室町幕府実質的な最高権力者である足利直義尊氏の弟)と尊氏片腕である執事高師直との間で対立関係発生していたことに着目する岡野によれば、親房は、この亀裂に外から一突き加えれば、やがて幕府内部抗争起こして自壊するに違いない、と計画したではないかという。 最後直義師直対立関係については、亀田俊和主張によれば師直後醍醐天皇の諸改革を範とする革新派政治家で、後醍醐作り上げた雑訴決断所法制度を元に執事施行状という、恩賞土地)の宛行給付)に強制執行力を付加した文書制度考案したという。その反対に直義は、鎌倉執権北条義時北条泰時(『御成敗式目』の制定者)の治世理想とする保守派政治家であり、師直新し文書形式を好まなかったのだという。対立関係表面化した具体的な事例一つとして亀田は「仁政方」という機関師直本拠ではないか推測し興国2年/暦応4年1341年10月3日室町幕府追加法第七条によって、仁政方沙汰付強制執行権限が、直義本拠である引付方接収されたことを挙げている。しかもなお、師直直義決定無視して執事施行状発給し続けた。 そして、親房は当時東国いながらにして京都にいる直義師直の間の不和情報つかんでいた。岡野はその史証として、親房が常陸国茨城県)にいたころ、興国4年/康永2(1343年7月3日結城親朝宛てた書状に「京都凶徒作法以ての外聞こえ候、直義師直不和、すでに相克に及ぶと云々」(『相楽結城文書』)とあることを指摘する

※この「挙兵の準備と目的」の解説は、「楠木正行」の解説の一部です。
「挙兵の準備と目的」を含む「楠木正行」の記事については、「楠木正行」の概要を参照ください。

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