建設省建築研究所による煙に関する鑑定報告とは? わかりやすく解説

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建設省建築研究所による煙に関する鑑定報告

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 22:45 UTC 版)

千日デパート火災」の記事における「建設省建築研究所による煙に関する鑑定報告」の解説

建設省建築研究所は、千日デパートビル火災の際に延焼階で発生したに関して、7階プレイタウンに流入した経路、量や質、濃度、危険度などの6項目について、大阪府警捜査一課・南署特別捜査本部特捜本部)から鑑定依頼されていたが、1973年3月27日その結果まとまり同月29日に同特捜本部提出された。この鑑定書1972年6月22日23日両日に南署特捜本部火災現場実施した燃焼実験」の結果および大阪市消防局火災調査結果を基に同建築研究所10か月の期間を掛けてコンピューター解析し作成したのである。同特捜本部は、同建築研究所鑑定結果から刑事責任追及は妥当だと判断し千日デパートビルの防火管理者や7階プレイタウンの防火管理者らを業務上過失致死傷の容疑送検する方針だ、とした。 建設省建築研究所鑑定によれば3階出火推定場所で工事監督充分に消えていないマッチ擦り軸を商品の洋布団の上投げ捨てたことにより、その56分後に火の手上がり10分後には高さ3.15メートル天井まで火柱到達した。その直後に火は天井面を這ってフロア内部流れてフラッシュオーバー起こし輻射熱3階温度摂氏300度に達してフロア全体火の海になったその後に同階の防火シャッターが閉まっていなかったエスカレーター開口部階段出入口から上下階へ延焼し火災発生18分後に延焼階の温度摂氏600度から800度に達した延焼していない7階プレイタウンの室温は、流入した煙と熱気影響摂氏80度に達した計算された。 火災発生した煙の量は、ピーク時毎分あたり3トン容積換算では7000立方メートルはるかに超え和室6畳間の容積基準比較すると実に233倍以上だと計算された。7階プレイタウンに流入した煙は、火災発生6分後には7階プレイタウンに到達した。その流入した割合は、発生した全体10パーセントだったと計算され流入経路はおもに事務所前のリターンダクト、らせん状のF階段南側エレベーターシャフトからで、その噴出割合リターンダクトからが18パーセント、F階段67パーセント南側エレベーターシャフト15パーセントだと計算された。煙の流れ異常なほど早く拡散しており、その要因としては、千日デパートビルは商業施設ということ各階開放型売場であることから壁や間仕切りなどで細分化されておらず、煙の拡散遮断できなかったことが影響したさらには北東正面などの出入口消火作業のために開放されたことにより、大量空気流れ込んだ影響で煙の流れ加速された。7階プレイタウンでは、外窓開口部小さく更には非常口屋上出入口閉ざされていたために煙の排出が殆ど為されなかったことから、同階に流入した煙の濃度は、室内見通し距離から濃度算定する減光係数」では最大24」だと解析された。この数値は「0.1から0.2」で避難安全限界達するとされていることからすれば、実に200倍以上の猛煙だったことになり、プレイタウンの避難者には一寸先見えなかった。 延焼階で燃焼した物品は、おもに化繊商品新建材で、その量は25トンだった。煙の成分はおもに一酸化炭素有毒ガス発生したが、その量は微量だったと解析された。7階プレイタウンにおける酸素濃度は、延焼が進むにつれて急激に減少し、煙の流入から17分後には酸素一酸化炭素濃度は同比率となり、その2、3分後には一酸化炭素濃度極端に増えて、プレイタウン滞在者の煙死繋がった火災で煙の詳細な鑑定解析為されたのは、わが国では初の事例であった

※この「建設省建築研究所による煙に関する鑑定報告」の解説は、「千日デパート火災」の解説の一部です。
「建設省建築研究所による煙に関する鑑定報告」を含む「千日デパート火災」の記事については、「千日デパート火災」の概要を参照ください。

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