国内外での利用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/26 15:29 UTC 版)
一番の利用は、盛土高架の道路や、鉄道の法面緑化の先駆けに利用することが、多く研究発表されている。タケニグサ(ケナシチャンパギク)は日本が原産地であるために、特定外来生物として環境に悪影響は与えない。パイオニアプランツ(先駆け植物)の性質を利用した緑化を計画実施。裸地緑化用として栽培および、緑化用途専用として種子の販売も専用業者で行われ、種子の吹き付け散布播種が行われている。鉄道の新設や高速道路の新設などでの盛土高架や堀割の新設法面に、しばしば当草が群落を形成する状況があるが、種子の吹き付け散布播種が行われて、芽生えたものである。この草は裸地状態で、植物の生育に適していなかった土地に、他の植物が生育できる環境を作り出す性質があるため、そのまま放置しておくと、やがてタケニグサは生育不能になり枯死していき、ほかの植物と置き換わっていく。鹿による植物の食害が多い地域では、このタケニグサ、ケナシチャンパギクの含毒性質などや味がおいしくないらしく、よほど食草がなくなって困らない限り、鹿によって食べ尽くされることも少ない。それで新たに造られた法面の緑化にこのタケニグサ(同じく日本原産の近似種のケナシチャンパギク含む)の種子を、人工的に吹き付け播種を行って、緑化を促進させるとともに、土砂の崩壊防止とさせる。多年生草本であり、冬季に地上部分が枯死し、表面に枯死した前年の枯死体が残存するために、他の草本や木本植物の種子が定着することが可能となることで、初年度の一面のタケニグサとケナシチャンパギクだけの人工的群落に、他種の植物が発芽が見付かったという。優れた緑化のパイオニアプランツとしての働きをするという。 害虫駆除や外用薬に使用されていた。葉、葉柄、茎を煎じ、殺虫剤として作物に散布をしていた。「タケニグサの抽出エキス」を原料としたサンギナリン殺虫剤が、天然素材の殺虫剤として橙色の粉末状態のものから、液体状態のものまで、製品が多数紹介されている。製品名称に天然サンギナリン-サプリメントと名付けられているが、有毒物質である。ほかに、汲み取り式トイレにはハエが繁殖するので、屎尿(しにょう)の落とし瓶のなかへ、生の茎や葉などを入れて、うじを駆除していた。殺菌剤としての利用で、タムシなどの皮膚病の外用薬に、生の汁を塗布していた。一部地域の迷信で、この草の橙黄色の汁を脚(ふくらはぎとアキレス腱のあいだの部分)に塗布すると、運動会での徒競走で、早く走ることができるようになるといって、実際に塗布をしていた。本来は危険であるため、病変部以外塗布することは止めるべきである。 竹煮草の意味は、竹細工時に一緒に茹でると柔らかくなるというのは迷信で、一緒に煮沸しても決して柔らかくなることはない。地区によって筍を収穫したが固く育ったものを竹煮草と一緒に煮込むと、柔らかくなり食すことができるようになるともいわれているが、柔らかくならないばかりか、有毒成分が混ざることになるために、危険を発生させることになる。しかし、別の意味で竹とタケニグサを一緒に煮込んで使う場合がある。実際に竹の煮沸にタケニグサを入れる場合は、新しい青竹を竹細工に使うときに、十分に干して乾燥させている竹の色に似せるために、タケニグサの乳汁の橙黄色の色素を利用して、新しい青竹を枯らした茶色に変えるために、カットをした竹のパーツと一緒にタケニグサを入れて煮沸をして、竹細工に使う竹のパーツを、乾燥している茶色に変えるために利用をすることもあるのだというが、この場合は、細工物を造る際に新しい竹を古いものに見せかけるように使用しているという。時間が経つと変形をすることもあるので、積極的に利用を薦めることは避けたほうがよいと、竹細工師がいうことがある。天然の着色料として使用されていた。いわゆる青竹の色から古いもののように、色を変えるために一緒に煮沸をしたという。草木染めの原料とされていたのである。そのため足りなくなった場合に、もしくはあらかじめ切断をしたパーツを、他のパーツの色と合わせるために草木染めを行って、見た目の違和感を取り除く非常手段である。 いわゆる汁の成分(色素も含む)の利用以外には、中空の茎を繋ぎ合わせ、樋(とい)やホースのようようにして使用したという。飲料水を引くためには、乳汁は毒性が強いため、冬以降の乳汁が抜けていている、よく枯れた古い(前年以前の)茎を十分に洗浄してから使用されていた。タケニグサが自生していない海外では、栽培をしていても、その場合も、よく枯れた十分に乾燥をしている茎で、笛を製作していたが、これも乳汁は毒性が強いため、生の新鮮なものは決して使わない。ただし、成分的に味は苦く、まずいはずである。自殺をするためなどでない限り、口にできない味だといわれる。吹き矢の筒等にも使われたという。 欧米では庭園用園芸植物として、タケニグサ属(日本原産のタケニグサ、ケナシチャンパギク、マルバタケニグサと、中国大陸東アジア原産の小果博落廻および、園芸品種)の植物が栽培されている。玄関に通じる門から庭を通る通路の両サイドに植え付けて、アクセントにしたり、庭園の芝生のところどころに植え付けている。「はるか東の日本原産で、芸術的な葉の形と、葉の表面以外は白色の植物体で、蕾の時に美しいガクに包まれて、開花すると羽毛のような花になる。」と英国の園芸植物の書籍に紹介されている。ただし、根茎から次々と芽を出す栄養繁殖が、花の後の実からこぼれるケシ粒ともども発芽するために、はびこりやすいので、生えてほしくない場所で、芽を見付けた場合には、小さなうちに抜き取ることが勧められている。英国の園芸書籍にもよるがどくろのマークを付け、有毒植物であることが示されている。花卉植物や花壇、庭への直植えなどガーデニングにも奨められている。
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