幹部候補生制度甲種集合教育とは? わかりやすく解説

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幹部候補生制度(甲乙種制)甲種集合教育

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/02 04:48 UTC 版)

幹部候補生 (日本軍)」の記事における「幹部候補生制度甲乙種制)甲種集合教育」の解説

1937年昭和12年7月盧溝橋事件発端とした日中戦争支那事変)が始まると、陸軍では大規模な動員が行われた。部隊幹部である将校下士官現役のみでは賄えないため、予備役将校下士官重要性強く認識されるようになった動員により出征した幹部候補生(あるいは一年志願兵出身予備役将校には優秀な者もいたが、現役将校比べ指揮官としての任に堪えられるかが疑わしい者もあった。陸軍中央1年幹部候補生修業期間では複雑化した戦闘指揮し進歩した兵器ならびに器材運用する能力付与には困難であり、将校養成する教育各個部隊委任した点も原因であると判断した同年12月従来制度により各部隊内で修業終え現役満期となった甲種幹部候補生は、そのまま引き続いて予備役見習士官として召集され豊橋陸軍教導学校陸軍歩兵学校陸軍工兵学校陸軍経理学校などで翌年1月より5月まで集合教育受けた。このとき初め集合教育受けた甲種幹部候補生第1期とされ、以後甲種幹部候補生は期ごとに数えられる1938年昭和13年4月陸軍補充令の改正勅令137号)により幹部候補生制度は再び大きな変更受けた改正理由書には「幹部候補生能力向上ノ為之ニ学校教育ヲ施シ且二年修業制ト為シ又下士官補充源ヲ拡張スル改正ノ要アルニ由ル」と記されている。より広範囲からの人員に、より即戦力となる充実した教育を行うためである。 幹部候補生となる第一条件は「兵トシテ概ネ四月上在営(召集ニ依リ部隊ニ在ル場合ヲ含ム以下之ニ同ジ)シタル者」と現役兵のみから補充兵などにまで範囲広がり同時にとしての基礎教育を3か月から4か月へと1か月多く費やすよう設定した。ほかに採用資格としてそれまで高等教育機関である専門学校上の卒業条件としていた兵科技術従事幹部候補生経理部幹部候補生を、中等教育である実業学校上の卒業者緩和した。さらに経理部では採用資格条件となる学科範囲従来より広げた幹部候補生資格条件は下のとおりである(1938年4月時点)。 各兵科技術従事すべき者を除く) 次のいずれかひとつに該当し軍学校商船学校以外の卒業者最終学歴学校教練検定合格していること。配属将校在職する学校研究科選科等の別科を除く)を卒業した者。 配属将校在職する高等学校高等科、または大学令による大学予科1年課程修了した者。 配属将校在職する陸軍大臣高等学校高等科同等以上と認めた学校予科1年課程修了した者。 陸軍士官学校予科海軍兵学校海軍機関学校、または海軍経理学校1年課程修了した者。 文部省直轄商船専門学校席上課程修了した者。 技術従事すべき各兵科、および各部 上に挙げた技術従事以外の兵科幹部候補生同様の条件満たし、かつ次の条件備えること。各兵科技術従事) ― 工学または理学学士、または工業に関する学科専門学校卒業した者。 工業学校卒業した者も上記規定準じる経理部法律経済、商業工業農業に関する学科専門学校または同等上の学校卒業した者。 ただし工業建築土木応用化学染色紡績に関する学科農業農芸化学に関する学科に限る。 商業学校卒業した者、工業学校または農業学校卒業し主として建築土木応用化学染色紡績、または農産製造に関する学科修業した者も上記規定準じる衛生部軍医医師免許有するか受ける資格のある者。薬剤官:薬剤師免許有するか受ける資格のある者。 獣医部獣医師免許有するか受ける資格のある者。 1937年幹部候補生採用数は兵科各部合計が6160名(そのうち甲種採用は4440名)であったのに対し新制度幹部候補生採用数は1938年が9511名(甲種5601名)、1939年1万7666名(甲種1万995名)となった甲種幹部候補生従来各部隊内での教育から集合教育にかわり、新たに設立され陸軍予備士官学校はじめとする各種軍学校など(後述)でおよそ11か月教育を受ける定められた。ただし航空兵科は特に高度な技能教育が必要となる者が大半のため、甲乙区分前に所定航空関係諸学校に入校し独自課程による教育受けた。また兵科技術従事幹部候補生採用後ただちに陸軍造兵廠でおよそ1年間教育を受けるとされた。各部幹部候補生それぞれの職務に応じて所定の期間を学校あるいは官衙部隊集合教育受けた改正によるもうひとつ主な変更点は、幹部候補生修業期間である。それまで幹部候補生制度一年志願兵制度の頃と大差なく修業期間1年程度であり、一般兵よりも短かった。それを現役新兵から採用された者は入営日から満2年まで、その他の兵から採用された者は採用から1年8か月延長した1938年4月時点改正陸軍補充令により定められ幹部候補生過程と、与えられる階級次のとおりである。 幹部候補生 兵として在営4か月以上。採用時に一等兵採用後部隊教育2か月上等兵採用後3か月甲乙種に区分甲種幹部候補生 原則として学校教育区分1か月伍長、さらに3か月後(採用から通算7か月後)に軍曹教育修了後に曹長進み見習士官乙種幹部候補生 原則として部隊教育区分後4か月伍長区分1年試験、優秀者は軍曹教育課程修了した各兵科および各部甲種幹部候補生曹長階級進み部隊等で見習士官として初級将校勤務習得する。およそ4か月後に所属先の将校団による銓衡会議可決されると、少尉任官し予備役編入された。乙種幹部候補生採用後およそ1年3か月の後に試験行い、その成績平素の勤務成績により優秀者は軍曹となり予備役編入された。

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