分離独立と多様化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/10 06:00 UTC 版)
「SRIインターナショナル」の記事における「分離独立と多様化」の解説
1970年、スタンフォード研究所はスタンフォード大学から分離独立。この分離はベトナム戦争で高まった反戦運動により、同研究所での米国国防高等研究計画局 (DARPA) 出資による研究が軍への協力ではないかとの批判への反応でもあった。さらに1975年にはスタンフォード研究所からSRIインターナショナルへと名称を変更した。 1972年、SRIの物理学者 Harold E. Puthoff と Russell Targ は生命プロセスにおける量子力学に関する研究を提案し、その後超能力現象の研究を行った。この結果として1980年代中ごろまでCIAの資金による透視技術の開発(スターゲイト・プロジェクト)が行われたが、特に成果もなく研究は終了した。 社会科学者 Arnold Mitchell は1970年代末、アメリカにおける価値観やライフスタイルの変化を説明する VLAS (Values, Attitudes and Lifestyles) というサイコグラフィック技法を生み出した。VALSは1978年にSRIの成果として正式に発表され、Advertising Age 誌は「1980年代の市場調査法のブレークスルーの上位10位に入る成果」と評した。 1980年代、SRI はザイロン繊維、ステルス技術、超音波画像処理の改善、2次元レーザー蛍光相関分光法、順序ソート代数など様々な研究開発を行った。コンピュータ関係では、マルチメディア電子メールシステム、コンピュータセキュリティにおける非干渉(英語版)の理論、マルチレベルセキュリティ(英語版) (MLS) を採用した関係データベース Seaview、LaTeX、オープン・エージェント・アーキテクチャ(英語版) (OAA)、ネットワーク侵入検知システム、宣言型プログラミング言語 Maude system、モバイルアドホックネットワークを形成するP2P無線技術PacketHopなどを開発した。なお、ネットワーク侵入検知システムの研究から特許侵害訴訟 SRI International, Inc. v. Internet Security Systems, Inc. が起きている。 1986年、SRI.comが ".com" ドメインで8番目に登録されたドメイン名となった。人工知能センターでは1980年代末から1990年代初めにかけて手続き推論システム(英語版) (PRS) を開発。PRSはBDI(英語版)ベースの知的エージェントという分野を生み出した。1990年代には、アメリカ合衆国郵便公社向けに郵便区分機を開発している。 軍事技術関連では1990年代以降、合成開口レーダー、アメリカ陸軍の統制システムINCONとREDDE、対人および車両追跡システム IGRS (integrated GPS radio system) などを開発している。また戦闘訓練用にGPSと高速無線通信とデジタル地形図ディスプレイを応用した DFIRST (Deployable Force-on-Force Instrumented Range System) を開発した。他にも、アメリカ国立科学財団の依頼で開発中の移動可能な大気研究施設 AMISR (advanced modular incoherent scatter radar)、未知の環境の探査への応用を意図した群ロボットCentibotsといった研究がある。 医学と薬学の分野では、ドライパウダー吸入薬(英語版)、眼の治療に使われるレーザー光凝固(英語版)、遠隔手術(英語版)、実験的抗がん剤 Tirapazamine、環境にやさしい酸化剤アンモニウムジニトラミド(英語版)、人工筋肉、坑マラリア薬 Halofantrine などを開発した。 1990年代、ワールプール・コーポレーションからの委託でオーブンの現代的なセルフクリーニング機能を開発した。
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