国際政治とシノロジーの発展とは? わかりやすく解説

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国際政治とシノロジーの発展

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/04 08:28 UTC 版)

中国学」の記事における「国際政治とシノロジーの発展」の解説

19世紀以降産業革命工業化成功した西欧諸国は、それまで通商・外交関係において劣位立っていた中国に対して全面的な攻勢転じた。すなわちアヘン戦争以後政治的経済的軍事的な優位に立った西欧列強は、自由貿易通じて中国国際的な資本主義経済システム編入し市場領土支配乗り出したのである。これにより、シノロジーにはそれまで布教以外に、植民地進出という新たな目的付け加えられるようになった。これにより中国学者の中では宣教師出身者よりも世俗的な学者多数占めるようになっていく。 この時期西洋におけるシノロジー中心となったのは、17世紀以来伝統蓄積をもつフランスである。この国ではフランス革命後1795年東洋語学校が設立次いで1814年には中国語満州語講座が、最高学府であるコレージュ・ド・フランス創設されヨーロッパ大学では最初シノロジー講座となった。そして独学中国語学んだレミュザが、ヨーロッパで最初中国語教授になった彼に続いてシノロジーにおける文献批判方法確立したシャヴァンヌ現れ彼のもとで敦煌学ペリオ道教研究マスペロ、『詩経研究グラネ出てくるに及び、フランス古典学シノロジーヨーロッパで最高水準のものとなったフランス続いてイギリス・ドイツなどでもシノロジー発展がみられ、英ではキッド英語版)(1797年 - 1843年)、独ではショットドイツ語版)(1807年 - 1889年)がそれぞれの国で、フランスにおけるレミュザ役割果たした。そしてレッグ(英)とガベレンツ(独)が両国初めキリスト教との関係を持たない著名な中国学者になった19世紀後半になりシノロジーはその知見をさらに広げていくことになる。アロー戦争外国人中国内地自由旅行認められ西洋列強中国との非対称的関係がさらに質量ともに深化していくと、それまで情報源漢文古典典籍中国沿岸部点在するヨーロッパ人居留地での見聞依存していたシノローグたちは、さらに広く深く中国内部分け入ったのである例えば、イギリススタインフランスペリオドイツル・コックによって行われた西域地方考古学的探検調査は、各国でのシノロジー発展大きく貢献した。またシノロジー対象分野拡大していった。すなわち、従来からの古典研究語学加え侵略戦争遂行のための兵要地作成や、経済進出のための市場物産調査植民地支配のための慣行調査19世紀末以後の「中国分割」の結果列強各国中国領土一部直接支配下に置くことになり、行政このような調査も必要となった)もまたシノロジーの名において行われるようになったのであるとはいえ後者のような同時代中国対象とする研究は、古典学としてのシノロジーとは区別されるべきであるとする考え方もあり、現状分析としての中国学は、どちらかというと地域研究一分としての中国研究」(チャイニーズ・スタディーズ)とみなされ次第古典文化研究する従来シノロジーとは異な分野みなされるようになったとはいえ、現在においても「シノロジーといえば双方包括する概念とされている)。 20世紀に入ると中国学講座徐々にヨーロッパ大学増加していった。特に第二次世界大戦後それまで中国学への貢献大きく後れとっていアメリカにおいては朝鮮戦争以後冷戦焦点となった中国研究する国際戦略上の必要から、フェアバンクやラティモア代表される社会科学方法論駆使した地域研究としての中国学中国研究)が大きく進展したこのような地域研究としての中国学は、現代においては、シンクタンク活躍通じて政治的政策的影響力増している。

※この「国際政治とシノロジーの発展」の解説は、「中国学」の解説の一部です。
「国際政治とシノロジーの発展」を含む「中国学」の記事については、「中国学」の概要を参照ください。

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