中国分割とは? わかりやすく解説

中国分割

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/22 11:11 UTC 版)

中国分割(ちゅうごくぶんかつ、英語: Scramble for China)または利権争奪(りけんそうだつ、英語: Scramble for Concessions)は、1890年代後半に欧米清朝を分割した出来事、また積極的に漢土勢力圏としようとする新帝国主義的な思想を指す。




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中国分割

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ニコライ2世 (ロシア皇帝)」の記事における「中国分割」の解説

1894年日清戦争清に勝利した日本巨額賠償金重要な海軍拠点旅順を含む遼東半島獲得した。これに対してロシア政府蔵相ヴィッテ主導で「日本の南満州支配認められない」という声明出し開戦辞さない態度日本脅迫した。さらに外相アレクセイ・ロバノフ=ロストフスキー主導フランスドイツ支持得て日本三国干渉をかけ、遼東半島清に返還させた。これにより日露関係急速に悪化した一方日本に対して巨額賠償金負った清は、その支払いのためにロシアから借款余儀なくされた(厳密にロシア同盟国フランスから借款した金を清が又借りする形の対ロシア借款)。その見返りとして清政府露仏両国中国における様々な権益認めざるをえなくなり列強諸国による中国分割が進み阿片戦争以来中国イギリス一国半植民地非公式帝国)状態が崩壊していくこととなる。 とりわけヴィッテが中国分割に強い意欲持っていた。鉄道建設にあたってロシア横断するより満洲の地を使った方が安上がりであり、中国北部市場ロシア独占市場にするうえでも有利と考えられたからである。1896年ヴィッテ訪露した清の大臣李鴻章露清密約締結した。これによりロシア中国日本から防衛する代わりに満洲ロシア鉄道敷設する権利獲得した鉄道土地管理権検察付属しており、典型的な帝国主義的進出だった。これによりロシア満洲強固な足場獲得しとりわけハルビンロシア植民地化していった。 1897年11月山東省ドイツ人カトリック宣教師殺害され事件口実ドイツ皇帝ヴィルヘルム2世山東省派兵し膠州湾占領しそのまま清政府から同地租借地として獲得した危機感抱いたニコライ2世11月26日にもその対策会議招集した外相ミハイル・ムラビヨフ(ロシア語版)は「イギリス軍報復措置旅順占領する可能性高く先手打って我々が旅順占領する必要がある」と主張したが、ヴィッテその主張反対した。会議全体の流れ反対派有力だったので、この会議ではニコライ2世旅順占領案を却下した。しかしニコライ2世極東不凍港欲しがっていたため、その二週間後にはムラビヨフ外相説得受け入れる形で前言撤回し、旅順占領決定した。こうして翌12月遼東半島旅順大連ロシア軍艦が派遣されることになり、清政府威圧してそのまま旅順大連ロシア租借地とし、旅順艦隊太平洋艦隊)を常駐させるとともに、「満洲と清領トルキスタンロシア独占的勢力圏である」との宣言発することになったイギリス首相ソールズベリー侯ドイツロシア対抗して山東半島威海衛占領して同地租借した日本3年前三国干渉で「清の領土保全せよ」という名目旅順放棄させられたから、結局旅順ロシア取られたことを口惜しがった。 列強諸国による中国分割に反発した義和団1899年から1900年にかけて北中国を中心に義和団の乱起こした。乱自体列強諸国連合軍によってただちに叩き潰されたが、ロシア軍はこれを口実満洲軍事占領した。日英米の抗議受けてロシア撤兵約束したにも関わらず履行期限過ぎて撤退せずに駐留軍増強図り、さらに権益拡大するなど極東進出強引に推し進めた。これには日本イギリス憤慨し1902年1月日英同盟締結繋がった

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中国分割

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ロバート・ガスコイン=セシル (第3代ソールズベリー侯)」の記事における「中国分割」の解説

1895年日清戦争で清が日本敗れて以降中国大陸をめぐる情勢一変した日本への巨額賠償金支払うために清政府ロシアフランスから借款し、その見返りとして露仏両国清国内における様々な権益付与する羽目となったのである。これがきっかけとなり、急速に列強諸国による中国分割が進み阿片戦争以来の清のイギリス一国半植民地非公式帝国)状態は崩壊したとりわけシベリア鉄道満洲北部敷設獲得代表されるロシア満洲北中国への進出激しかったフランスフランス領ベトナムから進出して雲南省広西省広東省四川省など南中国を勢力圏収めていき、北中国を勢力圏とするロシア連携してイギリス挟撃してくる恐れ生じたロシアフランス1893年露仏同盟締結しており、三国干渉代表されるように中国分割においても密接に連携していた)。 これに対抗してソールズベリー侯爵清国領土保全訴えることで露仏中国大陸におけるイギリス権益食い荒らすのを防ごうとした。さらに1896年3月にはドイツ帝国連携して露仏先んじて清政府対日賠償金支払いのための新たな借款与えることで英独両国清国内における権益認めさせた。また1896年1月にはフランス協定締結し英仏両国ともメコン川上流軍隊駐屯させず、四川省雲南省門戸開放することを約定した。これによってフランス北上一定の歯止めをかけることに成功した1897年山東省ドイツ人カトリック宣教師殺害され事件口実ドイツ皇帝ヴィルヘルム2世清に出兵し、膠州湾占領しそのまま同地租借地として獲得した。これについてソールズベリー侯爵ははじめドイツロシア南下政策対す防波堤になるだろうと考えて歓迎していたが、ヴィルヘルム2世山東半島全体ドイツ勢力圏主張しはじめるに及んで警戒感強めた。 さらに1898年に入るとロシア遼東半島旅順占領し、さらに大連にも軍艦派遣し清政府威圧してそのまま旅順大連ロシア租借地とした。これに対抗してソールズベリー侯爵これまでの清国領土保全」の建前覆して清政府砲艦外交しかけて山東半島威海衛を「ロシア旅順占領をやめるまで」という期限イギリス租借地とした。だが同時にドイツ露仏一緒になってこの租借反対することを阻止するために山東半島ドイツ勢力圏認め羽目にもなった。これはイギリス帝国主義にとって最も重要な揚子江流域清国総人口三分の二揚子江流域暮らしている)にドイツ帝国主義進出していくことを容認するものとなり、イギリスにとって大きな痛手だった。 1899年入った頃にはロシア帝国主義満洲北中全域支配体制はより盤石なものとなっていた。ロシアがこの地域関税をかけるのも時間の問題だった。ソールズベリー侯爵ロシア勢力圏門戸開放させることを決意したが、威海衛九竜半島租借しているイギリス門戸開放主張して説得力がなかった。そこで中国分割に出遅れアメリカ門戸開放主張させようとし、アメリカ世論政府門戸開放論に誘導したその結果1899年6月アメリカ国務長官ジョン・ヘイがイギリス・ドイツ・ロシア・フランス・日本イタリアといった中国内に勢力圏築いている列強諸国に対して門戸開放求め宣言発した門戸開放宣言)。だが各国とも留保条件付け返答をし、ロシア至ってはほとんど拒否に近い返答出した門戸開放によるロシア帝国主義抑止というソールズベリー侯爵目論見失敗終わった

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