幹部候補生学校卒業後の進路
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/11 14:58 UTC 版)
「幹部候補生 (自衛隊)」の記事における「幹部候補生学校卒業後の進路」の解説
幹部候補生学校を卒業した候補生は、3尉(大学院修士課程修了者で院卒者試験に合格した者、医科・歯科幹部候補生、6年制卒の薬剤科幹部候補生は2尉)に昇任し、各部隊及び術科学校等に配属される。ただし、医科・歯科・薬剤科幹部候補生は医師国家試験、歯科医師国家試験、薬剤師国家試験に合格する必要があり、不合格であった候補生は候補生の身分のままで衛生職種に勤務することとなる。国家試験に合格すれば本来昇任するはずの階級にまで昇任できるが、特例として、医科・歯科幹部候補生は1年、薬剤科幹部候補生は1年6月経過すると3尉(修士課程修了者は2尉)に昇任する。 幹部昇任後は段階的に各種学校等で教育を受け、特に防衛大・一般大卒業者の場合、1尉までは横並び(ストレートで行けば28歳前後)に昇任する。その後、3佐以降の昇任に関してはAOC課程の修了が必須となり、また1佐以上の高級幹部になる為には、特に陸上と航空の場合、幹部学校等の指揮幕僚課程に進む必要がある。1尉以上の昇任の速さは、幹部候補生学校の席次、勤務成績、指揮幕僚課程の席次によって大きく左右される。また、内外の大学院や海外の軍学校への留学に際しても、これらの成績・席次の高さが必要条件となる。 航空学生課程の修了者からなる飛行幹部は基本的に原隊に復帰する。特に海上要員は卒業後に機長となる資格を得る。一般とは違い専任の操縦士として養成されているため横並び昇進は3尉までとなり、大半は飛行班長・教官として3佐どまりで定年を迎える。また40歳前後になると、民間に操縦士として斡旋される割愛制度の対象となるため一定数が定年前に退職する。しかし指揮幕僚課程に進むことも可能である。航空学生(航空要員)出身の幹部候補生は前後の2期に分かれて幹部候補生学校に入校するが、これは天候や機材の影響による入校前の操縦訓練の遅れや教育期間が機種により異なることから、教育の効率化と任官時期を合わせることを狙ったためである。なお、航空学生(海上要員)出身の幹部候補生(飛行幹部候補生)は1期のみである。 卒業式は入校者の区分ごとに行われる。
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