建設着手、2009年開場へ
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「MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島」の記事における「建設着手、2009年開場へ」の解説
上記のような厳しい見方があった中、2006年8月になって駅東町地区インフラ整備として(新球場予定地も含めた)排水路工事が始まったほか、同年9月には設計を対象としたコンペが新たに実施され、最優秀案として東京辰巳国際水泳場や兵庫県立但馬ドームなどを設計した、建築家の仙田満が率いている環境デザイン研究所(東京都港区)の作品が選ばれた。 広島市は2006年10月26日、この最優秀案を元にした基本・実施設計契約を環境デザイン研究所と締結、同社はファンや選手から寄せられた意見を採り入れつつ、2007年2月に基本設計、同年7月には実施設計を取りまとめた。 また、2007年5月に発表された事業計画によれば、新球場の本体建設費(90億円)及び土地取得費(54.75億円)を合わせた整備費144.75億円の内、11.54億円については前述の「たる募金」等寄付金(1.26億円)や国土交通省のまちづくり交付金(7.08億円)、下水道国庫補助金等(3.2億円。土地取得費に充当)にて賄うこととされた。残り133.21億円を全て使用料収入で補うこととすると年間使用料は維持費2.3億円を含め8.85億円となるが、実際の年間使用料を6.57億円とし、維持費を除いた年間4.27億円を用地取得費の残額(51.55億円)と建設費の一部(35.66億円)に充当する計画である。 広島球団は球場使用料として現市民球場に年間5億6000万円を支払っているが、これが新球場では1900万円増額された5億7900万円となる(この負担増については「より快適な環境を提供するため」とされ、広島球団からも異議は出ていない)。残る7800万円の年間使用料の負担については、従来のアマチュア・マスメディアからの使用料徴収とされている。 こうした要因を加えると残る実質負担額は46億円となり、2007年6月4日、広島市・広島県・地元経済界の3者で、広島市が23億、広島県と地元経済界が11億5000万円(うちマツダ、中国電力、広島銀行の3社で半額程度)ずつを負担することで合意した。これらの財源として、広島県・広島市は負担分のうち20億円分を充当するため、両者が共同でミニ公募債「新広島市民球場債」を発行、購入希望者を募集したところ、締め切りとなる2008年10月15日までに個人と法人合わせて1万2272件、予定額の3倍以上に上る66億2220万円の応募があったため、急遽同年10月17日に購入者を決める抽選会が行われた。また、地元経済界の負担分とされた11億5000万円については、広島商工会議所等が中心となって各企業から寄付を募った結果、期限の2008年3月末までに目標額を大幅に上回る16億円超が集まった。この目標を超えた部分の金額の使途については、経済界と広島市との間で寄付の趣旨等を踏まえた上で協議が行われ、その結果、新たに球場北側を走るJR車窓に向けて、得点・イニング数等を表示する電光掲示板が設置された。 新球場設計案、建設費用の負担が正式決定したことを受け、本体建築工事については2007年8月30日に一般競争入札を実施。唯一応札した五洋建設と増岡組、鴻治組の広島にゆかりのある三社による共同企業体(JV)が予定価格の99.99%で落札。電気設備工事を落札した中電工、日本電設工業、長沼電業社のJVと共に、2007年9月28日の市議会の工事請負契約の議決を受け、同年11月26日から建設工事が進められた。 上記の入札の後には、空調設備、衛生設備、スコアボード(大型映像装置・サブスコアボードを含む)等の工事についても入札が行われており、その結果、トータルの落札額が予定価格より2億9000万円安くなったため、この「差額分」は、完成後に追加予定だった設備(エレベーターなど)の前倒し発注や観客席のグレードアップに充てられた。 建設工事は順調に進み2009年3月28日に完成式が執り行われ、入場券や球団グッズの販売は2009年4月3日から始まった。4月10日の対中日ドラゴンズ戦が公式戦初開催となったが試合は3対11と中日が大勝し、奇しくも旧市民球場の初ゲーム(1957年・対阪神戦・1対15)と同様にカープ敗戦でのこけら落しであった。また同年7月25日には、オールスターゲーム第2戦が開催された(広島では14年ぶりの開催)。アマチュア野球の大会では、同年7月から全国高等学校野球選手権広島大会の開幕式、開幕試合、決勝戦等に使用されている。
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